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全身麻酔
麻酔とは?
薬物等を用いて患者の神経系やその他の機能を可逆
的に調整すること
患者の肉体的・精神的苦痛を除くことで、手術、処
置および検査を安全に遂行させるようにする
全身麻酔
麻酔
2つの方法がある
局所麻酔
全身麻酔の要素
全身麻酔を行うときの必要な要素
意識の消失
(麻酔薬)
1つの薬剤で達成することが困難
鎮痛
筋弛緩
(鎮痛薬・局所麻酔薬)
(筋弛緩薬・局所麻酔薬)
+ 有害反応の抑制
迷走神経反射:徐脈、低血
圧
交感神経刺激:高血圧、頻
脈
麻酔薬・鎮痛薬の作用と作用点
揮発性麻酔薬・静脈麻酔薬
麻薬
大脳皮質
心血管系
視床・脳幹
自律神経系・内分泌系
脊髄
筋肉
筋弛緩薬
感覚入力
神経ブロック
萩平哲: LiSA, Vol.13 別冊, 65, 2006
全身麻酔方法(イメージ図)
高橋真弓: イラスト麻酔科, 第2版, 11, 2003
全身麻酔の5つの流れ
手術1週間前~前日
手術前日~当日
術前評価
前投薬※
(※ 最近は投与しないことが多い)
• 手術の前に患者の全身状態や病歴等
を把握し、麻酔計画を立てる。
• 手術や麻酔について説明し、患者の
不安を取り除く。
• 手術や麻酔の障害となる不安や生体
の
反応を取り除くために麻酔の前に適
当な薬剤を投与する場合もある。
• 前夜に睡眠薬を投与することもある。
患者就眠
麻酔導入
• 麻酔を開始し、気管挿管などにより気
道を
確保する時期。
• 一般に静脈麻酔薬で行われる。
手術中
麻酔維持
• 麻酔状態を維持し手術が行われる時期。
手術後
覚醒・回復
• 手術および麻酔が終了し、麻酔状態か
ら
回復する時期である。
麻酔の流れ
麻酔申し込み
術前検査
術前診察
手術当日
絶食・絶水,
麻酔前投薬指示
手術室入室
麻酔前投薬投与※
(※ 最近は投与しないことが多い)
麻酔導入
麻酔維持
帰室(病室,
ICU)
麻酔覚醒
術後回診
術前評価
目的
麻酔方法や術中管理の方針を立てるために患者の全身状
態を把握する。
手術や麻酔に対する患者の不安を取り除く。
評価方法
患者のカルテを通読し、諸検査成績をチェックし、患者
の問診と診察を行う。
これらの結果を総合して患者を評価する。アメリカ麻酔
学会(ASA)の全身状態からみた患者分類は麻酔前の
患者の総合評価法として、広く使用されている。
ASA-PS(ASA physical status)
アメリカ麻酔科学会における全身状態分類
手術前のASA-PSと予後は相関するとされる緊急手術の場
合は「E」を併記する
Class1
全身状態が良好な患者
Class2
日常生活が制限されない程度の軽度の疾患を有する
Class3
日常生活が制限されるような重度の疾患を持つ患者
Class4
日常生活が制限されるような重度の疾患を持ち、
常に生命を脅かされている患者
Class5
手術をしなければ死亡するような瀕死の患者
Class6
臓器移植のドナーとなる脳死患者
診察からの評価、問診からの評価、
およびインフォームド・コンセント
診察からの評価
気管挿管に関して
脊髄くも膜下麻酔・硬膜外麻酔に関して
静脈確保に関して
問診からの評価
カルテ、診察、検査成績から得た情報の補足と再確認のた
め
患者説明(インフォームド・コンセント)
麻酔に関してどのようなことを行うかを具体的に説明し、
患者の麻酔に関する不安や疑問を取り除くため
麻酔導入
目的
患者を就眠させる
気道の確保を行う
麻酔導入の手順
1)患者を手術台に移しモニター機器の接続
2)静脈留置針で静脈を確保
(病棟から確保してくることが多い)
3)マスクで酸素を投与
4)静脈より静脈麻酔薬投与
5)筋弛緩薬投与
6)気管挿管あるいはその他の気道確保
7)呼吸状態の確認(気管挿管チューブの適正位置の確認)
麻酔の導入方法
急速導入(rapid induction)
静脈麻酔薬により入眠させ、非脱分極性筋弛緩薬(ロクロニウム)を用いて
気管挿管する。最も良く用いられる方法
(以前は脱分極性筋弛緩薬スキサメトニウムを用いた)
緩徐導入(slow induction)
吸入麻酔薬による導入。乳幼児で静脈ラインの確保が難しい場合や自発呼吸
を残したい場合に用いる。
迅速導入(rapid sequence induction)
静脈麻酔薬を投与後、脱分極性筋弛緩薬(スキサメトニウム)を投与し、こ
の間全く呼吸を行うことなく挿管する方法。
緊急手術やフルストマックの患者に用いる。最近は速効効果を目的として非
脱分極性筋弛緩薬(ロクロニウム)を多量に投与することもある
フルストマックとは緊急手術で絶飲食時間が6時間以内であったり、イレウス(腸閉
塞)で通過障害がある場合や病気や事故発症時点から腸管の動きが低下して胃内に食
物や水分、胃液が充満していることを言う
導入法の違い
導入時間
循環動態変動
呼吸への影響
輸液路
小児への応用
吸入麻酔薬
静脈麻酔薬
ゆっくり
早い
緩徐
急速
緩徐(刺激性)
急速
必要なし
必要
容易
やや困難
急速導入と迅速導入の違いは?
迅速導入を用いるのは
導入により意識が消失した場合に嘔吐により誤嚥のお
それがある場合
急速導入との違いは意識消失後に換気を行わないこと
換気により胃内圧が上昇すると嘔吐を誘発する可能性
覚醒下(意識下)挿管
気道確保困難(挿管困難や換気困難)が予想される場合
自発呼吸を残すことにより換気不全(低酸素血症、高炭酸
ガス血症)を予防する
フルストマックで導入時に嘔吐や誤嚥が予想される場合
咽頭反射を残すことにより、嘔吐しても咳反射により誤嚥を
予防する
苦痛を軽減するためにミダゾラムあるいはジアゼパムとフェンタ
ニルを少量投与したり、舌、喉頭などにリドカインスプレーを用
いて表面麻酔を行ったりする。場合によっては舌咽神経ブロック
も併用する。
気管挿管
気管挿管とは、呼吸管理や吸入麻酔薬を供給するた
めのチューブを気管内に挿入することである。
その目的は気道の確保と気管の保護である。
スミスメディカル・ジャパン株式会社ウェブサイト
喉頭鏡を用いた気管挿管
気管挿管チューブ
喉頭鏡の先端は
喉頭蓋谷に挿入
カフ
先端からの距離
が
記載されている
高橋真弓: イラスト麻酔科, 第2版, 37, 2003
スミスメディカル・ジャパン株式会社ウェブサイト
麻酔導入後のマスク換気
喉頭鏡手渡し
気管挿管チューブ手渡し
気管挿管
気管挿管チューブの位置
気管
右気管支
甲状軟骨
輪状軟骨
左気管支
カフ
気管分岐部
葉気管支
全身麻酔に関連する
主な術中合併症・偶発症
症 状
症状の詳細・原因
対策・処置法
歯牙損傷
気管挿管時や歯を食いしばる
ときに損傷が起こる。
術前診断時に聞き
取りする。
気管支痙攣・咽頭痙攣
揮発性吸入麻酔薬や
気管チューブによる刺激により
痙攣が起こる。
救急処置セットを常
常備しておく。
蕁麻疹・呼吸困難
麻酔薬や消毒薬などに対する
アレルギー反応によって、
蕁麻疹や呼吸困難が生じる。
原因薬物の投与を
中止し、症状に対す
する処置を行う。
筋硬直・発熱
薬物投与をきっかけに、筋硬直や
や高熱が生じる悪性高熱症が
生じることがある。
原因薬物の投与を
中止し、症状に対す
する処置を行う。
AstraZeneca MediChannel 麻酔の基礎講座 -薬理学ノート-
全身麻酔に関連する術後に現れる
主な症状・合併症
症
状
症状の詳細・原因
対策・処置法
意味なく手足が動
く
残存麻酔薬による症状で、すぐに解消する。 経過観察
喉の痛み・かすれ
声
気管挿管時に声帯が傷つくことで、喉の痛
みやかすれ声が生じることがあり、数日で
治癒する。
経過観察
・自然治癒
発声困難・むせ
声帯の傷が大きいとき、声帯肉芽腫や反回
神経麻痺が生じ、発声困難やむせが生じる
ことがある。
経過観察
・自然治癒
麻酔中に胃の内容物が気管に入り、誤嚥性
肺炎とよばれる重篤な肺炎が生じることが
ある。
早期発見による
治療が必要
術後、痰が留まって気管支が閉塞し、肺の
一部に空気が入らない、無気肺とよばれる
状態が生じることがある。
痰を吸引して、
気管支閉塞を
早期に解消する。
呼吸困難・咳・発
熱
呼吸困難・胸痛
同じ体位を長時間続けることで、下肢静脈
等で生じた血栓が、肺の血管に詰まり、呼
AstraZeneca MediChannel
吸困難や胸痛を引き起こす肺血栓塞栓症が
血液凝固抑制薬の
予防的使用や弾性
ストッキングの着
麻酔の基礎講座
-薬理学ノート-
声門の構造
喉頭蓋
前庭ヒダ
声帯
披裂喉頭蓋ヒダ
披裂間切痕
高橋真弓: 麻酔科診療プラクティス, 5.麻酔科医に必要な局所解剖, 22, 2002
麻酔維持
目的
手術が安全かつ円滑に行われるようにする
適切な麻酔レベルの維持と血圧や心拍数の安定
をはかる
麻酔レベルの調節
麻酔薬の投与調節
鎮痛薬・筋弛緩薬の投与
全身麻酔に使用する薬剤
静脈麻酔薬
プロポフォール、チアミラール、チオペンタ
麻薬
レミフェンタニル、フェンタニル、(モルヒ
揮発性吸入麻酔薬 セボフルラン、イソフルラン、デスフルラン
ガス麻酔薬
亜酸化窒素
麻酔法:TIVA
(total intravenous anesthesia:全静脈麻酔)
吸入麻酔薬を使用せずに、静脈麻酔薬と麻薬を持続静
脈内
投与して手術麻酔の維持を行う
アストラゼネカ株式会社ウェブサイト
テルモ株式会社ウェブサイト
麻酔維持に使用される薬剤
全身麻酔の条件である「意識の消失」、「鎮痛」、「筋弛緩」を
行うには、麻酔薬だけでなく、鎮痛薬や筋弛緩薬が必要で
ある
効果
使用目的
薬剤
主な薬剤名
意識消失
麻酔薬
プロポフォール、セボフルラン、デスフルラン、亜酸化窒
素等
鎮痛
鎮痛薬
レミフェンタニル、フェンタニル、モルヒネ、ペンタゾシ
ン等
筋弛緩
筋弛緩薬
鎮痛/
筋弛緩
局所麻酔薬
(硬膜外麻酔な
ど)
ロクロニウム、ベクロニウム、パンクロニウム等
ロピバカイン、リドカイン、メピバカイン、ブピバカイン
等
上記は一部のみ抜粋しています。この他にも様々な薬剤が必要に応じて投与されます。
麻酔法の選択?
TIVA
吸入麻酔法
レミフェンタニル
フェンタニル
ロクロニウム
ベクロニウム
パンクロニウム
オピオイド(手術の麻酔に使用する麻薬)
レミフェンタニル
フェンタニル
ヤンセンファーマ株式会社提供
麻酔の維持とは?(手術中の麻酔方法)
気管挿管による全身麻酔
気管挿管による全身麻酔+硬膜外麻酔
LMA(声門上器具)使用よる全身麻酔
LMA(声門上器具)使用による全身麻酔+硬膜外麻酔
(あるいは脊髄くも膜下麻酔)
硬脊麻のみ
硬脊麻+鎮静
脊髄くも膜下麻酔のみ
麻酔法の選択?
心臓外科、脳外科、頭頸
部
挿管全身麻酔
上肢
全身麻酔あるいは
伝達麻酔神経ブロック
開胸
挿管全身麻酔
体表面
非挿管全身麻酔
(声門上器具、フェイスマス
ク)
上腹部
挿管全身麻酔
下腹部
硬膜外麻酔併用
下肢
脊髄くも膜下麻酔
麻酔法の選択?
手術時間:長時間、短時間(2時間以内)
手術内容:侵襲の程度
患者の全身状態:喘息の有無、気道確保困難の有無、
合併症の詳細、術前内服薬の内容
脊柱・脊髄の病変の有無
術者の技量
麻酔科医の慣れ、好み
その他の背景因子
麻酔科医の慣れ、好み:準備の手間、経験
手術室内の管理体制、システム:薬剤管理、必要器具、
モニターなど
シリンジポンプの台数
研修医、指導医の人数
麻酔科指導体制
プロポフォール
プロポフォール
モニター
BIS, TCI display
投与方法
TCI※
導入
調節性
麻酔器の必要性
(戸外、手術室外)
挿管困難時
手術室内の
環境・大気汚染
急速も緩徐も可※※
容易
必ずしも必要でない
使用可能
麻酔維持可能
無し
※ 1%ディプリバン注キットのみTCI投与可能。なお、投与方法としてはマニュアルでも可。
※※ 急速投与又は過量投与により、循環器・呼吸器系の抑制が起こる可能性がある。呼吸器系が抑制された場合には、酸素
による人工換気を行うこと。また、循環器系が抑制された場合には患者の頭部を下げ、重篤な場合には血漿増量剤、昇圧剤
吸入麻酔薬
吸入麻酔薬
モニター
呼気終末濃度※
投与方法
気化器
導入
調節性
麻酔器の必要性
(戸外、手術室外)
挿管困難時
手術室内の
環境・大気汚染
緩徐のみ
容易
必要
不可能
麻酔不可
有り
※ 動脈血の分圧を測定しているものではなく、目安にすぎない
筋弛緩薬の種類
脱分極性筋弛緩薬
終板と結合し、持続的な脱分極をおこして再分極を妨げ、つい
には終板、さらには筋膜のアセチルコリンに対する感受性を低
下させる:
スキサメトニウム
非脱分極性筋弛緩薬
終板においてアセチルコリンと競い合い、アセチルコリン(伝達
物質)がレセプターに結合することを阻止:
ロクロニウム、ベクロニウム、パンクロニウム、
筋弛緩薬:ロクロニウム
蓄積作用が無く持続投与が可能
投与量を増やすと作用発現までの時間が短くなる
MSD株式会社ウェブサイト
筋弛緩薬使用の目的
気管挿管を容易にする
手術(開腹術、整形外科、開胸術等)の際に
操作をしやすくする
体動やバッキングを防ぐ
術中の調節呼吸を容易にする
神経筋接合部
神経の興奮が神経終末に
届くと、ここからアセチルコリ
ンが分泌される。
アセチルコリンは筋肉の受
容器を刺激して筋肉に収縮
が起こる。
アセチルコリンはコリンエス
テラーゼで分解される
神経筋接合部
AChR: アセチルコリン受容体
AChE: アセチルコリンエステラーゼ
Sethee JS, et al: Neuromuscular blockade.
In Dunn PF: Clinical Anesthesia Procedures
of the M.G.H., pp190-207, Lippincott
Williams & Wilkins, 2007 より改変
弓削孟文: 標準麻酔科学, 第6版, 50, 2011
筋弛緩薬の拮抗:リバース(reverse)
残存する非脱分極性筋弛緩薬をアセチルコリン受容体
から追い出し、骨格筋を正常に回復させること
通常、手術が終了し気管挿管チューブを抜管する前に
行う
コリンエステラーゼ
神経筋接合部
筋弛緩薬
終板
コリンエステラー
ゼ阻害薬
アセチルコリン
伝達物質
コリン受容体
筋繊維
アセチルコリンが増
加
⇒筋弛緩薬が受容体
から離れる
⇒筋弛緩が回復
ロクロニウムの拮抗薬:スガマデクス
非脱分極性筋弛緩薬を取り囲む(包接)ように、直接結合に
より複合体を形成し、筋弛緩薬の作用を不活性化する
+
ロクロニウム
=
スガマデクス
包接
スガマデクスと
ロクロニウムの包接体
MSD株式会社ウェブサイト
手術室の風景(麻酔器と気化器など)
GEヘルスケア・ジャパン株式会社ウェブサイト
ドレーゲル・メディカルジャパン株式会社ウェブサイト
麻酔中のモニター
循環のモニター:
心電図、血圧、中心静脈圧、
肺動脈カテーテル、経食道心エ
コー、
動脈圧心拍出量(APCO)
鎮静のモニター:
BIS、エントロピー
呼吸のモニター:
CO2、
スパイロメーター、呼気
パルスオキシメーター(SpO2)
腎機能のモニター:
筋弛緩モニター
体温
尿量
患者のモニター
麻酔、手術により生体に加わる侵襲に対して、患者の全身状態は刻々と変
化する
血圧、心拍数、呼吸状態、体温など患者の全身状態を示す指標をバイタル
サインと呼ぶ
近年、鎮静度を数値化する機器であるBIS(bispectral index)モニターも
用いられている
手術中はさまざまな機器により患者のモニターを行う
高橋真弓: イラスト麻酔科, 第2版, 159, 2003
日本光電工業株式会社ウェブサイト
呼気CO2モニター
パルスオキシメーター
(経皮的酸素飽和度測定器)
日本光電工業株式会社ウェブサイト
筋弛緩モニター
筋弛緩薬の使用中のモニターとして
筋弛緩薬をリバースする際のタイミングをみるため
筋弛緩薬をリバースした後に残存していないことの確認
尺骨神経など表在神経に電気刺激を与え、筋収縮の度合いを観察する
Posttetanic
facilitation
筋弛緩
が残存
Control Single twitch Train-of Four:
TOF
1番目に対する4番目の
Twitch tensionの比率
T4が75%±5%回復すれば良い
Tetanus
Fade
筋弛緩モニター
刺激
1.5S
反応
T4/T1
15S
TOT ratio
T1
T4
四連刺激(TOF)
外科的筋弛緩状態
回復の最低基準
稲田英一: 麻酔科診療プラクティス, 13.モニタリングのすべて, 143, 2004
日本光電工業株式会社ウェブサイト
BISモニター
SQI:
signal quality
index
SR:
suppression ratio
EMG
実際の脳波
日本光電工業株式会社ウェブサイト
BIS値と脳波
BIS値
100
臨床的状態
脳波
覚醒
低振幅速波
80
60
軽度催眠状態
中等度催眠状態
高振幅徐派
全身麻酔状態
40
深い催眠状態
20
Burst suppression
0
平坦脳波
平坦脳波
Dahaba AA: Anesth Analg, 101, 765-773, 2005
エントロピー
1つのモジュールをGEヘルスケア社製のモニターに組み込んで使用
するもの
SE:state entropy 脳波由来
RE:response entropy 筋電成分含む
40~60:覚醒する可能性低い
電気メス使用中でも生脳波が出る
GEヘルスケア・ジャパン株式会社ウェブサイト
動脈圧心拍出量測定装置
フロートラックシステム
観血的動脈圧測定ラインを用いて連続的に心拍出量を測定できる低侵襲
のシステム
一回拍出量、一回拍出量の呼吸性変動に相当する変化量、CVPを併用す
ることにより体血管抵抗などが測定できる
エドワーズライフサイエンス株式会社ウェブサイト
麻酔中の循環動態の変化
出血、不感蒸泄、尿、third space、輸液、輸血
血管収縮
血管拡張
循環血液量、粘稠度
前負荷
心臓(収縮力)
血管
麻酔薬
麻酔薬
後負荷
末梢神経
末梢神経
手術刺激
手術刺激
小栗顕二: 麻酔の研修ハンドブック改訂3版, 235, 1999
麻酔薬投与量の調節とその指標
麻酔維持中には手術を問題なく行えるように、
適切な麻酔状態を保つことが必要とされる
麻酔レベルの指標
血圧、心拍数、手術の外科的刺激に対する体動、発汗、流涙、瞳孔
反応、咳、自発呼吸
患者の示すこれらの臨床徴候に応じて麻酔薬の投与量を調節し、適
切な麻酔状態を保つ
バイタルサインを中心に患者の臨床徴候を注意深く観察
して、麻酔レベルを判断する
吉村望: 標準麻酔科学第4版,147-153, 2003
全身麻酔の深度別臨床徴候
エーテル麻酔の深度
状態
第I期(痛覚消失期)
意識は不完全ながら保たれる。酩酊様状態、痛覚は
弱くなる。
ハロタンはこの時期は認めにくい。
第II期(興奮状態)
意識はなくなる。高位中枢からの抑制が除かれるの
で、興奮状態となる。
第III期(外科的手術
期)
延髄の呼吸・循環中枢を除き、全般的に抑制される。
第1相
筋肉の弛緩、眼振、呼吸は確保
第2相
筋肉の弛緩、眼球の固定、手術によい時期である。
第3相
著しく筋肉の弛緩、瞳孔散大
第4相
呼吸が弱くなる、血圧が低下
第IV期
延髄の麻痺、あらゆる反射の消失
手術室入室から退室までの経過(開腹術の場合)
各時期に起こりうる病態変化
低血圧、徐脈
入室
モニター装着
高血圧
気管挿管
硬膜外麻酔(脊椎麻酔)
血圧低下
出血→臓器摘出→閉創)
麻酔導入
低血圧、徐脈
血圧低下
体位とり
嘔吐・誤
嚥
消毒
高血圧
覚醒
執刀
手術侵襲 (腹膜牽引→
嘔吐・誤
嚥
抜管
退室
覚醒・回復
覚醒
患者の意識回復
回復
患者が覚醒し全身状態が安定すること
覚醒遅延の要因
患者要因
麻酔要因
手術要因
高齢
薬理学的要素
高度侵襲
全身状態
生理学的要素
長時間
基礎疾患
前投薬
大量出血・輸血
薬剤治療
代謝機能低下
排泄機能低下
脳神経手術
術後管理
麻酔覚醒時期における患者管理
麻酔覚醒処置(麻酔薬などの投与中止)
拮抗薬の投与(筋弛緩薬拮抗薬などの投与)
抜管操作
帰室時期における患者管理
帰室時の状態を確認する
<帰室時の条件例> 患者の覚醒、安定した呼吸・循環状態、その他
病棟、ICUなどへの移動と引継ぎ
術後早期における患者管理
中枢神経系、呼吸器系、循環器系などの各種術後合併症の確認と
対処
術後疼痛管理
吉村望: 標準麻酔科学第4版, 233-238, 2003
PONV(postoperative nausea and vomiting)
術後の悪心・嘔吐
成人患者におけるPONV発症主要リスク因子
麻酔薬:揮発性麻酔薬、亜酸化窒素
性差:女性>男性
非喫煙
手術内容:開腹術、長時間手術、開頭術
乗り物酔いや以前のPONVの既往
Gan TJ: Anesth Analg, 105, 6, 1615-1628, 2007
術後鎮痛
術後鎮痛の重要性
生理的、心理的に生体に悪影響を及ぼす要因を減少させ
る
周術期合併症を減少させる
患者の満足度を高める
病院滞在日数を減少させる
早期回復
早期離床
早期退院
吉村望: 標準麻酔科学第4版, 233-238, 2003

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