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設計基礎コース
もう一度学ぶ材料力学の基礎
’13.8.27
歪エネルギー
ここでは、歪エネルギーを考察することにより、エネルギー原理を理解する。
P
一様断面積: A
引っ張り力:
P
軸方向伸び量: λ
棒に外力がする仕事: U
P
B
l
A
P1
P
A
λ

dλ1
P
O
λ1
D
C
λ
λ
O
λ
λ
U   P1d 1
0
左の図では塑性域までの議論で、外部がする仕事UはOABCで表され、歪エネ
ルギーと総称される。 しかし、B点から除荷すると、Dにしか戻らない。ODは塑
性変形、DCが弾性変形。つまりBDCしか弾性エネルギーの形でポテンシャルエ
ネルギーとして材料内部に蓄えられず、 OABDは塑性変形を起こすために熱エ
ネルギーとなり、もう取り戻せなくなっている。
弾性限度以下の力なら右図のようになり、歪エネルギーは総て弾性エネルギー
に変化している。
1
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’13.8.27
以下の議論では断りがない限り、弾性限度以下の力での話。なぜなら、塑性
域を含むことにより、機械は壊れたという状況となるため。

Pl

P
,  , 
AE
l
A
の関係より、
P
P 2l  2
AE2 E 2
U


Al 

Al
2
2 AE 2 E
2l
2
~
よって棒の体積あたりの歪エネルギーを U
とすると
~ U  2 E 2
U 

V 2E
2
また上の2式より
dU ( P)
,
dP
dU ( )
 P,
d
~
dU ( )
,
d
~
dU ( )

d
という関係もあり、エネルギーから各種の情報が得られる。
2
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剪断力による歪エネルギー
τ
δ
γ
剪断力が作用する面積を A 剪断力を S
とすると
l
=l ,  
S

,  
A
G
なので
S
S 2l
2
AG 2 G 2
U


Al 

Al
2
2 AG 2G
2l
2
τ
また、体積Vは
V  Al
よって
2
2
U

G

Uˆ  

V 2G
2
a
O
l
これをねじりに拡張するため
r
τ
a
  r
ここで θ は単位長さあた
りのねじれ角である。
これを左図で考えると
3
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もう一度学ぶ材料力学の基礎
Uˆ
棒の単位長さあたりの歪エネルギー
a 1
Uˆ    (2rdr )
0 2
ここで、剪断力とトルクの関係
は半径方向に積分し
a
T   r (2rdr )
0
 a
1
ˆ
U   ( 2rdr )r  T
2 0
2
を用いると
ここで、すでに学んだ
2
1
1
1
T
2
Uˆ  T  GIp 
2
2
2 GIp
’13.8.27
T  GIp
を用い
これを、軸長さ l で積分すると
2
l
l
T
l
2
U  Uˆ  l  T  GIp 
2
2
2GIp
ここで ねじりの歪エネルギーをトルク Tで微分すると
dU Tl

 l  
dT GIp
と求まり、棒に蓄えられるねじりによる歪エネルギーをトルクで微分すると、
棒のねじれ角が求まることがわかる。
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曲げモーメントによる歪エネルギー
曲げを受ける梁は中立軸でゼロとなる曲
げ応力が作用する。これを式で書くと
θ
xx
Uˆ  
dA ここで
A 2
R
M A
B
A'
σx(z)
z
B'
x 
z
,
R
  zdA  M
x
A
なので
xz
1M
Uˆ  
dA 
A 2R
2 R
ここで曲率半径は
1
d 2w M
 2 
R
dx
EI
より
ある断面における単位長さあたりの曲げによる歪エネルギーは
1 M2
ˆ
U
2 EI
と求められる。
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この単位長さあたりのエネルギーをx方向に積分したものが軸全体の曲げ
による歪エネルギーになる。例えば、以下に示すような場合を考える。
M ( x)   Px
Xにおけるモーメントは
P
l
単位長さの曲げによる歪エネルギーは
x
2
2 2
M
P
x
Uˆ ( x) 

2 EI 2 EI
このエネルギーを軸全体で積分すると全体のエネルギーが求まる
U   Uˆ ( x)dx  
l
l
0
0
P2 x2
P 2l 3
dx 
2 EI
6 EI
ここで、この全エネルギーを荷重で微分すると
dU Pl 3

dP 3EI
となり、すでに求まっている、荷重点での変位になることが
わかる。
このように、荷重で全歪エネルギを微分するとその点の
変位が求まる(理由は後で)ことをカスチリアーノの定理。
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外力がする仕事と弾性体に蓄えられる歪エネルギーとつりあいの関係
弾性域内での話しなので荷重点で外部から仕事をするとその仕事はすべて弾性
エネルギーとして材料の中に蓄えられる。また、変形と荷重は比例している。
つまり変形と荷重は一定の関係がある。
これらから、今まで述べた
1) 軸あるいは梁に蓄えられたエネルギーを荷重で微分するとその荷重点の
変位が求まること。
2) つりあい状態において弾性体に対して外力がなす仕事(仮想仕事という)は
歪エネルギーの増加に等しくなる。(仮想仕事の原理)。
が説明できるようになる。
以下において、これらを順次説明し、例題を少しやって見る。
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設計基礎コース
U * 
P(σ)
δP
dU
U 
u
du
U*
U
O
δu
u
P
’13.8.27
W *  uP
δP
A
P
dU *
dP
dU *
P
dP
もう一度学ぶ材料力学の基礎
A
P
W  Pu
W*
dU
du
W
u(ε)
O
歪を体積全体で積分した
歪エネルギー
δu
u
u
外力によりなされる仕事
今弾性域(線形域内)で考えている。A点で釣り合っている。今荷重点 A に P が
作用し釣り合いを保っている。そのとき部材には歪により U の歪エネルギーが
たまっている。今この釣り合いの力Pで仮想変位δu 変位した。そのとき、外力が
する仕事Wはすべて歪エネルギーとして蓄えられる。
 dU

 P u  0
 du

U  W  
よって
dU
P
du
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縦軸と横軸を反対にして考え、同一の考えを用いると、線形弾性域での考えで
あるので
U*  U , W*  W
なので、外部仕事がすべて歪エネルギーになることは次のようにも書ける。
 dU *

 dU

 u P  
 u P  0
 dP

 dP

U  W  U * W *  
よって、
dU
u
dP
以上より、
1) 材料に蓄えられた歪エネルギーを材料全体で合計する。
2) その歪エネルギーをPで微分する。
3) その荷重点での釣り合いPの外力と釣り合う歪が求められる。
ことが判る。
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例題:1
P
x
A ξ
全長 l の曲げ剛性EIの梁の先端にPが作用している。
先端からxの位置でのたわみをカスチリアーノの定
理を用いて求めよ。
P0
l
B
C
AC間にBを考えP0を作用させる。最後に、このP0は実はゼロだという。Bで
分けてモーメントを考える。
 P
M ( x)  
 P  P 0(  x)
(0    x )
(x    l)
ここでモーメントによる歪エネルギーは
U
1
M 2 d

2 EI x
よって軸全長にたまる歪エネルギーは
U
1
2 EI

x
0
P 2 2 d 
P2 3
1

x 
6 EI
2 EI
1
2 EI
2

P


P
0 (  x ) d
x
l
 P2 3

 l 3  x 3 x(l 2  x 2 )  P 0 2
3
3
(
l

x
)

2
PP
0


(
l

x
)




3
3
2
3




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上式で与えられた歪エネルギーを(今回は荷重がPとP0の二つあるので)知り
たい荷重点BのP0で偏微分すると、P0が作用しているBでのたわみが求まる。
U
1
wB 

P 0 2 EI
  l 3  x 3 x(l 2  x 2 )  2 P 0

3
2
P


(
l

x
)

 

3
2
3




実際にはP0=0 であるからP0 を ゼロとおいて、xの位置での P による
たわみが求まることと成る。
w( x) 
P
(2l 3  3l 2 x  x 3 )
6 EI
曲げの講義のときは、C点からxを計り、直接曲率から歪曲線
を求めた。そのときは上式のxを l-x で 考えたので、
xを置き換えると
w( x) 
P
( x 3  3l 2 x)
6 EI
と求まっている。
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例題:2
x
q
l
k
曲げ剛性 EI q=0 なら ばねからの反力はゼ
ロとなるように取り付けられている。
梁の先端のたわみとばねからの反力Rを求める。
Xにおける曲げモーメントは反力によるものと分布荷重によるものの合計。
qx 2
M ( x)  Rx 
2
梁に蓄えられる歪エネルギーは
2

qx 2 
0  Rx  2  dx
1 l 2 2
q2 x4 
3
 R x  Rqx 
dx

2 EI 0 
4 
M ( x) 2
1
U 
dx 
0 2 EI
2 EI
l
l
1  R 2l 3 Rql 4 q 2l 5 





2 EI  3
4
20 
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歪エネルギーをRで微分し先端のたわみを求める。ただしRとたわみは方向
が反対(Rの増加によりU減少)なので微分係数に負の符号を付す。
dU
1  Rl 3 ql 4 

w
  

dR
EI  3
8 
ばねで見ると、この変位がばねの変位で、反力と変位には以下の関係がある。
R
w
k
よって R,w は
連立させると
1  Rl 3 ql 4  R




EI  3
8  k
3kql 4
3ql 4
R
, w
3
8(3EI  kl )
8(3EI  kl 3 )
本解において、
k=0 なら梁の先端にばねの無い自由端の解となり、R=0。
k=∞ なら先端を単純支持の場合と同じ解となる。
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例題:3
x1
A
B
a
b
ABCという曲がった材料にPを作用さ
せると、曲げとねじりが一緒に働く。
a部には曲げとねじりが、b部には曲げ
が作用する。 C部のたわみを求める。
x2
a部の曲げM1、ねじりT、b部の曲げM2
C
P
軸全体の歪エネルギーは
C点でのたわみは
M 1  Px1 , T  Pb , M 2  Px 2
2
2
a T
b M2
M 12
U 
dx1  
dx1  
dx 2
0 2 EI
0 2GIP
0 2 EI
P 2 a 3 P 2 ab 2 P 2b 3



6 EI
2GIp
6 EI
a
dU (a 3  b 3 ) P ab 2 P
yc 


dP
3EI
GIp
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