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『マクロ金融特論』(2)
一橋大学大学院商学研究科
小川英治
マクロ金融特論2014
1
伸縮価格マネタリー・アプローチ
マクロ金融特論2014
2
伸縮価格マネタリー・アプローチと購買力平価
• 伸縮価格マネタリー・アプローチは、購買力平価
の発展形。
• 購買力平価は、自国と外国の物価水準の相対
比として為替相場が決まる。
• それでは、物価水準はどのように決まるのか?
↓
• この問いに答えるのが、伸縮価格マネタリー・ア
プローチである。
マクロ金融特論2014
3
伸縮価格マネタリー・モデルの特徴
•
•
•
•
購買力平価が常に成立する。
物価が伸縮的である。
物価の決定は、貨幣の需給による。
為替相場決定は、貨幣の需給による。
マクロ金融特論2014
4
購買力平価とマネタリー・アプローチ
• 絶対的購買力平価
P
S *
(1)
P
• 貨幣市場均衡式
M
 L(Y , i )
(2)
P
M*
*
* *

L
(
Y
,i )
(3)
*
P
マクロ金融特論2014
5
伸縮価格マネタリー・モデルにおける為替相場
決定式
(1)・(2)・(3)式より、
*
*
*
M L (Y , i )
S *
M L(Y , i)
(4)
• 為替相場は、相対的貨幣供給量と相対的
貨幣需要量によって決定される。
マクロ金融特論2014
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貨幣の需要供給が為替相場を決める
• 自国貨幣供給量の増加⇒自国物価上昇⇒
自国通貨減価
• 外国貨幣供給量の増加⇒外国物価上昇⇒
自国通貨増価
• 自国貨幣需要量の増加⇒自国物価低下⇒
自国通貨増価
• 外国貨幣需要量の増加⇒外国物価低下⇒
自国通貨減価
マクロ金融特論2014
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対数表示化したモデル
• (1)・(2)・(3)式の対数表示
s  p p
*
(5)
m  p   y  i
m  p   y  i
*
*
*
(6)
*
(7)
• 但し、 :貨幣需要の所得弾力性、 :貨幣
需要の利子半弾力性(semi-elasticity)
マクロ金融特論2014
8
対数表示化したモデルにおける為替相場決
定式
• 為替相場決定式(対数表示)
s  (m  m* )   ( y  y* )   (i  i* )
(8)
①自国貨幣供給成長率⇒同率の自国通貨減価
②外国貨幣供給成長率⇒同率の自国通貨増価
③自国所得成長率⇒倍の自国通貨増価
④外国所得成長率⇒倍の自国通貨減価
⑤自国利子率変化量⇒倍の自国通貨減価
⑥外国利子率変化量⇒倍の自国通貨増価
マクロ金融特論2014
9
マクロ金融特論2014
10
硬直価格マネタリー・アプローチ
マクロ金融特論2014
11
硬直価格マネタリー・モデルの特徴
• 財市場の調整に時間が要する。短期的に
は価格が硬直的。
• 購買力平価が長期的には成立するが、短
期的には成立しない。
マクロ金融特論2014
12
硬直価格マネタリー・モデル
•
•
•
•
•
長期的購買力平価
貨幣需給均衡式
金利平価式
予想為替相場
財市場の動学
マクロ金融特論2014
13
長期的購買力平価
• 購買力平価が長期的には成立するが、短
期的には成立しない。
s  p p
s  p p
*
(1)
*
(2)
但し、バーの付いた変数:長期均衡水準
マクロ金融特論2014
14
貨幣需給均衡式
• 貨幣需給均衡式
m  p   y  i
m  p   y  i
*
*
*
(3)
*
マクロ金融特論2014
(4)
15
金利平価式+予想為替相場変化率
• 金利平価式
i  i  s
*
e
t 1
(5)
• 予想為替相場変化率(回帰的予想)
s
e
t 1
  (s  st )
マクロ金融特論2014
(6)
16
回帰的予想
s
s
s
st
time
マクロ金融特論2014
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財市場
物価変化率
pt 1  (dt  y)
(7)
総需要=消費+投資+政府支出+純輸出
消費←所得
投資←利子率
純輸出←自国財に対する外国財の相対
*
SP
P)
価格(=
dt  0  1 (st  p  pt )  2 y  3it
*
t
マクロ金融特論2014
(8)
18
伸縮価格の下での為替相場、物価、金利の
動向
m
p
s
i
time
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硬直価格の下での為替相場、物価、金利の
動向
m
p
s
i
time
マクロ金融特論2014
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硬直価格の下での為替相場決定
• 自国貨幣供給が増加すると、価格が硬直的である
ために、即時的には実質貨幣供給量が増加する。
貨幣市場の超過供給により、利子率が低下する。こ
のため資本流出によって即時的に為替相場は、自
国通貨減価のオーバーシューティングを引き起こす。
• 時間の経過とともに物価が上昇するにつれて、実質
貨幣供給量が減少し、そのために利子率が上昇し
続けることによって、自国通貨増価に向けて為替相
場が徐々に変化する。
• 物価が完全に反応する長期において、自国貨幣供
給成長率と等しいだけの自国通貨の減価となる。
マクロ金融特論2014
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ポートフォリオ・アプローチ
マクロ金融特論2014
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ポートフォリオ・アプローチの特徴
• 内外資産が不完全代替(←為替リスク)
• 分散投資(ポートフォリオ)によってリスクを
軽減可能。
• 経常収支黒字累積→外国資産流入→国
際ポートフォリオ→為替相場
マクロ金融特論2014
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内外資産のポートフォリオ・バランス
(供給面)
• ポートフォリオ・バランス供給
Bt
St Ft
S : 為替相場
B :自国通貨建て債券供給残高
F : 外国通貨建て債券供給残高
マクロ金融特論2014
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内外資産のポートフォリオ・バランス
(需要面)
• ポートフォリオ・バランス需要 D
←①予想内外収益率格差
②為替リスク
D(it  it*  ste,t 1, t )
i :自国通貨建て金利
i* : 外国通貨建て金利
ste,t 1 ( ste1  st ) : 予想為替相場変化率
 : 為替リ ス ク
マクロ金融特論2014
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内外資産のポートフォリオ・バランス
(需要面)
• ポートフォリオ・バランス需要式の特定化
D  exp  t   (it  i  s
*
t
e
t ,t 1
)
 : 為替リ ス ク に比較し た予想内外収益率格差の
需要に対する 相対的反応度
マクロ金融特論2014
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ポートフォリオ・バランス需給均衡式
• 需給均衡式
Bt
 D(it  it*  ste,t 1 ,  t )
St Ft
Bt
 exp  t   (it  it*  ste,t 1 )
St Ft
両辺を 対数表示する と 、
log Bt  log St  log Ft   t   (it  i  s
*
t
マクロ金融特論2014
e
t ,t 1
27
)
ポートフォリオ・アプローチにおける
金利決定式(1)
• 金利決定式
it  i  s
*
t
e
t ,t 1
1
  Bt
 log 
   St Ft



  t 



• (参照)カバーなし金利平価式
it  i  s
*
t
e
t ,t 1
マクロ金融特論2014
28
ポートフォリオ・アプローチにおける
金利決定式(2)
• 国内資産に対するリスク・プレミアム
it  (i  s
*
t
e
t ,t 1
1
  Bt
)  log 
   St Ft



  t 



• 外国資産に対するリスク・プレミアム
(i  s
*
t
e
t ,t 1
 Bt
1

)  it   t  log 
 
 St Ft
マクロ金融特論2014





29
内外資産のリスク・プレミアム
• 為替リスク
• 内外資産供給残高
↑
ポートフォリオ・バランス需要とポートフォリ
オ・バランス供給の相違
マクロ金融特論2014
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ポートフォリオ・アプローチにおける
為替相場決定式
• 為替相場決定式
log Bt  log St  log Ft   t   it  it*  (log Ste1  log St )
bt  st  ft   t   it  it*  ( ste1  st )

1
st 
i  it  s  
 bt  ft  t 

1 
1 
*
t
e
t 1
• (参照)カバーなし金利平価
st  it*  it  ste1
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ポートフォリオ・アプローチにおける
為替相場決定要因
•
•
•
•
内外金利差
将来の予想為替相場
為替リスク
内外資産供給残高
↑
ポートフォリオ・バランス需要とポートフォリ
オ・バランス供給の相違
マクロ金融特論2014
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長期的な財政赤字の効果
• 1980年代の米国の財政赤字の結果、80年
代前半にドル高、80年代後半にドル安。
• 財政赤字の短期的効果⇒金利上昇⇒ドル
高
• 長期的な財政赤字の効果⇒ドル建て債の
累積⇒ドル資産のリスク・プレミアム上昇⇒
ドル安
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