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第3章. 証券会社と証券業務
(1).証券会社の業務
○伝統的業務
• 発行市場関連
– 新規に証券が発行される市場
–①
–②
• 流通市場関連
– 既発行証券が投資家間で売買される市場
–③
–④
• 証券業:金融ビッグバンの中で98年12月か
ら「免許制」から「登録制」に移行
1
①引受業務→引受手数料
– 証券発行体の審査・評価、市場情報の提供・
発行計画の立案、投資家への情報提供(目論
見書)と販売、売れ残りリスクの引き受け
– 企業審査の専門性・リスク負担能力・販売能
力が必要
→日本では従来、大手証券会社が独占、近年
外資系や銀行系証券会社も引受け
2
・株式引受ランキング:日本:2014年
・株式発行手数料率:3.89%
Thomson Reuters
3
・社債引受ランキング:日本:2014年
・債券引受では、株式引受に比べて銀行系証券会社の力が強い
・社債発行手数料率:0.37%
Thomson Reuters
4
・株式引受ランキング:世界:2014年
・株式発行手数料率:2.44%
Thomson Reuters
5
・社債引受ランキング:世界:2014年
・社債発行手数料率:0.40%
Thomson Reuters
6
• IPO業務(Initial Public Offering 新規公開発行)
– 引受業務の一部分(新株発行・売出)
– 新興企業の株式公開増大
→証券会社にとって業務としての重要性増大、新興
企業に関してはIPO後も増資のチャンスが多い
– 通常の引受業務(公開企業の新株発行増資)よりも
深い専門性が必要
→手数料も通常高い
7
・IPO引受ランキング:日本:2014年
・IPO時の株式の発行・売出し手数料率:3.7%
Thomson Reuters
8
・証券発行引受シェア(%):証券会社タイプ別
2014年1-9月期:()内は過去4年平均
株式
社債
IPO
独立証券 41.3%
32.6
(38.8)
58.1
(59)
3.4
(2)
37.7
(51.4)
46.7
(37)
15.9
(10.9)
銀行系
外資系
(43.2%)
41.8
(30.6)
16.9
(25.2)
・銀行系:社債引受で強い、株式引受やIPOも強化
・外資系:社債より株式に強い(大型案件で強み)
9
・引受手数料率2014年1-9月期:()内は過去5年平均
日本
世界
株式
債券
IPO
3.89%
(3.55%)
2.44
(2.42)
0.37
(0.4)
0.40
(0.38)
4.08
(4.23)
3.24
(3.47)
・
・IPOの手数料は上場企業の新株発行手数料より高い
・株式の引受手数料は日本は世界に比べて高い
・歴史的に引受手数料は株式も債券も世界的に低下傾向
・
:1990年:1.6%→2010年代0.4%程度
10
②募集(分売)業務→募集手数料
• 引受証券会社からの委託により新規発行証券の
投資家への勧誘・販売のみを行う。
• 投資信託の販売も募集業務に含まれる
– 投資信託の商品は投資信託委託会社・アセットマネジ
メント会社が作り、販売は各種の金融機関が行う。従
来は証券会社のみが販売。
– 98.12.より銀行・保険による投信販売解禁
– 05.10.より郵便局も投信販売開始
11
%
公募投資信託販売ルート別シェア
/標準
/標準
/標準
/標準
/標準
/標準
/標準
/標準
/標準
/標準
/標準
1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014
証券会社
銀行等
直販
2014年は10月末
投資信託協会「投資信託の販売業態別純資産残高の状況」
12
③委託売買業務→委託売買手数料
• 株式の委託売買手数料の自由化
• 固定手数料(取引所が定める)→94.4.以降大口か
ら手数料自由化始まる→99.10.完全自由化
• c.f.アメリカでは75.5.完全自由化(メーデー)
13
• 日本:手数料自由化による競争激化とネット取引
の普及が同時進行
• →ネット取引による格安手数料の提供、数多くの
ネット証券会社(オンライン・ブローカー)の登場
– 金融は現物のデリバリーが不要なため、ネット取引と
の相性がよい
– 証券は手数料が高いため、特にネット取引の効果大
– ネット証券会社の手数料:売買代金の0.03%~0.1%
– 自由化以前:売買代金100万円で1.15%
• →証券会社の二極化
– ITサービス特化の低価格戦略型
– IT+対面サービスによるアドバイス重視・付加価値提
供型(資産管理型営業)
14
・
株式の委託売買手数料率の推移
%
/標準
/標準
/標準
/標準
/標準
/標準
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
東京証券取引所「東証総合取引参加者決算概況」
15
・
福光・高橋編『ベーシック証券市場論』04年版p.136
日経06.11.18.
16
・データ訂正
1
8
.
6
%
2
6
.
2
2
8
.
8
2
5
.
4
2 下 2 下
4 期 5 期
年
年
度
度
上
上
期
期
日本証券業協会「インターネット取引に関する調査結果」
・
株式の委託売買全体に占めるネット取引の割合は、2006年初
まで急上昇し、その後はほぼ個人取引シェアと連動
17
④自己売買業務
→自己売買益(トレーディング益)
• 株式
– 証券取引所での取引、上場株式の取引所外取引
– 取引所での売買の10~20%が証券会社の自己売買
• cf. 本講義第1章(2)株式の流通市場.株式売買状況
• 債券
– 対顧客取引、業者間(インターディーラー)取引
• 債券取引によるトレーディング収益が大きい
– 2008-13年度の証券会社のトレーディング収益内訳:
– 株式:16%、債券:78%
18
•
•
•
•
•
•
•
•
○取引所での株式売買状況:
2013年部門別
売買比率
保有比率
個人: 28%
:18.9%
銀行: 0.1
: 5.4
事業法人: 1
: 22.3
保険: 0.2
: 5.3
投資信託: 1.5
: 5
外国人: 51
: 30.5
証券会社の自己売買:12.5
: 1.7
19
○債券の流通市場の概念図
業者間市場
証券会社
(ディーラー)A
証券会社
(ディーラー)B
対顧客
取引
投資家:
a
b
c
d
e
f
cf. 外国為替市場での取引構造と同じ、デリバティブの
店頭取引も同じ取引構造
20
◎伝統的業務以外の業務
• P TS(私設取引システム)業務
• cf. 本講義第1章(2)株式の流通市場
• 投資信託業務・資産運用業務
– 通常、証券会社の子会社・関連会社の形態で業務展開
• M&A業務:
• 企業再生ビジネス:
– 経営不振・破綻企業への資本投資・経営改革・事業再
構築を通じて企業を再生し、株式公開・企業売却により
資金を回収する事業
• 証券化業務
• 店頭デリバティブ業務
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・日本のPTSの動向
運営会社名
対象顧客
取引時間
業務開始→停止
マネックス証券(マ 個人投資家
ネックス・ナイター)
17:30-23:59
2001.1→2011.12
インスティネット証 証券会社・機関投
券(ジャパン・クロッ 資家
シング)
8:00-17:00
2001.1→2012.5
カブドットコム証券
個人投資家・証券
会社・機関投資家
18:00-23:59
2006.9→2011.10
SBIジャパンネクス
ト証券(ジャパンネ
クストPTS)
個人投資家・証券
会社・機関投資家
8:20-16:00, 19:0023:59
2007.8→継続中
松井証券(即時決
済PTS)
個人投資家
9:00-12:00, 12:3015:00
2008.5→2011.9
大和証券
個人投資家
18:00-26:00
2008.8→2011.12
野村証券(Chi-X
Japan)
個人投資家・証券
会社・機関投資家
8:00-16:00
2011.7→継続中
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○証券会社のM&A業務
• 企業の買収・合併を専門的アドバイザーと
して支援する業務
– 対象企業の徹底した事前精査due diligence:
事業面・財務面・人事面・税務面・法務面
– 適切な買収価格・合併比率の算定
– 様々な分野の問題点の摘出と解決策の提示
– 対象企業との交渉
– 法的手続きの遂行
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○日本企業関連M&Aアドバイザリーランキング:2014年
・M&A仲介手数料率:1.18%
Thomson Reuters
24
・日本企業関連主要M&A案件:2014年1月~9月
ランク 被買収企業
買収企業
金額
被買収側アドバイ
ザー
買収側アドバイ
ザー
1
ビーム社(米)
サントリー・ホー
ルディングス
16161
億円
センタービュー
パートナー/クレ
ディスイス
三菱UFJモルガ
ン・スタンレー
2
プロテクティブ・
ライフ(米)
第一生命
5852
億円
三菱UFJモルガ
ン・スタンレー
ゴールドマン・
サックス
3
ランバクシー・
ラボラトリーズ
(インド:第一三
共の子会社)
サン・ファーマ(イ
ンド)
4194
億円
ICICI証券/ゴー
ルドマン・サックス
/GCAサヴィアン
グループ
シティ/エバーコ
アパートナーズ/
アーストアンドヤ
ング
4
コノプコ-北米パ ミツカン
スタ・ソース事
業(米)
2187
億円
三菱UFJモルガ
ン・スタンレー/シ
ティ
ゴールドマン・
サックス
5
1883
セルマック(ノル エムシー・オー
ウェー)
シャン・ホール
億円
ディングス(英:三
菱商事の子会社)
ファンズファイナン
ス/カーネギー/
ドイツ銀行
三菱UFJモルガ
ン・スタンレー
Thomson Reuters
25
○世界のM&Aアドバイザリーランキング:2014年
・M&A仲介手数料率:1.19%
Thomson Reuters
26
・証券会社の企業再生ビジネス
日経新聞05.10.07.
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