1 - 京都大学生存圏研究所

Report
太陽地球系結合過程の研究基盤形成
Study of Coupling Processes in the Solar-Terrestrial System
津田 敏隆(京都大学生存圏研究所)
太陽地球系結合過程の研究基盤形成
Study of Coupling Processes in the Solar-Terrestrial System
津田 敏隆(京都大学生存圏研究所)
計画概要
 太陽から大気圏に至る広い領域における太陽地球系結合過程を研究対象とする。
そのため、(1)地上観測系、(2)衛星観測系を新たに整備する。
 (1) 地上観測系
インドネシアの総合観測拠点に赤道MUレーダーを設置し、地表付近から超高層まで
の大気圏で起こるエネルギー・物質の噴流・循環過程(赤道ファウンテン現象)を解
明する。大気質、大気光等のアジア域観測網、宙空圏の地磁気全球観測を整備し、
現象の地球規模の広がりと太陽活動・宇宙嵐が下層に与える影響を理解する。
 (2) 衛星観測系
太陽ダイナモ、コロナ加熱、フレアの発生機構を解明し、太陽活動の地球への影響
を理解するため、太陽観測衛星SOLAR-Cを整備し、探査機による太陽極域の観測、
並びに、太陽表面・コロナの多波長域かつ超高分解能観測を実現する。
赤道を中心とする地球大気の上下結合=赤道ファウンテン
• 赤道域で地表から放出される大
気物質は、対流圏を循環しつつ
積雲や巻雲の生成・発達に寄与
し、さらに対流圏界面を通過して
成層圏に噴出され中高緯度に広
く輸送される。
• 赤道対流圏を源泉とする大気波
動は中層大気の特異な長周期・
不規則変動を駆動する。
• 電離圏では中性風によるダイナ
モ電場が地球磁場と相互作用し
てプラズマを噴き上げる。
• 以下の課題に取り組む。
a. 陸面・海洋からの物質噴
出と対流圏内の物質循環
b. 大気波動エネルギーの発
生・輸送
c.
対流圏界面からの物質流
入と中層大気大循環
d. 力学・電磁力学的結合に
よるエネルギー交換とプ
ラズマ密度変動
太陽活動と気候変動
中世温暖期
小氷期
北半球平均気温
Mann et al. 1998, 1999
Moberg et al. 2005
Pollack & Smerdon 2004
Dahl-Jensen et al. 1998
宇宙線生成核種
Δ14C(太陽活動指標)
Stuiver and Quay 1980
Klein et al. 1980
Raisbeck et al. 1990
Usoskin et al. 2002
熱帯アンデス氷河
Kirkby
(Surv
Geophys.
2007)
Polissar et al. 2006
太陽活動と地球の気候変動に
相関があることが最近の研究
から明らかになっている。
1000
2000 西暦
太陽エネルギーと
地球環境の結合
I
V
i) 太陽光エネルギー
Esq:電離層ダイナモ電場
Sq電流(Jsq =σEsq)
a) 太陽放射エネルギー
電気伝導度 σ + Δσ
b) 太陽風エネルギー
ii) 太陽風電磁エネルギー
EIMF = -VSW x BIMF
JSW =σEIMF
電離層電流
太陽圏から大気圏・地圏
までの結合系・過程の
解明が急務である。
地圏
宇宙気象学/宇宙環境科学/
宇宙地象学
誘導電流
2/16
太陽変動の解明
• 極域コロナホール
– 高速太陽風の源
– 太陽風加速のエネルギー源は何か?
• 「太陽定数」ともいわれる太陽の光度変動
– 光度変動量は ~0.1%
– 太陽と同レベルの磁気活動
(彩層活動)を示す他の星で
は3倍程度の変動が観測
太陽は特別?
– 高緯度ではもっと変動が
大きいのではないか?
高緯度方向から観測し
て確かめる以外にない
Figure from PMOD WRC homepage
インドネシアを中心とした赤道大気研究の経緯
1985
1990
STEP
国際研究プロ
グラム
国際研究集
会開催
観測機器の
整備
研究の流れ
大型研究課
題
1995
MSTレー
ダーWS
MAS
スルポンBLR、
流星レーダー
(1992)
赤道レーダー
現地調査
1986-1991
2000
2005
EPIC/PSMOS
ISEA
DYSMER
(バリ島)
EPIC
CAWSES
CAWSES
-II
CPEA CAWSES
赤道大気レーダー
(2001)
ポンティアナ
MFレーダー
(1995)
2010
コトタバン流星
レーダー(2002)
西ジャワMF
レーダー
(2004)
ウィンドプロファイ
ラ観測網(2008)
コトタバン
BLR(1998)
特定領域「赤道大気上下結合」
インドネシア各地での気球観測(1991~多数回)
多数の科研費・海外観測課題
の他、地球観測システム構築プ
ラン2件などを実施してきた
アジア・アフリカ学術基盤形成事業
振興調整費「インドネシア宇宙天気」
光・電波を用いた多種多様な観測装置を結集した
赤道大気総合観測所をインドネシアに構築
VHF Radar
FM-CW Radar
Bistatic
RX system
Meteor Radar
X-band radar
観測能を10倍に増強
RASS
Equatorial Atmosphere Radar (EAR)
赤道MUレーダー
Micro-rain radar
Optical rain gausge
Ceilometer
Imager
Radiometer
Disdrometer
GPS Receiver
Lidar
既存
広域地上観測ネットワークの拡充
北海道大
東北大
信州大
気象研
新規
極地研
NICT
新規雷観測
新規磁力計
東京大 名古屋大
京都大
九州大
オーロラ電波
SDレーダー
NOx,O3観測
太陽磁場・光学
磁場・GPS等
エアロゾル
磁場・GPS等
磁場・GPS等
光学観測
磁場・GPS等
銀河宇宙線
NOx,O3観測
TBD
太陽風
光学観測
光学観測
磁場・GPS等
太陽電波
全球地磁気観測網
MAGDAS
SOLAR-C衛星 黄道面脱出による太陽探査
<ダイナモ磁気活動の理解に向けて>
• 高緯度・極領域の表面磁気構造の探査
• 高緯度・極領域の内部流れ場探査
• 磁場生成領域とみなされる対流層底部探査
<Vantage pointからの探査>
• 極領域からの高速太陽風探査
• 黄道面外からの太陽総放射量の測定
SOLAR-C
イオンエンジンによる近地球・中傾斜角
軌道
– 高データレート観測
– 打ち上げ機会は半年ごと
– 最終軌道1AU円軌道、太陽赤道面からの
傾斜角 ~40
– 最終軌道到達まで5年
地球
太陽
地球の公転と同期する周期1年の円軌道
計画概要
研究組織
計画責任者:
津田敏隆(京都大学生存圏研究所・教授・所長)
共同研究者:
湯元清文(九州大学宙空環境研究センター・教授)
塩川和夫(名古屋大学太陽地球環境研究所・教授)
川勝康弘(宇宙航空研究開発機構・准教授)
原弘久(国立天文台・准教授)
予算規模
総額380億円(地上観測=10年計画) 設備350億円、運営30億円
(1)赤道MUレーダー
設備30億円、運営20億円
(2)地上広域観測網
設備20億円、運営10億円
(3)次期太陽探査機SOLAR-C 設備250-300億円
年次計画
平成23―24年度 赤道MUレーダーおよび地上広域観測網整備
平成30年度 太陽探査機SOLAR-C打上げ

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