Power Point - 鹿児島大学 共同獣医学部 ホームページ

Report
鹿児島市食育推進ネットワーク会議 2013年6月6日
分りやすい食の安全性の考え方
鹿児島大学名誉教授(共同獣医学部) 岡本嘉六
食料生産提供網(Food production chain)の取組み方
化学物質
第一次生
産
新技術
汚染物質
生鮮食品
の供給
病原体
加工・取扱
い
リスクと便益
農薬
小売
消費
アレルゲン
人類は狩猟採取時代から自らの食料を生産するために定住生活
の時代を迎え、より多くの人々の食料を賄う生産が可能になったこと
で分業が成立し、様々な職業が生まれるとともに文明が開花した。こ
れによって、食料の生産、加工、流通、消費の過程が分かれることに
なった。
相互理解と協力に基づく信頼性構築が「食育」の役割の一つ
小麦 11%
大豆 7%
果実 38%
肉類 54%
魚介類 52%
砂糖類 26%
油脂類 13%
飼料 26%
食料の60%を海外に依存している日本の食料生産提供網(Food
production chain)は、世界に広がっている。すなわち、食の安全性
は、国際的問題であることを認識しなければならない。もちろん、地
産地消を広げて自給率を高める努力が重要だが、当面は輸入に依
存しなければならない現状を直視することも必要である。
世界の食料状況:国民一人当りカロリー供給量
工業や商業を含めた産業の発展は世界各地の格差を生み、とくに
20世紀に入って世界人口が急増する中で飢餓人口の増加が深刻化し
た。国民一人当り食事カロリー供給量は世界平均で2790kcalである
が、開発途上国平均で2120 kcal、先進国平均で3430 kcalとなってお
り、さらに国内の貧富格差が栄養不良人口を生み出している。
2012年において
およそ8億7000万
人、世界の8人に一
人が慢性的な栄養
不足に苦しんでい
る。5歳未満の幼児
では、約1億人が低
栄養に置かれ、毎年
250万人が栄養不良
で死亡している。
国連は2005年に
「新世紀の発展目標
(MDGs)」を策定し、8
しかし、2009年の「世界食料安全保障サミッ
項目の筆頭に2015年 ト」は、2050年には90億を超える世界人口を養
までに飢餓人口の半 うために「農業生産量を70%増加させる」という
減を掲げている。
世界的な緊急行動を呼びかけた。
「食の権利(The right to food)」は基本的人権の一つであり、各国
政府がそれを保証し、国際機関はその支援を要請されている。
ナイジェリア
バングラディッシュ
インドネシア
中国
インド
日本
ブラジル
メキシコ
パキスタン
スペイン
イタリア
ドイツ
フランス
米国
総摂取カロリーに占める
動物性蛋白質の割合(%)
:2007~2009年
:1961~1063年
良質の動物
性蛋白質は母
体と胎児にとっ
て極めて重要。
0
5
10
15
BMI(Body-Mass Index:体重を身
長の2乗で割った指数)と癌や心血
管疾患が関連する(米国)。標準体
重と比べて過体重(25≦BMI<30)で
は目立たないが、肥満(30≦BMI)で
は明らかに増加している。子供にお
いても過体重が3人に1人、肥満が
過去30年に3倍に増加している。
20
26
30
BMIと死亡リスク
日本における食中毒、糖尿病、心疾患による死亡の推移
罹患率、死亡率とも人口10万当り
1960
1970
1980
1990
2000
2010
患者数
37,253
32,516
32,727
37,516
43,307
25,972
食中毒
糖尿病
罹患率 死亡数 死亡率 死亡率
39.5
218
0.231
3.4
31.1
63
0.060
7.4
28.0
23
0.020
7.3
30.4
5
0.004
7.7
34.1
4
0.003
9.8
20.3
0
0
11.4
心疾患
死亡率
73.2
86.7
106.2
128.1
116.8
149.8
食の安全性とは、食品自体の安全性とともに、「安全な食品で
あっても<危険な食べ方>をすると健康を害して病気になる」事態
を防ぐことも重要である。
2005年に制定された食育基本法で、食育を「健全な心と身体を培
い豊かな人間性をはぐくんでいく基礎となるもの」とし、「食に関する
知識と食を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することがで
きる人間を育てる」とされている。
食品安全基本法
(食品の安全性の確保のための措置を講ずるに当たっての基本的認識)
第三条 食品の安全性の確保は、このために必要な措置が国民の健康の
保護が最も重要であるという基本的認識の下に講じられることにより、行わ
れなければならない。
(国の責務)
第六条 国は、前三条に定める食品の安全性の確保についての基本理念にのっと
り、食品の安全性の確保に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有
する。
(食品関連事業者の責務)
第八条 肥料、農薬、飼料、飼料添加物、動物用の医薬品その他食品の安全性に
影響を及ぼすおそれがある農林漁業の生産資材、食品の生産、輸入又は販売その
他の事業活動を行う事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動を行うに当たっ
て、自らが食品の安全性の確保について第一義的責任を有していることを認識し
て、食品の安全性を確保するために必要な措置を食品供給行程の各段階において
適切に講ずる責務を有する。
(消費者の役割)
第九条 消費者は、食品の安全性の確保に関する知識と理解を深めるとともに、食
品の安全性の確保に関する施策について意見を表明するように努めることによっ
て、食品の安全性の確保に積極的な役割を果たすものとする。
く「
も
」
この
と」
のと
基し
本て
の
的取
認扱
識い
をを
育定
てめ
るた
たも
めの
ので
役あ
割り
は、
な「
い
いの
。ち
を
い
た
だ
食品の安全性: 科学に基づく合理的判断
安心: 食料生産提供網に対する信頼感
相互理解と協力に基づく信頼性構築が「食育」の役割の一つ
100%安全なことは現生にはない
成テ と繰
すム が返
るに食不し「
安
つ
料
可
て
たい
心
めて生能も」
に理産で無を
有解提あ駄生
効を供る。み
で深網よ学出
はめにう校す
なるおに教た
かこけ。育め
ろとる のに
うが安 一「
科
か、全 か学
?信性 ら
的
頼確 教説
感保 え明
をシ 治」
醸ス すを
こ
B国
非関税障壁(WTO訴訟)
国際基準を満たして
いる商品を、国が輸
入を止めた場合に輸
出国との間で紛争が
生じる
A国
危
害 衛生水準が同等の国
因
子 同士では問題は生じ
に ないが、衛生水準が
つ
い
異なると・・・・
て
の
国
の
衛
生
基
準
C国
E国
D国
国
際
基
準
食品:Codex委員会
家畜・畜産物:OIE
自由貿易の枠組み(WTO)と衛生基準の関係概念図
衛生および食物検疫措置の適用に関する協定(SPS協定)
貿易の技術的障壁に関する協定(TBT協定)
食料の国際取引における安全性確保の仕組み
加盟国
科学的助言
国際貿易協定
データと
専門的知識
国際的リスク査定
FAO/WHO
科学的助言
必要性
実行可能性
影響など
基準
指針
関連文書
WTO
貿易協定
科学的助言
要請
国際的リスク管理者
FAO;食品安全のための科学
Codex委員会
基準の
ベンチマーク
(国際基準とし
て承認)
リスク解析の理論的枠組み
Risk analysis Paradigm
リスク管理
リスク査定
Risk
Management
政索に基づく
Risk
Assessment
科学に基づく
リスクの情報
交換
Risk
Communication
利害関係者:各国政府の
みならず、生産者、加工業
者、流通業者、消費者の
団体の代表者
リスク査定:科学的
データを査定し科学的
情報を集めるため国際
的専門家会議を招集
し、その後に加盟国と
コーデックス員会に結
論を提供する。
リスク管理:科学的
助言を利用して食品の
基準、指針および実施
規則を策定し、健康関
連問題および公正な貿
易業務も織り込む。
リスクの情報交換:
全ての利害関係者が
伝えられた決定を実行
できるように情報の交
換を保証する。
FAOの「安全な食料のための科学」戦略の概要
目標1 専門家の科学的
助言の提供
コーデックス基準および
国の管理措置の策定の
ため国際的に関連する科
学的助言の適時性と品質
を改善する
目標3 国の科学的能力の強
化
・ 国の食料管理システムを強化す
るため入手可能な国際的な科学的
データを解釈し活用する
・ 食品安全の証拠に基づく取組み
方のための基礎として関連する
データを地域的に集める
・ 国と地域のデータの品質を高
め、国際的領域に専門知識をもた
目標2 科学的情報の
広報活動
達成目標
科学に基づく食料基準と世界
の食料の安全性を向上させる
科学に基づく取組み方の手引
きのための指導的な国際照
会先としてWHOの協力の下で
活動し、消費者保護の適切な
水準を提供し、貿易を促進す
る
食料と関連する科学的助
言を広範に広報し、加盟国
による食料管理システムの
より広い枠組みでの活用を
図る
目標4 科学的なグルー
プと連携網の構築
目標5 持続性と措置の
成功の保証
WHOとの協力下で効率的
かつ効果的に対処するFAO
の能力およびこの戦略の
目標達成に成功する措置
を確保する
全ての段階で科学的助言
グループとの協力と連携を
強化する
FAOの「食品安全のための科学の戦略2010~2013年」
目標1
目標2
目標3
目標4
安全で栄養のある食料に関する専門家の科学的助言の提供
科学的情報の広報活動
国と地域の科学的能力の強化
科学的なグループと連携網の構築
FAOの科学的助言の原則
●
●
●
●
●
●
健全性(soundness):科学的卓越性(excellence)
責任性(responsibility):効率性(efficiency)と説明責任(accountability)
客観性(objectivity):助言の中立性と独立性
公平性(fairness):倫理的処理(conduct)
透明性(transparency):総合的、理解可能な、適時の情報公開
包括性(inclusiveness):多分野の国際的取組み方
JECFA:FAO/WHO合同食品添加物専門家委員会、JEMRA :FAO/WHO合同微生物
リスク査定専門家会議、JMPR:FAO/WHO合同残留農薬専門家会議、EMPRES:緊
急事態防止システム、FERG:食品媒介性疾患負荷の疫学研究グループ、
INFOSAN:食品安全当局の国際連携網、EFSA:欧州食品安全委員会、JIFSAN:食
品安全と応用栄養学のための合同機関、AGN:FAO栄養と消費者保護部、GFN:
食品媒介性疾患国際連携網
Codex委員会
消費者の健康の保護、食品の公正な貿易の確保等を目的として、
1963年にFAO及びWHOにより設置された国際的な政府間機関であ
り、国際食品規格(コーデックス規格)の策定等を行っている(我が国
は1966年より加盟)。
Codex委員会の下に、計28部会が設けられており、部会は、加盟国
の中から選ばれたホスト国が運営し、会議は通常ホスト国で開催され
ている。規格・基準等の最終採択は、毎年1回開催されている総会で
のみ行われる。
輸入食品には国内に存在しない病害虫が付着していたり、人体に
有害な物質が含まれていたりする可能性があり、「衛生植物検疫措置
(SPS)措置)」によって侵入を防ぐ。このSPS措置を、輸入国が国内産業
を保護するための口実として乱用すると、WTOによって不当な非関税
障壁と裁定される。すなわち、 SPS措置は、Codex委員会が定めた国
際基準に準拠しなければならない。 国内基準=国際基準
Codex委員会
執行委員会
事務局
一般問題部会(10部会)
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
一般原則(フランス)
食品添加物(中国)
汚染物質(オランダ)
食品衛生(米国)
食品表示(カナダ)
分析・サンプリング法(ハンガリー)
残留農薬(中国)
食品残留動物用医薬品(米国)
食品輸出入検査・認証制度(豪州)
栄養・特殊用途食品(ドイツ)
特別部会(1部会)
個別食品部会(11部会)
○
○
○
○
○
●
●
●
●
●
●
加工果実・野菜(米国)
魚類・水産製品(ノルウェー)
油脂(マレーシア)
生鮮果実・野菜(メキシコ)
糖類(コロンビア)
乳・乳製品(ニュージーランド)
ナチュラル・ミネラル・ウォーター(スイス)
穀物・豆類(米国)
植物タンパク質(カナダ)
ココア製品・チョコレート(スイス)
食肉衛生(ニュージーランド)
地域調整部会(6部会)
これだけ多くの世界一流の専門家等が定めた安全基準だが・・・
国際獣疫局(OIE)
OIEは、1924年1月25日に28カ国の署名による国
際的合意によって設置された政府間組織である。
2013年5月には、178ヶ国が加盟している。
「陸生動物衛生規約」に基づいて、重要な家畜伝染病(人畜共通
感染症を含む)の予防と制御のための措置を講じている。加盟国
は、リスト疾病が発生した時に直ちに通知する義務を負っており、
OIEに通知された時点で各国は輸入停止などの措置をとる。
本年3月末の中国における低病原性鳥インフルエンザ(H7N9)の発
生についても、通知された時点で輸入は停止される(それ以前に、
H5N1が常在化しており、家禽および生の家禽製品は輸入禁止と
なっている)。4月以降の報道取材で輸入鶏肉の安全性について問
われたが、国際的システムとして機能している。
科学的厳格性を維持するため、リスト疾病の診断はOIEに認定された標準研究
所(Reference Laboratories)が行うこととされている。2000年と2010年の日本
国内での口蹄疫発生時には英国の標準研究所で確認してもらったが、現在は動
物衛生研究所が行える。
食品の安全性に関わる民間組織
国際標準化機構
(ISO : International Organization for Standardization)
各国の異なる規格・基準や適合性評価手続き(認証制度)が貿易
の技術的障害とならないような仕組みが必要となり、国際的に通用
させる規格や標準を制定するための国際的機関として、 1947年に
民間の非政府組織のISOが発足した。本部はスイスのジュネーヴに
ある。
ISO本部
日本の認定機関は
日本適合性認定協会
(JAB)である。
工業製品のJIS規格
は、「工業標準化法」に
よって定められた日本
の公的認証であるが、
ISOとの相互認証が図
られている。
A国
B国
相
互
承
認
認定機関
認定
認定機関
認定
認証機関
認証機関
認証
製造会社
製
品
同
等
性
認証
製
品
製造会社
第三者認証の仕組み: 購入者と提供
製品認証機関(第三者)
者の双方とは利害関係のない第三者
認証
が、購入者の要求を満たしていることを
保証する。そのためには、認証に当たる
品質保証
(
要員が生産工程および認証の意義と手
第提
購(
第
順に熟知していることが必須であり、特
一供
入二
者者
者者
別の訓練を受けて、認証要員の資格試
品質要求
)
)
験に合格しなければ登録されない。
ウルグアイラウンドの合意(1995年)によって農業分野の貿易も原
則的に自由化が図られたため、食料分野の安全性と品質についても
国際規格・基準が必要となった。当初はISO 9000(品質管理及び品
質保証)を準用していたが、2005年に食品安全管理のためのISO
22000シリーズが発行された。 これは、HACCPの食品衛生管理手
法をもとに、消費者に安全な食品を提供することを可能にするシステ
ムである。
食品の品質と安全性に関して、 ISO 22000の認証を取得すること
は、Codex基準を満たしていることと同等とみなされる。工場全体の
認証と、特定の製造ラインの製品に限った認証がある。
グローバルギャップ
ヨーロッパの小売事業者団体が1997年に設立した農産物を対象と
する第三者認証組織であり、当初はユーレップギャップ(EurepGAP)
と称していたが、参加会員が世界に広がり改称した。現在は日本を含
め世界の80ヶ国以上、 10万件を超える認証件数になっている。
安全な持続的農業のための地球的規模での提携
(The Global Partnership for Safe and Sustainable Agriculture)
EurepGAPの包括的農業保証
(EurepGAP Integrated Farm Assurance)
総則 第2版(2005年5月)
1.EUREPGAPの委任事項(Terms of Reference)
食品の安全性に関する消費者の関心、動物福
祉、環境保護ならびに農業者の健康・安全・福祉を確
保するために、以下のことを実行する。
EUREPGAPの委任事項
1.1. 商業的に利用できる農業保証計画の採用を推進し、
それによって欧州内および世界的に、農業化学資材と農
業薬物の使用を最小限にする。
1.2. 遡及調査(traceability)を含む既存の保証計画と基
準にベンチマーキングを行うために農業生産工程管理
(GAP :Good Agricultural Practice)を作成する。
1.3. 最優良事例を目指した不断の改善ならびに実践と
理解のための指導を行う。
1.4. 第三者認証のための単一の認定枠組みを確立す
る。
1.5. 消費者と主要な生産者、輸出業者および輸入業者
を含めて公開のコミュニケーションと専門的助言を行う。
EUREPGAP:
包括的農業保証における管理点と準拠基準
EUREPGAP:
Control
Points and Compliance Criteria Integrated Farm
(Version(Version
2.0、2005年5月)
Assurance
2.0 Mar-05)
INTRODUCTION
はじめに
SECTION
1. ALL FARM BASE MODULE
第1節. 全ての第一次生産に共通する基礎要件
SECTION
2. CROPS BASE MODULE
第2節. 植物生産分野に共通する基礎要件
SECTION
3. COMBINABLE CROPS MODULE
第3節. 刈取り作物
SECTION
4. FRUIT AND VEGETABLE MODULE
第4節. 果樹と野菜
SECTION
5. LIVESTOCK BASE MODULE
第5節. 畜産分野に共通する基礎要件
SECTION
6. CATTLE AND SHEEP MODULE
第6節. 牛と羊
商取引における
SECTION
7. DAIRY MODULE
第7節. 乳牛
契約条項の履行
SECTION
8. PIG MODULE
第8節. 豚
SECTION
9. POULTRY MODULE信頼性=経費
第9節. 家禽
たとえば、肉牛を飼育している農場は、
「全ての第一次生産」、「畜産+水産+飼
料」、「畜産共通」、ならびに「牛と羊」に記
載されている管理点と準拠基準を満たさな
ければならない。
満たしたことを第三者が確認できるため
には、<記録>が不可欠となる。管理項目
が多くなると、記録作業は大変である。
全ての第一次生産
畜産+水産+飼料
全ての植物生産共通
*
果作
樹物
と繁
殖
野用
菜素
材
花
卉
と
鑑
賞
植
物
畜産共通
刈
取
り
作
物
コ
ー
ヒ
ー
と
茶
そ
の
他
、
綿
花
等
牛
と
羊
豚
乳
牛
家
禽
水産共通
そ
の
他
、
卵
等
鮭
テ
ラ
ピ
ア
大
ナ
マ
ズ
類
そ
の
他
(
エ
ビ
)
農業者や農業者組織は、該当する「産業部門」と「基礎」に記載された全ての
管理点と準拠基準に従い、準拠を検証するために監査を受けなけれ
ばならない。各管理点に対する準拠基準の重要度は、一覧表の準拠基準の右の
欄に示され、必須(Major Must)、準必須(Minor Must)、推奨(Recommend)に
分かれている。必須管理点については、100%準拠することが義務とさ
れている。
7.1.2. 準必須: 申請する基礎単位を含む全ての単位に適用される
全ての準必須管理点については、それぞれの単位について、90%準
拠することが義務である。計算のために、次の公式がそれぞれの単
位に適用される。
基本単位における準
必須管理点の総数
ー
基本単位における非
適合の準必須管理点
の数
×10% =
非適合の準必須
管理点の許容数
推奨管理点については、認証とは関係がなく、各農場で独自に取
組んでいることをEUREPGAPに検証してもらうことで宣伝等に使えるよう
にするものである。
家畜共通の管理点と準拠基準
(CPCC IFA Livestock base module)
整理番号
5
5.1
5.2
5.3
5.4
5.4.1
5.4.2
5.4.3
5.5
5.6
5.7
5.7.1
5.7.2
5.7.3
5.7.4
5.8
管理点
準拠基準
重要度
家畜分野共通
数ヶ月から
サイト(訳註:同一経営者が保有する複数農場を含む事業体)
数年に及ぶ家
作業員
家畜の供給元、特定および遡及可能性(traceability)
畜の繁殖、
家畜への給餌と給水
育成、肥育を通した日常的健康管理作
一般的事項
業の全てを記録することは不可能であ
飼料記録
飼料の保管と管理
り、「管理点」に設定した項目はそれらの
畜舎と設備
極一部に過ぎない。
家畜衛生
しかし、ここに挙げた「管理点」を遵守
医薬品
することによって、より安全性の高い畜
一般的事項
医薬品記録
産物が提供可能となることを、多数の専
医薬品の保管
門家、農業者、流通業者、消費者が合意
医薬品の空容器
して出来上がったものである。
死亡家畜の処分
家畜共通の管理点と準拠基準
(CPCC IFA Livestock base module)
整理番号
5.3.6
5.3.7
管理点
処置を必要とするかまたは処
置された(そのために休薬期
間が設定される)所定の家畜
または群/畜舎を、少なくとも
休薬期間が終了するまで特定
するために用いる仕組みが用
意されているか?
全ての家畜について、移動時
に、EUREPGAP基準および国
の法律要件を満たした出荷書
類が添付されているか? こ
の出荷書類は、所有権の変
更ならびに20kmを超える移動
の際に使用すべきものである。
準拠基準
可能な場合には査定する。面
談において作業員の知識を実
証する。適用除外はない。
5.7.2.3と相互点検する。
EUREPGAPが認可した出荷書類
は、農場を離れる家畜の全ての
移動(EUREPGAP出荷書類の手
引きを参照)について正確に記
入され、家畜の出荷に関して追
加的に適用されるあらゆる法律
要件に適合する証拠があるこ
と。適用除外はない。
重要度
必須
必須
家畜共通の管理点と準拠基準
5.6
家畜衛生
5.6.1
畜産事業体に属する全ての農場は、指定獣医師と診療契約し
ていなければならない。獣医師の往診は、少なくとも毎年、あるいは、
(必須項目の管理点)
本書において特定単位の事業体に要求されている場合にはもっと頻繁に、
要請しなければならない。
指定獣医師の助けを借りて、文書化された獣医療計画を作成・実施
し、少なくとも毎年、再検討し、更新しているか?
5.6.2
この文書には次のことが規定される:
• 疾病予防戦略(耕種的防除を含む)。 • 常在または発生の恐れが
ある主な病気。 • 日常的に遭遇する状態に施す処置。 • 推奨
される予防接種実施要項。 •推奨される寄生虫対策。 • あらゆる
投薬(飼料/飲水添加)に関する要件。
再検討には、次の項目を含まなければならない:
• 群成績。 • 飼養環境。 • 生物学的安全性。
• 作業員の適格性/訓練が必要か?
Safe Quality Food
安全で高品質の食品
オーストラリアで開発さ
はじめに
れた第三者認証システ
1.適用範囲
ムだが、米国に本拠を移
2.参照資料
している。
3.定義
SQF 2000 規約は、3
4. SQF 2000 システムの要件
段階のレベルに分けられ
4.1 義務
ている。
4.2 計画明細書
レベル1: 食品安全の
4.3 生産の管理
基本
4.4 検証
レベル2: 認証された
4.5 文書管理と記録
HACCP食品安全計画
4.6 製品の特定、追跡および回収
レベル3: 食品安全と
付属文書1.SQF2000システムの実施
品質の包括的な管理シ
付属文書2.HACCPの原則と適用
ステム
付属文書3. SQF2000システムの認証
付属文書4. SQF2000認証の登録商標:使用規則
4. SQF 2000 システムの要件
4.1.1 経営方針
オーナーまたは大部分の経営陣は、供給者の目標と消費者の要求
に該当する「政策綱領」において、食品の安全、品質ならびに継続
的改善に関する「供給者の公約」を定め、それらの目的達成を可能
とする人材を育成しなければならない。その文書は、オーナーまた
は大部分の経営陣が署名し、「政策マニュアル」に取りまとめて全て
の従業員に配布しなければならない。
レベル1
i. オーナーまたは大部分の経営陣は、安全な食品を供給し、それ
を達成可能とする人材育成を図る自らの公約を概括した「政策綱
領」を作成し、署名しなければならない。
その文書は:
a . オーナーまたは大部分の経営陣によって署名されていること
b . 少なくとも毎年、経営陣によって再検討されていること
c . 目立つ場所に掲示されていること
d . 従業員に分かる言語で書かれ、全ての従業員に通達されてい
ること
レベル2
ii . 「政策綱領」には、レベル2 の食品安全計画の作成、実施およ
び整備を行なう人材育成についての供給者責任を詳細に記載しな
ければならない。
レベル3
iii . 「政策綱領」には、以下の点について供給者責任を詳述しなけ
ればならない。
a. 供給者の目標と消費者の要求に該当する食品の品質と継続的
改善、ならびに、それを達成可能とする人材育成
iv. レベル3の食品安全計画の作成、実施および整備に対する財
政維持 SQF:食品業界向け、HACCP に基づくサプライヤー保証規
定(第 7 版 2 0 1 2 年 6 月)
パートA:SQF コードの実施・維持
1. SQF 認証の準備
2. 認証プロセス
3. 初回認証決定
4 サーベイランスおよび再認証
5 サプライヤーおよび認証機関の義務
パートB:SQF コード
p35
モジュール1:範囲、参考資料、定義
モジュール2: SQF システム要素
・・・・・・・・・・・・・・
モジュール16:
p127
付属書類
p143
日本におけるISO22000認証取得: JA食肉かごしま 、くみあいチキン
フーズ、鹿児島くみあい食品、鹿児島協同食品、セイカ食品、南日本ハム、カミチ
ク、サンキョーミート、南州高山ミートセンター、プリマハム、マルイ食品、谷口海
産、美老園、特香園、寿鶴、タケダハム、アサヒフーズ、エバラ食品、カルピス、キ
ユーピー、カネヨグループ、ハウス食品、日清食品、ヤクルトヘルスフーズ、双日株
(マグロ養殖業)、リンガーハット、ヨックモッククレア、タカキベーカリー 、味泉、山
田養蜂場、寺子屋ウェーブ、ボロニアジャパン、・・・・・・
日本におけるGLOBALGAP認証取得: ハラダ製茶、鶴田有機農園、
山野りんご、・・・・・・
かごしまの農林水産物認証制度(K-GAP)
日本におけるSQF認証取得: コワダヤ、スターゼン、 JA全農ミートフー
ズ、日本ハム、コカコーラ、日本ハム、三井農林、味の素、キッコーマン、井村屋製
菓、マルコメ、WATAMIグループ、日本デルモンテ、宝醤油、森永製菓、マンズワイ
ン、八丁味噌、ヒゲタ醤油、ピックルスコーポレーション、クノール、フジパン、サッポ
ロビール、アサヒビール、サーティワンアイスクリーム、イオングループ、マクドナル
ド、西友、森永乳業、丸協食産、トラストフーズ、キング食品、・・・・・・
リスクが減るのは2箇所だけ
リ
ス
ク
・
レ
ベ
ル
の
モ
デ
ル
薬食動病
剤中物気
耐毒薬
性菌残
菌 留
農
査ににと
基よ畜
づる検
く法査
検律員
的温間増る輸
基度も殖に送
準管長につ距
も理く必れ離
な等な要、
細が
いのるな菌延
。法。時 び
ばをしを調
、室か殺理
菌温し滅時
はで、すの
増の食る加
殖放材。熱
す置や は
るす料 細
。れ理 菌
消費過程
場
食肉センター
流 通 過 程
素 飼 畜 動
畜 料 舎 物
・
薬
飲 環
水 境
食 解 カ 出
肉 体 ッ 荷
ト
検
査
輸 市 問 小
送 場 屋 売
店
調 保 喫
理 存 食
食肉の安全性に関わる社会システム(1)
リ
ス
ク
・
レ
ベ
ル
の
モ
デ
ル
農場における
適正な衛生管理
Pathogen
Reduction / HACCP
病原体低減/HACCP
解体処理工程など
食肉センターの
衛生管理
GAP
?
HACCP
流通過程が
変わらなければ
農
場
食肉センター
流 通 過 程
素 飼 畜 動
畜 料 舎 物
・
薬
飲 環
水 境
食 解 カ 出
肉 体 ッ 荷
ト
検
査
輸 市 問 小
送 場 屋 売
店
消費者は
?
リスクは
残る!
消費過程
調 保 喫
理 存 食
食肉の安全性に関わる社会システム(2)
Sanitary
Food Transportation
Act
食品輸送衛生法
(米国、1990)
Kitchen
HACCP
台所のHACCP
Good適正取扱い規範
Handling Practice
リ
ス
ク
・
レ
ベ
ル
の
モ
デ
ル
流通過程の
衛生基準
?
GAP
消費者
教育
?
HACCP
農
場
食肉センター
流 通 過 程
消費過程
素 飼 畜 動 食 解 カ 出
輸 市 問 小
調 保 喫
「農場から食卓まで」の、全ての段階で安全性確保対策を実
畜 料 舎 物 肉 体 ッ 荷
送 場 屋 売
理 存 食
ト
・
環
薬
検
店
飲
施することによって、初めてリスクが小さくなる。
査
水 境
食肉の安全性に関わる社会システム(3)
農業生産工程管理(GAP: Good Agricultural Practice)
農業生産活動を行う上で必要な関係法令等の内容に則して定められる点検
項目に沿って、農業生産活動の各工程の正確な実施、記録、点検及び評価を行
うことによる持続的な改善活動のこと。
GAPの共通基盤に関するガイドライン(農林水産省)
ガイドラインにおける取組事項(野菜)
1 食品安全を主な目的とする取組
ほ場環境の確認と衛生管理、農薬の使用、水の使用、肥料・培養
液の使用、作業者等の衛生管理、機械・施設・容器等の衛生管理、収穫以降の
農産物の管理
2 環境保全を主な目的とする取組
農薬による環境負荷の低減対策、肥料による環境負荷の低減対策、土壌の管
理、廃棄物の適正な処理・利用、エネルギーの節減対策、特定外来生物の適正
利用、生物多様性に配慮した鳥獣被害対策
3 労働安全を主な目的とする取組
危険作業等の把握、農作業従事者の制限、服装及び保護具の着用等、作業環
境への対応、機械等の導入・点検・整備・管理、機械等の利用、農薬・燃料等の
管理、事故後の備え
4 農業生産工程管理の全般に係る取組
技術・ノウハウ(知的財産)の保護・活用、情報の記録・保管、生産工程管理の実
施、記録の保存期間
危害解析に基づく必須管理点
(HACCP: Hazard Analysis and Critical Control Point)
7原則、12手順
1. HACCPチームを編成する
2. 食品の説明・記述(安定性、賞味期限、包装、流通形態)
3. 製品の使用方法を確認(高リスク者向け、調理済み)
4. 製造工程一覧図(フローチャート)の作成
5. 製造工程一覧図の現場での検証
HACCP
6. 危害要因を解析する (原則1)
一般的衛生管理
7. 必須管理点(CCP)を設定する (原則2)
8. 許容限界(クリティカルリミット;CL)を確立する (原則3)
9. CCP の測定(モニタリング)方法を確立する (原則4)
10. 許容限界から逸脱があった場合の是正措置を確立する (原則5)
11. 検証方法の手段を確立する (原則6)
12. 記録をつけ、文書化を行い、それを保管するシステムを確立する
(原則7)
従来は加工された最終製品の検査で安全性を確認していたが、製
造工程を管理することによって危害要因を制御する点が大きく異なる。
永続的改善システム
衛生標準作業手順
SSOP
再吟味
検証
記録
衛生標準作業手順
SSOP
危害解析
再吟味
必須管理点
検証
記録
衛生標準作業手順
SSOP
標準作業手順
SOP
危害解析
一般的衛生管理
PP
必須管理点
HACCPは定まった衛生水準を規定
するものではなく、衛生水準を向上さ
せる永続的システムであり、そのシス
テムの可否を認証するものである。
HACCPと衛生水準
食品の安全性: 科学に基づく合理的判断
安心: 食料生産提供網に対する信頼感
相互理解と協力に基づく信頼性構築が「食育」の役割の一つ
なぜ安心できるのか?
1.FAO、WHO、Codex委員会、OIEなどの国際機関が、世界的科学者
を集めた委員会で農場から食卓までの安全性確保に関する基準
を策定している。これらの国際基準を満たさない食料は、輸入検
疫によって排除されている。
2.ISO、Global GAP、SQFなどの民間機関による第三者認証システ
ムが国際展開しており、多くの食品産業がそれらの認証を取得し
ている。貿易に参入する食品産業は、取引相手から認証取得の
証明書の提示を求められる。
3.国内農産物については、農水省および県の主導によるGAP認証
が推進されている。
4. 上記の基準や認証の基礎となっているHACCPやGAPは、農場か
ら食卓までの食品の安全性を確保するための最新の科学的方法
である。

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