真嶋研究室より

Report
放射線標識
(放射性物質、放射線管理区域など)
光と放射線(電子)
光
・電子よりも小さい。粒子性よりも波動性が強い。
・回折・干渉効果のため、集光が困難。
・発振波長:0~10eVの範囲。
・光の吸収は色と関係。光の進入深さの制御困難。
放射線(電子)
・光子よりも質量が大きい。波動性よりも粒子性が強い。
・回折・干渉効果は弱く、集光性に優れる。
・原理的には0~∞ eV、実用的には数k~数MeV。
・電子の吸収は色とは関係なし。主に材料の密度と関係。
・数十k~数百keVの電子の進入深さは数μm~数百μm
で制御可能(例:表面の選択的加工)。
放射線利用
医学利用: 人体内部の撮影、PETを用いたがんの
診断、がんの治療への応用、医療器具(注射針)な
どの消毒。
農業利用: 不妊化による害虫の駆除、作物の品
種改良。
食品利用: 食品の滅菌および殺菌、発芽防止。
工業利用: 非破壊検査、プラスチックや木材の
強化、厚さなどの計測、回路のパターンの焼き付け
(リソグラフィー)、各種材料での穿孔。
環境利用:排煙、排水や汚泥、 PCBなどの処理
芸術利用: X線CT 、ラジオグラフィー(中に何があ
るか開けなくてもわかる)
放射線化学とは?
高エネルギー放射線(イオン化放射線、電離放射線,
10 keV~10 MeV)が物質に照射されたとき、物質中に
起こる化学変化。通常は短時間で終了。
・放射線と物質との相互作用(エネルギーの付与)、
・イオン化や励起(分子・原子・原子核などが外部からエネルギーを得て,初めより高
いエネルギーをもつ定常状態(励起状態)に移ること)、
・ ラジカル(分子が熱・光・放射線などの作用を受け結合が切れて生じ、不安定で反応性が
きわめて大きい原子団)などの中間活性種の生成、
・活性種(高いエネルギー状態に励起され化学反応を起こしやすくなるもの)と物質と
の反応、
・最終安定化合物の生成
水の放射線化学反応の初期過程
一次過程:イオン化と励起の物理的段階、10-16 s程度
以内。
イオン化:H2O → H2O+ + e-s(2次電子、最終的には熱
電子となる)
励起: H2O → H2O*, H2O+ + e-s → H2O*
二次過程:一次過程で生成した正イオン、電子、励起
種などから反応中間体の生成を含む物理化学的段階、
10-8 s程度以内。
H2O+ + H2O → H3O+ + OH
e-thermal (熱電子) → e-aq (溶媒和電子)。
H2O* → H + OH (解離)、H2O (失活)
活性中間体(e-aq, OH, H, H3O+) 。
反応中間体の検出
気体:質量分析法によるイオン種、イオン分子反応の検
出。
液体・固体:ESRによるラジカル種の検出。パルス放射
線分解法、剛体溶媒法。
1) パルス放射線分解法:マイクロ秒からピコ秒の時間内
に反応中間体を生成させ、その反応を直接時間分解観測
する方法。検出は吸収、発光、ラマン、ESR、電気伝導度、
光散乱などがある。
2) 剛体溶媒法(低温マトリックス):有機溶媒を液体窒
素中で急冷すると透明な固体(固溶体、剛性体、非結晶状
態で粘土が極度に大きくなったもの)になる。この状態では
分子運動は制限されているので、放射線照射により生成
する中間体は比較的安定。

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