北岡 寛教

Report
Hironori Kitaoka
ST1
1.患者のエンドポイントを明確にするために、持続あるいは
間欠的であろうと鎮静は、最小限にすべきである。(grade1B)
2.神経筋遮断薬は、投与後も遷延するリスクがあるため、
敗血症に伴うARDSに対する投与はできれば避ける。もし
使用するのであれば、間歇か、四連刺激(train-of-four)で
深度をモニタリングしながら持続投与する。(grade1C)
3.敗血症性ARDSでP/F比<150mmHgの患者では、48時間以内
の筋弛緩薬の短期間の使用を推奨する。(grade2C)
ST2
■試験:2006年3月~2008年3月にフランス国内20施設のICU
48時間以内に収容された重症ARDS患者340例中、
神経筋遮断薬cisatracurium besylate(178例)、プラセボ(162例)
を48時間にわたって投与するよう無作為割り付け。
■結果:
①cisatracurium群の90日死亡のハザード比は、PaO2/FiO2・呼気プラトー圧・
重症度スコア(Simplified Acute Physiology II score)をベースラインで補正後、
0.68(95%信頼区間:0.48~0.98、P=0.04)
②90日死亡率
28日死亡率
cisatracurium群
プラセボ群
cisatracurium群
プラセボ群
31.6%(95%信頼区間:25.2~38.8)
40.7%(同:33.5~48.4)(P=0.08)
23.7%(同:18.1~30.5)
33.3%(同:26.5~40.9)(P=0.05)
これらの結果から研究グループは、重症ARDS患者への神経筋遮断薬による
早期投与は、筋力低下を招くことなく、補正後90日生存率を改善し、人工呼吸
器を外す時間が増したと結論。
ST3
1.重症敗血症のICU患者では、2回連続して血糖値が180㎎/dlより
高ければ、インスリンによる血糖プロトコール管理を行う。血糖値
の上限は110㎎/dlではなく、180㎎/dlとする。(grade1A)
2.血糖値とインスリン投与量が安定するまで、血糖値を1~2時間
おきにモリタリングし、その後は4時間毎とする。(grade1C)
3.毛細血管血を用いたベットサイドでの簡易血糖測定による血糖値
は、正確でない可能性があることを留意する。(UG)
ST4
敗血症診療ガイドライン
CQ1:敗血症患者の目標血糖値はどのようにすべきか?
• 180mg/dL以上の高血糖を呈する重症敗血症患者に
対し,血糖値を低下させるために経静脈的インスリン
持続投与を行う(1A*)。
• 血糖値のコントロールを行う際には,目標血糖値は
144-180mg/dLとし(2A*),血糖値を80-110mg/dLに
維持する強化インスリン療法は行わない(1A*)。
敗血症診療ガイドライン
CQ2:敗血症患者の血糖値測定をどのようにすべきか?
• 経静脈的インスリン療法をうけているすべての患者は
血糖値とインスリン投与量が安定するまで1-2時間毎に,
安定したのちは4時間毎に,血糖値をモニターする(1C*)。
• 毛細管血を使用した簡易血糖測定法は測定誤差が大きく,
正確性に欠けるため推奨しない(1B*)。
• 敗血症患者では動脈血・静脈血を用いた簡易血糖測定法,
あるいは血液ガス分析器による迅速血糖測定を使用する。
その際、中央検査室での血糖測定を行い、その正確性を
確認する(1B*)。
ST5
Leuven Study
ICU患者(多くは心臓血管外科術後)に対する
強化インスリン療法により、上限血糖値を
110mg/dlとする厳密な血糖管理を行うことに
より死亡率が有意に改善されることを報告
Leuven Study
内科系1600例を対象
・患者全体群では、死亡率の減少は認めず。
・3日間以上ICUにて治療をうけた患者
→在院死亡率 対象群52.5%
強化群43.0%
SSCG2008の血糖管理
①初期治療終了後に高血糖を呈する重症敗血症患者ではインスリン投与を行う
②目標の血糖値を150㎎/dl未満に設定する
NICE SUGAR study
・内科系/外科系ICU患者を対象した多施設共同研究
・血糖値が40mg/dl以下の重症低血糖
→強化群6.8% VS 対象群0.5%
・ICU滞在期間、在院期間の差なし
・死亡率:血糖目標値180㎎/dl以下と設定した対照群に
比較し、81~108㎎/dlと設定した強化群で有意高い
アウトカムの相違
①インスリンの投与ルート
②使用した持続注入ポンプ
③採決検体の採取部位
④血糖測定機器の正確さ
⑤栄養管理
N Engl J Med 2012; 367:1108-1118.
重症患者6026人を対象に、低血糖と死亡の関連を検討。
中等度低血糖群の82.4%、重度低血糖群の74.2%が強化血糖
コントロールを受けていた。
低血糖でない群に対する調整後死亡ハザード比は
中等度群1.41、重度群2.10だった。
低血糖は死亡リスク上昇に関連したが、因果関係は証明できず。
ST6
P.鎮静
1.患者のエンドポイントを明確にするために、持続あるいは
間欠的であろうと鎮静は、最小限にすべきである。(grade1B)
2.神経筋遮断薬は、投与後も遷延するリスクがあるため、
敗血症に伴うARDSに対する投与はできれば避ける。もし
使用するのであれば、間歇か、四連刺激(train-of-four)で
深度をモニタリングしながら持続投与する。(grade1C)
3.敗血症性ARDSでP/F比<150mmHgの患者では、48時間以
の筋弛緩薬の短期間の使用を推奨する。(grade2C)
Q.血糖管理
1.重症敗血症のICU患者では、2回連続して血糖値が180㎎/dlより
高ければ、インスリンによる血糖プロトコール管理を行う。血糖値
の上限は110㎎/dlではなく、180㎎/dlとする。(grade1A)
2.血糖値とインスリン投与量が安定するまで、血糖値を1~2時間
おきにモリタリングし、その後は4時間毎とする。(grade1C)
3.毛細血管血を用いたベットサイドでの簡易血糖測定による血糖値
は、正確でない可能性があることを留意する。(UG)

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