京都大学における心臓血管外科医教育体制

Report
京都大学における
心臓血管外科医教育体制
京都大学心臓血管外科
坂田隆造
教育プログラム評価委員会
Department of Cardiovascular Surgery,
Educational Program Evaluation Committee,
Kyoto University
京都大学心臓血管外科グループ
• 施設数:27施設
• 修練指導責任者
• 心臓血管外科修練指導者
27名
3名
• 心臓血管外科専門医
• 心臓血管外科専攻医
41名
59名
うち外科専門医 32名
計
130名
京都大学関連施設手術統計
(症例数)
3237例
7000
1021例
5000
1314例
3000
1694例
681例
2000
2005
2010
(年)
2013年計7947例
教育プログラム評価委員会
設立
2011年11月
構成
関連病院施設長5名、京都大学事務局2名
(京都大学教授、准教授はメンバーでない)
教育プログラム評価委員会の目標
①優れた心臓血管外科医を育成
共通教育プログラムの制定
教育状況の調査、評価とフィードバック
②グループ全体のレベル向上
臨床能力
学術活動
人間性(コミュニケーション能力、リーダーシップ)
③問題点の明確化
施設および個人が抱える問題点、意見を把握
解決策を協議
④人材配置の適正化
関連施設の人員配置状況と教育内容を評価し
適切な人員配置を提言
レベル制の導入
• レベル1 専攻医前期 (卒後3~5年)
• 外科専門医取得を目指す
• レベル2 専攻医後期 (卒後5~10年)
• 血管外科Basic, 心臓Entry
• 心臓血管外科専門医取得を目指す
• レベル 3 専門医前期(卒後10~15年)
• 心臓Basic~Intermediate
• 修練指導者申請基準と同等の学術業績
• レベル 4 専門医後期(卒後15~20年)
• 心臓Advanced
• 修練指導者を目指す
京都大学共通修練プログラム(レベル制)
外科
専門医
心臓血管外科
専門医
心臓血管外科
修練指導者
修練医調査票
(修練カルテ)
施設長調査票
双方向性評価
教育プログラム評価委員会
問題点抽出
両者に乖離がある場合はヒアリングを行う
共通修練プログラムの評価項目
①臨床能力(レベル制の導入)
②学術活動(専門医取得を目指した論文執筆、学会発表)
③人間性(コミュニケーション能力、リーダーシップ)
の3点から修練医、施設長の両者を評価
レベルにふさわしいトレーニングができているか。
レベルにふさわしいトレーニングをさせているか。
⇒双方向性に評価
修練達成度の現状分析
卒
後
年
数
に
よ
る
推
奨
レ
ベ
ル
卒後年数
20年
4
心臓血管外科
修練指導者
●
15年
3
心臓血管外科
専門医
10年
2
●
5年
1
1
2
3a 3b 3c
4
指導医による評価レベル
外科専門医
レベル制に基づく解決策
• レベル評価に基づくレベルアップ
– 修練医、施設長に評価結果をフィードバック
• レベルの年次進捗状況を把握
– 1年毎の進捗状況から修練医、施設の問題点を抽出
• レベル制に基づく人事異動提言
–
2013年4月
・27施設中19施設
・施設長 4名
・修練医 16名
2014年4月
・23施設
・4名
・27名
レベル制の効果
①心臓外科チーム編成の適正化(バランス)
⇒各施設で指導できる修練医のレベルと数は、
症例数と内容によっておのずと規定される。
⇒グループとして育成できる術者の数が規定さ
れる。
②人事の流動化によるチーム活性化
③京都大学心臓血管外科の一体感(臨床、
研究、教育の一体化)
京都大学心臓血管外科修練プログラム
STEP
(Surgical Training and Educational Program)
• 各自のレベルに応じた具体的なトレーニングプログラム。
 レベル1専攻医のプログラムがSTEP1に相当
⇒外科専門医取得
 レベル2専攻医のプログラムがSTEP2に相当
⇒心臓血管外科専門医取得
• 各STEPに入るために修練医選抜を導入。
 外科的技術・学術活動・患者管理・リーダーシップ・コミュニケー
ション能力等を段階的にチェックして優秀な人材を選抜
 修練の目標設定を明確にし、執刀症例数を確保する
 卒後年数のみでの評価を解消
専攻医前期
(レベル 1)
外科専門医
専攻医後期
(レベル 2)
心臓血管外科
専門医
専門医前期
(レベル 3)
教育
・
支援
選抜
心臓血管外科
修練指導者
専門医後期
(レベル 4)
Consultant Surgeon (施設長):
公募制
STEP1:周術期管理評価
周術期管理評価項目
術前アセスメント
治療計画
術後管理
患者対応
1年目
2年目
3年目
STEP1:学術活動評価
学術活動評価項目
1年目 2年目 3年目
学会発表(地方会・研究会) 2
1
1
学会発表(全国学会)
1
2
論文発表
1
1※
※原著論文が望ましい
STEP 1:手術手技目標
• 指導の下、術者として標準的な血管
外科手術ができる。
• 心臓手術の第1助手ができる。
• 人工心肺の操作を理解し、安全に体
外循環の装着・管理ができる。
• 心臓血管外科手術に必要な静脈・動
脈グラフトの採取ができる。
STEP1: 手術手技評価
1年目2年目3年目
手術手技
10
20
20
開胸・閉胸
5
10
10
開腹・閉腹
15
15
カニュレーション
SVG採取
10
10
10
ITA剥離
20
IABP挿入
1
1
5
15
20
血管吻合
5
腹部大動脈瘤 術者
5
下肢血管バイパス術 術者
5
5
5
人工心肺操作
STEP 2 手術手技到達目標
書類審査、面接による選考でエントリー
• 術者として、標準的な血管外科手術を独立
して安全にできる。
• 心臓血管外科手術に必要なグラフト採取
および体外循環のセットアップの手技に精
通し、安定かつ十分な早さでできる。
• 執刀症例50例以上、心臓血管外科専門医
申請条件を満たす。
STEP 2 手術手技評価
手術手技
下肢血行再建
腹部大動脈手術
動脈血栓摘除術
その他血管手術
必要症例数
20
10
10
15
(内シャント、下肢静脈瘤、動脈修復など)
開心術(OPCAB含む)
TEVAR/EVAR
人工心肺操作
人工心肺装着
ITA採取
Simulation*
5
5
5
100
50
20時間
*ハンズオンセミナー、ドライあるいはウェットラボへの参加
結語
1.教育プログラム評価委員会を設立し、レベル制
に基づく共通修練プログラムSTEPを導入した。
STEP1,2は心臓血管外科専門医取得コース、
STEP3,4はconsultant surgeonコースとした。
2.STEP1,2は教育・支援、STEP3,4は選抜をコンセプ
トとした。
3.修練医、施設長への調査による双方向性評価
に基づいて問題点を抽出し、評価をフィードバック
して問題の解決を図った。
4.STEPに基づいて人材配置の適正化を図った。

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