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Report
Belle実験の電子ー陽電子対消滅でのハドロン生成に
おける破砕関数の研究
東京工業大学 基礎物理学専攻 柴田研究室
博士課程1年 小林慶鑑
Contents
1.
2.
3.
4.
5.
Oct 25, 2010
クォークのハドロンへの破砕 (フラグメンテーション)
破砕関数 とは
Belle実験
Belleのデータの解析
まとめ
Noriaki kobayashi, GCOE colloquium
1. クォークのハドロンへの破砕 (フラグメンテーション)
 
e e  qq  hX
ハドロン
q
e
g
ハドロンとは強い相互作用
h
をする粒子の総称である
(p, n, π …)
•
クォークはカラーの閉じ込
めにより単独で存在せず、
ハドロンとして観測される。
•
最初にできたクォークから
h
破砕過程
(フラグメンテーション) 多数のグルーオンが放出さ
e
q
…
Oct 25, 2010
•
Noriaki kobayashi, GCOE colloquium
れ、さらにそれがクォーク対
に変化する過程が複雑に
絡み合って最終的にハドロ
ンに変わる。この過程は、
破砕過程 (フラグメンテーシ
ョン) と呼ばれる。
2
ジェット
電子-陽電子衝突では、クォークは最終的に
反対方向を向く二つのハドロン粒子群 (ジェット)になる
「カラーの紐」模型
ジェット
e

q
e

•
高エネルギーで反対方向に飛ぶクォーク
対 ( qq )はカラー力線をのばし、ポテンシャル
エネルギーを蓄える。
•
距離が1 fmを超えると、カラー力線に蓄えられる
エネルギーはクォーク対の質量エネルギーより
も大きくなる。このため、より低いエネルギー状
態になるため新たなクォーク対を生成する。
•
各種のハドロンが元の qq を結ぶ線上に多く出
現する。
•
これらが元のクォークに引きずられて反対方向
に集中して放出され、ジェットとして観測される。
q
ジェット
カラー場によるポテンシャル
(  1 GeV/fm )
> 1 fm
R
R
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R
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3
Belle実験で測定されたジェット
e  e  q  q
イベント
Oct 25, 2010
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2. 破砕関数 (Fragmentation Function) とは
クォーク qは単独では存在せず、ハドロン h として観測される
電子-陽電子対消滅
e
電子-陽子深非弾性散乱 にも関係がある
h

*
e

e
q
ハドロン化
*
p
q
q
h
ハドロン化
e  e  h  X
e  p  e  h  X
(Semi-Inclusive)
(Inclusive)
クォーク qとハドロン h を対応づける量が必要とされる
Oct 25, 2010
NPC-meeting
Noriaki kobayashi, GCOE colloquium
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破砕関数 (Fragmentation Function) とは
• 破砕関数とはパートン q (クォーク, 反クォーク, グル
ーオン) がハドロン化したときのハドロンhの運動量分
布関数である
D z 
h
i
• 運動量の保存から次の
条件に従う:


p
h
z 


p 

p: パートンqの運動量
ph: ハドロン hの運動量
h
e

*
1
  dz z D z   1
h
i
h
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0
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q
Dqh z 
q
e

6
電子陽電子対消滅における破砕関数
Process:
e+ e- h X
-
ee
実際の実験では、zはこのように決定される
p h 2 Eh 2 Eh


p
ECM
s
z
h
e
Multiplicity

z~z+dz の間のハドロンhのyield
1 d (e e  hX)


dz
 


2
h
h


z 
e
D
z

D
q q
q
q
2
e
q
q
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3. Belle 実験
Belle実験の目的
1. B中間子崩壊の研究によるCP対称性の破れの観測
Nobel prize at 2008 Kobayashi and Maskawa
2. 多彩なフレーバーを用いた新しいハドロン物理の探求
・非対称衝突型加速器実験
8 GeV Electron beam
+ 3.5 GeV Positron beam
B, D
・非常に高いルミノシティ
電子 (8GeV)

e
Υ(4S)
陽電子 (3.5GeV)

e
ルミノシティ L
Y  L 
Y:単位時間あたりに起こる
反応の回数 [s-1]
σ:反応断面積 [cm-2]
World Record(2009)
Luminosity of 2.11 x 1034 cm-2 s-1
B, D
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2 x 108 B meson pairs
per year
8
Belle 検出器
KEK B-factory
KLM
Mt.Tsukuba
Magnet
KEKB Ring
SVD
電子
Positron
陽電子
Injection Linac
ECAL
~1 Km
Electron
崩壊点検出: SVD
TOF
飛跡・運動量検出: CDC
粒子識別: CDC, ACC, TOF, KLM
エネルギー測定: ECAL
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CDC
ACC
7.24 m (Beam axis) x 7.70 m (diameter
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)
9
4. Belle 実験のデータを用いた解析
今後の破砕関数の解析の準備として、2つのハドロンの不変質量の解析を行って
いる
2つのハドロンの不変質量の解析:
エネルギー保存からハドロンの不変質量 (invariant mass) を解析
M
(E1, p1 )
M 2  ( E 1  E 2 ) 2  ( p1  p 2 ) 2
( E2 , p 2 )
e+ e- → π+ πe+ e- → π +K-, π
Oct 25, 2010
粒子識別は、
・ 電子ーハドロン分離:ECAL, CDC, ACC,
を解析
–K+
TOF
・ ミューオン分離: KLM
・ π , K 中間子の識別: CDC, ACC, TOF
を用いて行う。
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π+ π- invariant mass
K0
K0 → π+ π-

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
f0
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π+ K-, π- K+ invariant mass
K*
K* → π+ KK* → π- K+
D0
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Noriaki kobayashi, GCOE colloquium
D0 → π+ KD0 → π- K+
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5. まとめ
•
ハドロンとは強い相互作用をする粒子の総称である (陽子、中性子、中間子等)。
•
クォークはカラーの閉じ込めにより単独で存在せず、ハドロンとして観測される。
•
電子-陽電子衝突では、対消滅により仮想光子ができ、クォーク・反クォーク対に崩壊し、
反対方向に向かう2つのジェットとなる。
•
生成されたクォークと最終的なハドロンは、破砕関数により対応づけられる。
•
破砕関数とはパートンがハドロン化したときのハドロンの運動量分布を表す関数である。
•
破砕関数は、パートンとハドロンの運動量の比 zで記述できる。
•
Belle実験は電子-陽電子衝突型実験であり、新しいハドロン物理の探求が目的の一つ
である。
•
今回は破砕関数の解析の準備として、Belle実験のデータを用いて π+ π- , π+ K- , π- K+の
?
不変質量解析を行った。
K* → π K
D0 → π K
•
π+ π- の不変質量分布からは、 K0 粒子をのピークが見られた。
•
π+ K-, π- K+ の不変質量分布からは、 K*, D0粒子を見つけることができた。
•
今後、ジェットの運動量軸の相関について解析を行う。
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5. まとめ
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
ハドロンとは強い相互作用をする粒子の総称である (陽子、中性子、中間子等)。
クォークはカラーの閉じ込めにより単独で存在せず、ハドロンとして観測される。
電子-陽電子衝突では、対消滅により仮想光子ができ、クォーク・反クォーク対に崩壊し、反
対方向に向かう2つのジェットとなる。
生成されたクォークとハドロンは、破砕関数により対応づけられる。
破砕関数とはパートンがハドロン化したときのハドロンの運動量分布を表す関数である。
破砕関数は、パートンとハドロンの運動量の比zで記述できる。
クォークとハドロンのスピン関係は、IFF (Interference Fragmentation
Function)によって表される。IFFは、zのみならず生成されたハドロンペアの不変質量に
依存する。
0
Belle実験は電子-陽電子衝突型実験であり、新しいハドロン物理の探求が目的の一つであ
る。
今回は破砕関数の解析の準備として、Belle実験のデータを用いて π+ π- , π+ K- , π- K+の不
変質量解析を行った。
π+ π- の不変質量分布からは、 K0 粒子をのピークが見られた。
π+ K-, π- K+ の不変質量分布からは、 K*, D0粒子を見つけることができた。
?
K* → π K
D →πK
今後、ジェットの運動量軸の相関について解析を行う。
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今後の展望
•
•
•
•
•
•
•
クォークはカラーの閉じ込めにより単独で存在できず、ハドロンとして観測される。
生成されたハドロンはクォークのフラグメントであると理解される。
破砕関数 (Fragmentation Function)とはクォークがハドロン化したときにパートンに対して運動量比
z をもったハドロンをパートンの破砕群中に見いだす確率である。
Belle実験は電子陽電子衝突型実験であり、CP対称性の観測、新しいハドロン物理の探求を目的とする
今回はBelle実験のデータを用いて(π+ π- )、(π K )の不変質量解析を行った。
π+ π- の不変質量分布からは, K0s 粒子を見つけることができた。
π K の不変質量分布からは, K*・ D0粒子を見つけることができた。
K* → π K
D0 → π K
?
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Noriaki kobayashi, GCOE colloquium
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Back Up
•
•
Oct 25, 2010
Basics of CP Violation
Drift Chamber
–
Bete Broho
–
dE / dx
Noriaki kobayashi, GCOE colloquium
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時間配分
•
•
•
•
•
•
Oct 25, 2010
研究の動機
クォークのフラグメンテーション
(3分)
破砕関数 (Fragmentation Function)とは
Belle実験
Belleのデータを用いた解析
まとめと展望
(2分)
(3分)
(2分)
(3分)
(2分)
Noriaki kobayashi, GCOE colloquium
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発表内容
•
研究の動機
•
電子-陽電子対消滅でのクォークのハドロン化
(3分)
•
e+e- 消滅のクォークのハドロン化過程、ハドロンジェットについて
•
破砕関数とは
(3分)
•
破砕関数とは何か、e+e- ->hX過程での破砕関数について
Belle実験
(2分)
•
Belle実験の背景、加速器、検出器について
•
(2分)
•
Belleのデータを用いた解析
•
解析したパイオンの不変質量について
(3分)
•
まとめと展望
(2分)
Oct 25, 2010
Noriaki kobayashi, GCOE colloquium
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ジェット
高エネルギーで逆方向に飛ぶ qq 対
カラー力線
ジェット
e

q
e

R
R
q
ハドロン化
R
R
R
R
ジェット
• 高エネルギーで逆方向に飛ぶ qq 対はカラー力線をのばし、ポテンシャルエネ
ルギーを蓄える
• 力線は、余分に qq の質量をつくりつつ、より低いエネルギーを持つ2つの短
い線に切れていく
• qq 対は運動エネルギーをもつ限りさらに力線をのばし qq 対を生成する
クォークは最終的に反対方向を向く二つのハドロン粒子群 (ジェット)になる
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クォークの閉じ込め
クォークに働く強い力
• クォークはカラー電荷を持ち,強い相互作用をする
• 自然界で観測される粒子状態は、カラーが白色となる組み合わせに限
られる
• 強い相互作用は,グルーオン(膠粒子)によって媒介される
• 強い力はカラー電荷間に働く
• 電磁場と異なり、自己を閉じ込めるような力場を形成する
• クォークと反クォーク間の距離が大きくなると,線形ポテンシャルが働く
電磁相互作用による
クーロンポテンシャル
カラー場によるポテンシャル
(  1 GeV/fm )
カラー力線
R
Oct 25, 2010
R
Noriaki kobayashi, GCOE colloquium
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「多彩なフレーバーでさぐる新しいハドロン存在形態の包括的研究」
世界をリードする素粒子原子核分野の実験・理論研究者が、「ハドロン」という共通のキーワードを
得て結集、その境界領域に新しいハドロン物理学を創成する。
E01(理論研究) QCDに基づく統一的な理解+実験への予言
クォークがどのように質量を獲得し、どのような形態でハドロンに閉じ込められるのかを探る
A01(Bファクトリー)
C01(J-PARC E16)
B01(LEPS)
e–
e+
質量生成機構の解明
e+
e-
q q q q ハイブリッド
g
c, b -クォーク
X
u
c
c
Z
u
u
c
c
テトラクォーク
d
Yb
u
b
b
u
c
c
u u
c c
クラスター
qqqqq
Mqの変化
u, d, s -クォーク
d u
s
u
d


u
s
d u
u
(1405)
原子核
q
q
q
q
多彩なフレーバーと密度を変数とした(マルチ)クォーク物質の豊富なデータ
D01(検出器):将来の加速器増強に向けて必要となる検出器共同開発
破砕関数 (Fragmentation Function)の性質
Fragmentation Functions (FF)
• Fragmentation of a parton i (quarks,
antiquarks, gluons) with energy Ei into a
hadron h with a fractional energy z=Eh/Ei .
h
i
• Similar to parton distribution functions
(PDFs) in the nucleon, but only one sum
rule:
1
D z 
h
dz
z
D

i z   1
h
Oct 25, 2010
2010/10/6
0
NPC-meeting
Noriaki kobayashi, GCOE colloquium
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カラーの閉じ込め
クォーク qに働く力
電磁相互作用による
クーロンポテンシャル
T  min
p
i
n
i
p
i
i
Oct 25, 2010
Noriaki kobayashi, GCOE colloquium
23
Belle実験で測定された2ジェットと3ジェット
3-ジェットイベント
2-ジェットイベント
Oct 25, 2010
Noriaki kobayashi, GCOE colloquium
24
クォークの閉じ込め
クォークのカラー
• クォークは光の三原色に対応する自由度“カラー”を持つ
• カラーは R (R), G (G), B (B) の種類がある
• 自然界で観測される粒子状態は、カラーが白色となる組み合わせに限
られる。すなわち、
バリオン : R, G, B
反バリオン : R, G, B
メソン : R R  GG  BB
R
バリオン
メソン
B
R
G
R
Oct 25, 2010
Noriaki kobayashi, GCOE colloquium
25
Response of PID detectors
Oct 25, 2010
S.Nishida , Software festa 2007
Noriaki kobayashi, GCOE colloquium
26
2010/10/6
Fragmentation function of two unpolarised
hadrons
observed in the same quarkjet
Interference Fragmentation Function H∢1
transversity
parton
hadron
Spin direction of
parton
• Interference fragmentation function (IFF) H∢1 describes the fragmentation
of a quark with transverse spin into a pair of unpolarized hadrons
• IFF depends on z and hadron pair of invariant mass Mh
→ Stduy of two mesons invariant mass is important
27
Oct 25, 2010
Noriaki kobayashi, GCOE colloquium
27
ATC PID
Oct 25, 2010
NPC-meetingS.Nishida , Software festa 2007
Noriaki kobayashi, GCOE colloquium
28
2010/10/6
World data and motivation for precise
FFs
• Most data obtained at LEP
energies,
• At lower CMS energies very
little data available
• 3-jet fragmentation to access
gluon FF theoretically difficult
 Gluon fragmentation from
evolution not yet well
constrained
 Higher z FFs (>0.7) hardly
available
Oct 25, 2010
NPC-meeting
Noriaki kobayashi, GCOE colloquium
29
2010/10/6
Why is fragmentation into two
hadron interesting?
• They can be used for TRANSVERSITY
MEASUREMENT (the relative transverse
momentum of the two hadrons can replace
in single-pion production)
• They reveal SPIN TRANSFER EFFECTS IN
HADRONIZATION (the angular distribution of two
hadrons can be sensitive to the spin of the quark)
Oct 25, 2010
A. Bacchetta -
Noriaki kobayashi, GCOE colloquium
30
14.10.2004

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