線形不安定な電子ビーム波の非線形発展と飽和機構

Report
線形不安定な電子ビーム波の
非線形発展と飽和機構
Nonlinear Evolution and Saturation
Mechanism of Linearly Unstable ElectronBeam Waves
1
静大理 山際啓一郎, 2 静大放射化学研 竹田剛、
他多数の協力者(卒業生)
2005年1月5-6日 第7回物質科学研究討論会
電子ビーム・プラズマ系における
線形不安定性の特徴と留意点
*プラズマ周波数より低い周波数領域
電子
で線形不安定である。   pe
ビーム
1/ 3
*線形成長率は高い。 (Im)max  (nb / n0 ) pe
Reactive instability > Landau growth
プラズマ
“negative dielectric constant”
*微小な摂動の線形から非線形までの現象を容易に観測できる。
*解析的な理論の構築は難しい?
ビームの速度分布関数の変化、波ポテンシャルによる捕捉効果
*実験では電子ビームによる電離現象を避けなければならない。
・実験は、ガス圧力 p < 10-4 Torrでなければならない。
[条件] 電子ビームの自由行程 l = 1/s(E)ng >> L(現象に関係する長さ)
s(E) : 密度ngのガスに対するエネルギーEのビームの電離断面積
・電子ビーム入射はパルス駆動が望ましい!
報告内容

電子ビーム不安定波について:線形特性

関連文献

本研究のねらい

実験装置

非線波動現象の観測
(1) 波束列の観測 (A)自然励起波、(B)単一バースト波の振舞い
(2) ビーム分布関数 捕捉現象と位相空間ホールの観測
(A)干渉法による非線形発展の観測と分布関数
(B)バースト波の非線形発展と位相空間ホール

まとめ
電子ビーム・プラズマ系における線形分散関係
冷たい
電子
ビーム
i  0.1
プラズマ
Langumuire wave
k を実数としたとき amplified insta.
Max(i )  31/ 22-4 / 3 (nb / n0 )1/ 3pe
:at
   pe
(nb/n0)=10-3 で i  0.1pe
ポイント
短時間
☆ 成長率が高い → 非線形現象
☆ 実時間で高速の波変化と
ビームの速度分布を観測
関連文献
Briggs R. J., “Two-Stream Instabilities” in Advance in Plasma Physics, Edited by A. Simon
and W. B. Thompson (Interscience, Publisher, New York, 1971) Vol. 4, p. 43.
Goldman M. V., Rev. Mod. Phys., 56, 709 (1984).
O’Neil T. M. and Winfrey J. H., Phys. Fluids 15, 1514 (1972)
Mizuno K. and Tanaka M., Phys. Rev. Lett. 29, 45 (1972).
Gentle K. W. and Lohr J., Phys. Rev. Lett. 30, 75 (1973) ; Phys. Fluids, 16, 1464 (1973).
Wong A. Y., and Cheun P. Y., Phys. Rev. Lett., 52, 1222 (1984) ; Cheun P. Y. and
Wong A. Y., Phys. Fluids 28, 1538 (1985).
Intrator T., Chan C., Hershkowitz N. and Diebold D., Phys. Lett. 53, 1233 (1984).
Yajima N. and Tanaka M., Prog. Theor. Phys. Suppl. 94, 138 (1988).
Akimoto K., Omura Y. and Matsumoto H., Phys. Plasma 3, 2559 (1996).
Yamagiwa K., Itoh T. and Nakayama T., J. Phys IV France 7 (1997) C4-413, Invited
Papers, XXIIIrd ICPIG (1997), Toulouse.
Takeda T. and Yamagiwa K., J. Plasma Fusion Res. 79, 323 (2003) and to be published in
Proc. 13th Toki Conference (2003).
本研究のねらい

電子ビーム・プラズマ系の不安定性について、線形から非線形への
発展過程で生じる時空の局在構造とその特徴を明らかにする。
非線形波動の飽和機構の解明 → ビームの速度分布関数
電子の応答時間で観測
本報告では、

電子ビーム不安定波の非線形発展に伴う波束列の発生とその特徴

テスト電子ビーム波の空間発展とビームのエネルギー分布関数

テスト波束の成長に伴って発生する電子ビームの位相空間ホールの
非線形発展を紹介して、非線形過程では
波のポテンシャルによる電子ビームの捕捉効果が無視できない
ことを示す。
電子ビーム・プラズマ装置1
プラズマ・パラメーター実験[1]
[1](A)電子ビーム不安定性の実時間観測
Yamagiwa et al. ICPIG 1997 Toulouse.,
波束列の観測(実時間データ)
時間軸を16倍拡大
Time
波束の平均幅と自己相関
実時間データ
自己相関と相関幅
波束の幅Dt と ビーム密度nb/n0
波束の幅は成長率の
逆数に比例
Dt  (i )max
-1
ここで、
(i )max  (nb / n0 )1/ 3pe
[1](B)単一バースト波束の入射と波束列の発生
線形から非線形への発展
単一波束から波束列へ発展する新しい不安定性の存在
波束数N と ビーム密度nb/n0
実験1 の矢島・田中理論による説明
Yajima N. and Tanaka M., Prog. Theor. Phys. Suppl. 94(1988) 138
Nonlinear Schrödinger eq. with beam effect
線形成長 → 非線型飽和領域で波束列を放出して安定化
envelope
isech(it)
前記の実験と矛盾しないが. . . .

最近の実験データからは懐疑的?
ビームの速度分布が大きく変化
← 波ポテンシャルの捕捉効果が 無視できない
[2](A)スイッチング回路を使った過渡現象の観測
ビーム駆動信号
テスト波信号
プローブ電流
干渉計出力
干渉法によるテスト波の観測と線形分散関係
干渉波形
分散関係
k vs 
包絡波形の特性
干渉波形包絡の空間特性
a
電子ビームのエネルギー分布関数A:テスト波励起
波による捕捉効果
か?
↓
電子ビームのエネルギー分布関数B:テスト波なし
波による捕捉効果なし
↓
波による電子ビーム捕捉
自由電子と捕捉電子の境界とな
るセパラトリックスは、
v - vf   2(1  sin(kz' ))t / k
で記述できる。ここで、vfは波の位
相速度、tはバウンス周波数、z’
は波と共に移動する座標系。この
とき最大となる速度半径Dv(=v vf)は、
Dv  2t / k ( 2 ef / m )
で表される。ただし、fはポテン
シャルの振幅。
Diagram of electron-beam trapping.
波が電子ビーム・モードである場合
自己捕捉
[2](B)電子ビーム・プラズマ装置2
Experimental apparatus. Cylinder chamber sizes are 0.26 m in
diameter and 1.2 m in length.
探針プローブとエネルギーアナライザー
Coaxial probe and energy
analyzer. The coaxial probe
detects potential perturbations.
The analyzer derives phasespace distributions.
Construction of energy
analyzer. The analyzer consists
of a discriminator and a
collector shielded against
electric fields.
高速観測システム
• テスト波を用いた同期
システムにより観測
• アナライザー信号は低周波
帯域と高周波帯域に分離
• 分離されたビーム信号デー
タはPC上で合成
波信号, アナライザー信
号の時間分解能は 1ns
プローブ, アナライザーの
位置は40cmを128分割
Block diagram of
experimental
observation system.
プラズマ・パラメーター実験[2]
Table: Typical parameters
Ar gas pressure
2.8  10-5 T orr
z - axial magnet icfield
P lasma- electrontemp.
0.01T
 0.8 eV
P lasam - electrondensit y
ne  1  1014 m-3
Elect ron- plasma freq.
pe / 2  90 MHz
Beam - electrondensit y
nb / ne  0.3 %
Elect ron- beam velocity
vb  4.2  106 m/s
Initialbeam spread
 0.05vb (FWHM)
Elect roncyclotronfreq.
 3.1pe
Ion - plasma freq.
 3.7  10-3 pe
Defined wave number
k0  pe /vb  135rad/m
実験結果a
•波束の励起初期から、位相
速度付近にホールが発生
(→捕捉の始まり)
•波山とホールは同位相かつ
両者の発展に相関性
•ホールの崩れ(→脱捕捉)
特に、v >vfで顕著
•バンチングの存在(→低電場
でのビームの局在化)
Figure A wave packet
and electron-beam
holes in the time
period from pet = 86
(d) to 113 (l). Here
vf~0.92vb, vg~0.90vb,
k~1.05k0, r~0.97pe,
i~0.062pe
実験結果b: aの拡大図
k0z = 52
k0z = 52
実験結果c
• プロットはDv2∝f(直線)に一
致する
• 波束の線形成長過程では、
バウンス周波数は波束の成長
率(破線)を超えられない
• 波束の飽和過程においては、
超えられる(成長率がほとんど
ゼロであるため)
• ポテンシャルの最大振幅は
6.0x10-3fb、このときのバウン
ス周波数は5.8x10-2pe(捕捉
周期は108/pe)
Figure Dependence of the hole velocity
radii Dv/vb on the packet crest
amplitudes in linear growth (dots) and
saturation (circles) processes.
実験2のまとめ


ビーム・モードの波束の時間発展とビームの速度分布関数を
観測した。
波による捕捉効果によりホールがダイナミックに時間発展
 波束の励起初期
・・・ 位相速度付近で発生
 波束の線形成長過程 ・・・ 速度半径の増大



→ ビームの脱捕捉はない
波束の飽和過程
・・・ 崩れの始まり (v >vf)
→ ビームの脱捕捉の始まり
ホールの速度半径の二乗が波束の振幅に比例
ビーム・バンチングの存在
全体のまとめ
★ 線形不安定な電子ビーム波はいつまでも成長するわけではなく、非線
形的に飽和し、波束列を放出しながら安定化する。
-1
-1
★ 波束構造の幅は線形成長率の逆数に比例する。(Dz  ki , Dt  i )
飽和振幅は成長率に依存 しない.
★ 電子の応答時間で観測した電子ビームの速度分布を位相空間に
mappingした結果から、波のポテンシャルによるビームの捕捉効果
は位相空間上のホールとして現れ、飽和領域で明瞭になる。
★ 観測した電子ビームのホールの大きさに関するスケーリングは捕捉効
果で知られている separatrix の大きさに一致する。
Dv  f
★ 入射電子ビームの密度、速度、テスト波束の時間幅を変えたさらなる
観測が必要である。

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