時間の経過に伴う下降は無い。

Report
地球温暖化防止新技術






エネルギーの現状と再生可能エネルギー
洋上風力発電
波力・海洋温度差・潮力発電
藻類を用いた炭化水素(石油)製造
低温エネルギー回収
シェールガス・メタンハイドレート他
大阪環境カウンセラー協会
副理事長 宇田吉明
1
エネルギー資源の供給過程と利用形態
2
世界のエネルギー消費量と人口の推移
世界人口
2000年 60億人
現在
72億人
2050年 90億人
3
現在のエネルギー問題
~資源調達と地球温暖化対策~
■資源の調達
 ピークオイル・・・・・・・石油は半分消費、未利用のシェールオイル等が注目
 天然ガス・・・・・・・・・・シェールガスの実現であと可採年数は200年に延長?
 メタンハイドレード・・・可能性があるも採算が課題
 化石資源の価格上昇トレンドと紛争による調達困難
■地球温暖化への対策
 急激な気候変動を抑えるために平均気温の上昇を2℃以内に
 CO2を2030年までに半減、2050年までに80%削減が世界の目標
 化石燃料の使用を抑えるとともに、CO2の封じ込めが課題
 より効率のよい熱機関(火力発電所、自動車、燃料機器等熱利用設備)の開発
 自然エネルギーの加速的拡大が急務
4
資源枯渇と地球温暖化の問題
(出典:「エネルギー白書2013年」)
5
世界的な温暖化削減の動き
■京都議定書の成果(~2012)
 日本は約束の6%を達成
■COP21(2015年末パリ開催)に向けた動き(2020年以降の新たな枠組みつくり)
経済優先で京都議定書に参加しなかった中国、米国(両国で世界のCO2排出量4割)
の削減に向けた動き
 中国がドイツ ボン開催の国連気候変動会議(6月)で「排出上限を検討」と発言
 オバマ大統領が「国内火力発電所のCO2排出量を2030年までに05年比で30%削
減」
世界的に削減に歩調を合わせた動き
6
世界の自然エネルギー市場のトレンド
(約20兆円)
太陽光発電の設置規模
中国>米国>ドイツ>日本
風力発電
出典:認定 NP O法人環境エネルギー政策研究所
7
世界の電力供給における
自然エネルギーの割合(2012 年)
(出典:「自然エネルギー世界白書 2013」)
8
世界の風力発電と太陽光発電
の導入量の推移
1GW=100万kW≒原発1基分
風力発電
太陽光発電
(出典:「自然エネルギー世界白書 2013」)
9
世界各国の風力発電の導入量
(出典:「自然エネルギー世界白書 2013」)
10
世界の太陽光発電の国別累積導入量
(2012 年末現在)
(出典:「自然エネルギー世界白書 2013」)
11
OECD諸国の一次エネルギー自給率比較
(2012年)
(出典:「エネルギー白書2013年」)
12
ドイツの再生可能エネルギーの推移
(出典:「自然エネルギー世界白書 2013」)
13
5
11.6
9.3
7.6
7.7
6.6
4.7
10
6.2
15
10.2
17.0
20
16.3
23.6
25
3.4
Share in %
30
15.1
35
14.2
ドイツの自然エネルギー法(EEG法)
電力に占める自然エネルギーの割合の目標
2020年までに35%以上
2030年までに50%以上
2040年までに65%以上
2050年までに80%以上
target for
2020: > 35%
20.4
40
35.0
ドイツにおける電力供給の
再生可能エネルギーの比率
0
14
ドイツにおける電力供給の
再生可能エネルギーの内訳(2012年)
Biogenic
fraction of
waste, 3.4 %
Biogas, 17.4 %
Sewage gas,
0.9 %
Landfill gas,
0.4 %
Hydropower,
15.3 %
Biogenic liquid
fuels, 0.3 %
太陽光発電
累積の導入量が5200万kWとな
る時点で太陽光に対する買取制
度を終了
Biogenic solid
fuels, 8.1 %
Photovoltaics,
18.5 %
Wind energy,
35.6 %
Source:
Renewable Energy Sources in Figures,
Federal Ministry for the Environment,
Nature Conservation and Nuclear Safety
(BMU), Berlin, July 2013
15
日本の電源構成(発電量)の推移
出典:認定 NP O法人環境エネルギー政策研究所
16
日本の 100% 自然エネルギーシナリオ
(WWF ジャパン ,2011 年)
17
日本の自然エネルギーによる発電量の推計
出典:認定 NP O法人環境エネルギー政策研究所
18
都道府県別自然エネルギー電力供給割合
19
(出典:永続地帯研究会)
日本の自然エネルギーによる発電設備容量と
発電量の推計値(2012年度)
(原発17基分)
出典:認定 NP O法人環境エネルギー政策研究所
20
日本の固定価格買取制度(FIT)の
設備認定設備容量
原発30基分
原発7基分
21
環境省の調査による
自然エネルギーの地域別導入ポテンシャル
22
自然エネルギーの利用可能なエネルギー量
日本における風力発電の導入ポテンシャル
種 類
風力発電
太陽光発電
地熱
発電容量
備 考
18.5億kW 陸上2億kW+洋上16億kW
1.5億kW
0,1億kW
日本の領海と排他的経済水域(EEZ)を合わせた面積は世界6位
※自然エネルギーの最有力は洋上風力発電
※コストを如何に下げるかが課題
23
EPR(Energy Profit Ratio)の比較
EPR=生産エネルギー / 投資エネルギー
出典:ウィキペディア
発電
方式
資源・要因
EPR
原子力
ウラン
10~76
(日本:28)
時間の経過に伴う下降は無い。発電所の事故リスクへの対応を
投資エネルギーに加えるとEPRは激減する。
石油、石炭
5~25
時間の経過と共にEPRは下降する。発見直後の油田の石油の場
合は100を越えることも珍しくない。
天然ガス、
LNG
2~4
時間の経過と共にEPRは下降する。シェールガスは地域によって
は10を超えることもある。
水力
水
10~50
時間の経過に伴う下降は無い。
風力
風
5~54
時間の経過に伴う下降は無い。
太陽光
太陽光
4~31
時間の経過に伴う下降は無い。
備考
火力
24
洋上発電
特徴
歴史
着床式
遠浅に適す
水深30mが限界
日本には適地が限定される
環境影響が大きい
浮体式
水深50m以上に適す
日本の利用可能な海水域は多い
環境影響が比較的少ない
イギリス、デンマーク、オラン 数年前から日本、ノルウェー、ポル
ダ、ドイツをはじめ、欧州で20 トガルで実証研究が一部始まった
年以上前から実施
ばかり
<洋上浮力発電の経済効果>
風力発電に要する部品の数は2万種類以上にも及び、自動車産業に匹敵
25
海洋エネルギー最大利用発電量
2015年までに40円
2020年に20円
2030年に5~10円
2015年までに40-60円
2020年に15-20円
2030年に8-13円
原発160基分
出所:NEDO「海洋エネルギーポテンシャルの把握に関わる業務(2010年)」
26
洋上風力発電
浮体式
出力
羽根径
総高さ
実証機 実用機
2.000kW 7,000kW
80m
106m
164m
187m
福島洋上風力コンソーシアム
10企業+1大学
総括:丸紅
技術アドバイザー:東大石原孟教授
浮体式洋上風力発電設備の「ふくしま未来」
(出典:福島洋上風力コンソーシアム)
27
洋上風力発電
福島洋上風力コンソーシアム(国家プロジェクト)
役 割
担 当
総括
技術アドバイザー
系統連携協議
丸紅
東大石原孟教授
三菱商事
浮体開発
三菱重工業、ジャパンマリンユナイテッド、
三井造船
日立製作所
洋上変電所開発
腐食及び疲労に強い鋼材開発
送電ケーブル開発
施工技術
情報基盤整備
新日鐵住金
古河電工
清水建設
みずほ情報総研
28
浮体式風力発電
■特徴
 海底油田やガス田開発で取得した浮体式プラットフォーム技術を保有
 油圧ドライブを採用(ギアによるメカから油圧作動)
 海底送電ケーブル技術を保有
■メリット
・稼働率が高い30~40%(陸上風力発電は20%程度)
・環境アセスが有利(環境への影響が比較的少ない)
・設置場所の選択肢が多い
・世界をリードできる技術で将来の成長が期待(世界の市場規模、2020年には4兆円以上に拡大)
■デメリット
・建設費が高い→大型化でコストダウン
・メンテナンス費用も陸上より高価
・漁業保障の問題が発生
29
日本の洋上風力発電の将来性
スェーデンの洋上風力発電




北欧諸国では洋上風力発電が実用化
日本は基本技術を要するため数年後には追い付く
人工漁礁に応用することも可能
陸上風力発電より2倍の稼働率で安定した電源のため、
2倍のコストは許容される
30
海洋温度差発電
海洋の表層100m程度までは太陽熱が蓄えられている。一方、極地方で冷却された海水は海洋大循環に
よって低緯度地方へ移動し、600~1000mの深層に沈み込んでいく原理を応用
表面 25~30℃
深層 5~ 6℃
の差を利用して、沸点の低いアンモニアなどを媒体に蒸気タービンを動かして発電
■メリット
・年間を通じて安定した発電が可能
・発電ポテンシャルは1兆kWと膨大
■デメリット
・地熱発電に比べて温度差が小さい
・深層水汲上ポンプの動力として発電の一部を消費
31
海洋温度差発電の将来性
 発電コストは太陽光発電並
 離島での活用が中心?
• 100kW級の発電容量
• 冷媒にアンモニアを利用
32
潮流発電
~海水の流れを利用する発電~
発電量=流体密度×回転面積(ハネの長さの2乗)×流速の3乗
(空気に比べて水は830倍の密度)
■利用する自然現象
 自転による満ち潮・引き潮が1日2回ある(潮の流れは約6時間ごとに計4回、交互に変わる)
 月と太陽の引力が重なる満月と新月には「大潮」が発生(月2回)
 こうした海水の流れを利用するのが潮流発電
33
潮流発電
~海水の流れを利用する発電~
■メリット
 発電量が予測できる
 水面下で稼働するため景観への影響はなく騒音の影響も小さい
■デメリット
 潮流が生じる場所は、岬のような突端や海峡のような制約のある海域
 波力や温度差発電に比べてポテンシャルは小さい(試算:世界で9000万kW開発可能)
34
波力発電
■波力発電の方式
 波の上下振動を利用する方式
 波の水平振動を利用する方式
 遡上波を利用して用水池に海水を貯
水し水車を回転する方式
■仕組み
・波の上下振動で作った圧搾空気を送風
・送気でタービンを作動
35
地熱発電
■特徴
・地中深くから取り出した蒸気で直接タービンを回
し発電
・地球がボイラーの役目となるのでボイラが不要
■メリット
・天候・昼夜を問わずに安定した発電が可能
・火山国日本には貴重なエネルギー資源
■デメリット
・大容量の発電所ができにくい
・自然の景観に恵まれた場所が多いため十分な
環境アセスが必要
36
地熱で最大級の発電所
2019年に秋田県で運転開始
出力:5千kW
深さ30~50キロメートルで1,000度程度
地熱地帯と呼ばれる地域では、深さ数キロメートルの比較的浅いところに1,000度前後のマグマ溜りがあり
37
主な地熱発電所
2013年3月末現在
38
バイオマス資源
39
単位面積当りのバイオ燃料の生産量
40
藻類産業創成コンソーシアム平成23年度「農山漁村における藻類バイオマスファームの事業化可能性調査報告書」
藻類バイオマスの特徴
41
藻類と石油
ボトリオコッカス
オーランチオキトリウム
 石油は太古の昔、地球の海域で繁茂していた藻類が海中深く堆積し、高温高圧
下で変性してできたもの
 1億年以上もかけて地球がつくってくれた天然資源
 現代人はそれをただ採掘して使用しているだけ
 一方で藻類バイオ燃料は、その何億年分を科学の力で超高効率に短縮して生
産しようとする人類の壮大なイノベーション
42
油生成藻
「石油を作る藻」
 油生成藻としては現在「ユーグレナ」、「シュードコリシスチス」、「ボ
トリオコッカス」の3種類の研究が行われている
 単位面積あたりで生産できるエネルギー量は、同じバイオ燃料の
トウモロコシの数百倍
 日本の藻類研究の第一人者は筑波大学生命環境系・渡邉信教授
43
藻類によるバイオマス生成メカニズム
埋立
藻類
廃棄物
バクテリア
太陽光による光合成と有機
物による栄養源を元に生育
有機物
44
日本における油生成藻への取組
◇「藻類産業創成コンソーシアム
平成22年4月に多くの大学や企業が発起人となって「藻類産業創成コンソーシアム」がスタート
◇IHI
バイオテクノロジー・ベンチャーのネオ・モルガン研究所と協力、増殖力が高いボツリオコッカスの探索(細
胞内に50%もの油を溜め込み、抽出しやすさにも優れている。増殖力が低く培養の効率が悪いことが難
点だttが、2週間→3日間に短縮可能。
◇重工業大手などのチーム
2018年に日照時間が長く大規模工場の建設用地も維持費も安い東南アジアまたはオーストラリアで、航
空機燃料向けにボトリオコッカスの一種の藻類から燃料を量産する計画。1リットル100円の価格を目指す。
◇つくば市
「つくば国際戦略総合特区」の試みとして、2012年度より、藻類の屋外大量培養技術の確立に向けた実証
実験が進められている。
◇仙台市の南蒲生浄化センター
2013年5月から筑波大学、東北大学、仙台市の共同で、オーランチオキトリウムから炭化水素を得るため
の「藻類バイオマス実証実験」が始まった。
45
油生成藻類の課題
~コスト低減~
レギュラー・ガソリンが1リットル160円前後
藻類バイオ燃料は現在専攻の米国で1リットル500円以上
◇米国の政策
・巨費を投じて民間の研究開発を後押し
・国としての安全保障政策を反映(国防総省は空軍で2016年までに米国内で使う燃料の半分をバイオ燃料に
置き換える目標)
・国防総省は現時点で、1リットル650円ほどでバイオ燃料を購入
・最終的に2018年にはリットル80円にする、という目標を掲げる
◇欧州の政策
・安全保障
・温暖化ガスの排出削減を義務付けるため、航空機燃料のバイオ比率を高める政策
・2020年までに、EUの空港を利用する航空機の燃料の10%をバイオ燃料にすることを義務化(EU域内の空港
に乗り入れる日本の航空機もそれに従う義務)
46
ボツリオコッカス藻
~光合成で油を生成~
細胞内に50%もの油を溜め込み
抽出しやすさにも優れている
増殖力が低く培養の効率が悪いことが難点
(IHIはバイオテクノロジー・ベンチャーのネオ・モルガン研究所と協力、増殖力が高いボツリオコッカスの探索
増殖 2週間→3日間
精製前の油で1Lあたり1200円→500円ほど
藻が作り出すのはナフサのような軽質油→改質することでガソリンも
1バーレル当たりの生産コストが13万円
事業的諸経費、クラッキング(精製)コスト等を加えると、おおむね30万円/バレル
光合成で増殖するボトリオコッカスを日本で育てて大量の炭化水素を得るには地域的ハンデがある。
「日本の日照時間は短く、東南アジアやオーストラリア西部など海外の適地の半分ほど。気温も、平均15℃以
下の月が東北では8ヵ月、九州でも4ヵ月もある。
米国では光合成を行う藻類によるバイオ燃料製造が中心になる可能性が高い。
日本には適地が少なく、実用性は低いと思われる
47
オーランチオキトリウム藻
~栄養分で培養~
光合成でなく、栄養で培養(ブドウ糖等の供与)
2009年に渡邉教授が沖縄で発見
有機排水に含まれる栄養によってオーランチオキトリウム藻は石油生成・排出
オーランチオキトリウムは、わずか4時間で2倍
藻類が乾燥重量あたりつくる炭化水素は1%未満→オーランチオキトリウムは炭化水素を20%
藻類から精製した油を軽油に70%混ぜ、ディーゼル車を走らせることにも成功(将来は100%も可)
有機物や窒素・リン等藻類の栄養となる資源の賦存量が十分あると仮定すると、日本の休耕田のわ
ずか5%、琵琶湖の3分の1の広さがあれば、日本の年間エネルギー輸入量を賄うことができる
収量の数倍の飼料が必要になるため、安価な飼料の選定・確保や成長速度の速い条件を如何に保
持するかなどが大きな課題
エネルギー収支比(EPR:Energy Profit Ratio)=2?
「生産エネルギー / 投資エネルギー」
排水処理設備との組み合わせで普及が期待される
48
ボトリオコッカス&オーランチオキトリウム
ハイブリッドシステム
渡邉教授が提唱
つくば市では「つくば国際戦略総合特区」の試みとして、2012年度より、藻類の
屋外大量培養技術の確立に向けた実証実験を開始
出典:渡邉信教授49
ボトリオコッカス&オーランチオキトリウム
ハイブリッドシステム
 人間の生活廃水には有機物が豊富に含まれる。
 その有機廃水を処理した一次処理水をオーランチオキトリウムの“餌”とする。
 下水汚泥や食品工場の廃液など有機物を含む廃棄物なら、ほとんどオーランチオキトリウムの餌になるとい
う。これでまず、オーランチオキトリウムから炭化水素を得ることができる。
 次に、その先の二次処理水には生活廃水中の窒素やリンなどが残されるので、今度はこれを屋外でボトリ
オコッカスの培養に活用し、ここでまた炭化水素を得る。
 これで窒素やリンが原因で起きるプランクトンの異常発生も防げる。
 さらに、オーランチオキトリウムとボトリオコッカスそれぞれから炭化水素を得たあとにできる残渣を、家畜の
飼料やメタン発酵のための材料に利用。
 あるいは可溶化してオーランチオキトリウムの餌として利用する。
このとき残渣を燃やすことになるが、出てくる二酸化炭素をボトリオコッカスの光合成に活用し、熱もオーラン
チオキトリウムのタンクを温めるのに活用する。
つくば市では「つくば国際戦略総合特区」の試みとして、2012年度より、藻類の
屋外大量培養技術の確立に向けた実証実験を開始
50
低温エネルギーの利用
 日本の産業分野では、原油換算で年間、約2億キロリットルものエネルギー
が消費
 約70%は100~300度の低温廃熱エネルギーで、その多くが未利用のま
ま環境中に廃棄
 国内の未利用熱エネルギーの合計は年間1兆kWhで年間総発電量と同水準
のエネルギー(経済産業省の調査 )
51
我が国のエネルギーバランス(2009年)
未利用
エネルギー
熱機関
熱効率
火力発電
40%
火力発電(コンバインド方式)
60%
自動車
25%
工業炉
35%
※未利用エネルギーの活用が課題
52
未利用エネルギーとその活用形態
53
未利用エネルギー利用開発関連企業
54
工業炉における熱収支
熱効率は30~40%
55
工業炉の廃熱回収
バイナリー発電と呼ばれている技術により、、水蒸気を利用
せず、有機溶媒であるシリコーンオイルを利用して熱を回収
するため、総合効率80%以上
総合効率=(蒸気を発電、または温水として利用したエネル
ギー)/(廃熱源から回収したエネルギー)
廃熱利用空調システム
~ジェネリンク~
ジェネリンクとはガスコージェネレーションシステムから発生する排温
水を有効利用して熱源とした空調を行う排熱投入型チラーシステム
川重冷熱工業㈱
57
コジェネ廃熱利用
二重効用吸収式ヒートポンプ
従来システムに比べ42%の
省エネを達成
■応用例
◇温水利用
暖房用、プロセス加温用
◇冷水利用
冷房用、プロセス冷却用
■機器メーカー
・日立アプライアンス
・
日立アプライアンス㈱
58
未利用エネルギーの活用
~低温エネルギーの利用~
59
ロータリー熱エンジンの開発
開発:株式会社ダ・ビンチ
■課題
・コストが量産化によりどの程度安
くなるか?
開発目標
投資回収を3年(出力30kW、24時
間稼働)
60
熱電発電
 熱電素子をもちいて熱エネルギーを電力エネルギーに変換する発電法
 熱電発電は接合点の一方を高熱源、他方を低熱源に接触させて電位差を生じさ
せて熱エネルギーを電力エネルギーに変換する発電法
熱電素子の利点
 可動部が無いため長寿命で信頼性が高い。
 付帯設備は不要で省スペース。
 小型軽量な電源とすることができる。
 素子の形状を自由設計できる。
 熱源温度変動に対し応答が速い。
 可動部がなく振動や雑音発生しない。
 小型でも大型設備と同じ変換効率が得られ、小型設備に有利。
 高温、低温、大型、小型熱源などあらゆる熱源から電気を取り出すことが可能。
 単位表面積あたりの発電量は太陽光発電の数倍から数十倍(熱電発電とアルカリ金属熱電発電
(AMTEC)では約1 W/cm2 、熱電子発電では3~9 W/cm2
(太陽電池 0.01 W/cm2)
61
熱電発電
欠点
 熱機関と比べ変換効率が低い
 多くの熱電素子が資源が少ない原料を
使用するため素子を多量生産できない。
試作発電モジュールの効率と出力の温度依存性
62
熱電発電の実用例
高低の熱源が得られる機器
等の補助利用に適する
63
シェールガス
64
シェールガスの採取
 頁岩(けつがん)と呼ばれる堆積岩の層から採取される天然ガス
 頁岩は非常に粒子が細かく液体や気体を通すスキマがほとんどない事から、そ
こから資源を回収するには高度な採掘技術が必要とされていた
 地下3000mほどの頁岩を水圧により破砕し、0.5%~2%ほどの砂粒状の物質
と化学薬剤を混ぜた大量の水を注入し
 閉じ込められていたガスを回収
 薬剤による環境汚染や地盤沈下などが課題となっている
65
米国のドライナチュラルガス産出推移
66
67
天然ガス価格(日本,UK,USA)
68
69
出典:エネルギー白書2013
メタンハイドレード
燃える氷
CH4·5.75H2O
 低温かつ高圧の条件下で、水分子は立体の網状構造を作り、内部の隙間にメタン分子が入り込み氷状の
結晶になっている。
 メタンは、石油や石炭に比べ燃焼時の二酸化炭素排出量がおよそ半分であるため、地球温暖化対策とし
ても有効な新エネルギー源であるとされる
 化石エネルギーの一種であるため、再生可能エネルギーには含まれない
 日本の埋蔵量は天然ガス換算で7.35兆㎥(日本で消費される天然ガスの約96年分)以上と推計
 経済可採埋蔵量は現在ゼロ
70
メタンハイドレード
~回収方法~
メタンの回収方法
◆土木的手法
メタンハイドレートを土木的に陸上まで運びあげ陸上でメタンを取り出す。上
述のピストンコアリングもこの方法の一つ。海底から固体のメタンハイドレー
トを引き上げる必要があり、かつ引き上げた後に改めてメタンを取り出す必
要があるため膨大なエネルギーを要する。
◆加熱法
温水注入や発電などで海底の温度を上げることでメタンハイドレートからメ
タンを取り出す。メタンハイドレートからメタンが自壊するほど海底の温度を
引き上げるには膨大なエネルギーを要する。
◆減圧法
流動性が無いので、石油やガスのように穴 海底の圧力を下げメタンハイドレートからメタンを取り出す。海底の圧力を
を掘っても自噴せず、石炭のように掘り出そ 広範囲に下げるにはかなりのエネルギーが必要である。
◆化学的手法
うとしてもガスの含有量が少なく費用対効
分解促進剤や分子置換材の注入により化学反応でメタンハイドレートからメ
果の点で現実的ではない。
タンを取り出す。上記の手法に比べエネルギー効率は格段に良いが、注入
した物質や、化学反応後の残留生成物による海水汚染の可能性がある。
71
究極効率のエンジン
新圧縮燃焼原理を発見
原理は、空気と燃料の混合気体の高速噴流を、多数、
燃焼室中心部の微小領域でパルス状に衝突させ、高
圧縮比を得て熱効率をあげるもの
熱効率60%も夢ではない
自動車・発電・航空機用などに利用可
HV車凌ぐ低燃費か
 早稲田大学理工学術院の内藤健教授は、単体でサイズによらず、従来の2倍以上の熱
効率ポテンシャルを持つエンジンを生み出すための画期的なエネルギー変換原理(新圧
縮燃焼原理)を発見
 新圧縮燃焼原理は、新たな熱流体力学理論を構築し、それを駆使した思考実験とスー
パーコンピュータシミュレーションと高速空気流実験によって考案
 この原理を用いたエンジンが実用化されれば、当面の環境エネルギー問題を解決する
新機軸になると考えられる
72
新圧縮燃焼原理の概要
・断熱効果による熱効率向上
燃焼域が中心に集中して燃焼させるので
エンジン本体からの放熱が格段に少なくなる
・騒音・振動の低減効果
燃焼室中心部で発生する燃焼騒音も
閉じ込めて、外部に出にくくするため
73
出典:早稲田大学内藤健教授報告
ガソリン乗用自動車の燃費平均値の推移
新理論が実現すれば
■実用化への課題
・実証実験で理論を裏づけする性能を確認する
・高圧となるための高圧に耐える構造
74
出典:エネルギー白書2013
EPR(Energy Profit Ratio)の比較
EPR=生産エネルギー / 投資エネルギー
出典:ウィキペディア
発電
方式
資源・要因
EPR
備考
原子力
ウラン
10~76
(日本:28)
時間の経過に伴う下降は無い。発電所の事故リスクへの対応を投資
エネルギーに加えるとEPRは激減する。
石油、石炭
5~25
時間の経過と共にEPRは下降する。発見直後の油田の石油の場合は
100を越えることも珍しくない。
天然ガス、
LNG
2~4
時間の経過と共にEPRは下降する。シェールガスは地域によっては10
を超えることもある。
水力
水
10~50
時間の経過に伴う下降は無い。
風力
風
5~54
時間の経過に伴う下降は無い。
太陽光
太陽光
4~31
時間の経過に伴う下降は無い。
火力
75
まとめ
地球温暖化対策や資源の枯渇への対応として、持続可能な自然エ
ネルギーに注目が集まっている
エネルギーコストと「エネルギー収支」とは密接な関係がある
技術革新により「エネルギー収支」を高めて、コストダウンを図る必要
がある
技術的な課題が多いが長期ビジョンを立てて克服すべき課題である
自然エネルギーは燃料費がかからないため、減価償却後のコストは
極めて安い
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