PPT - 鳥取大学

Report
タスク試行対話のための情緒推定
- - - 勧誘の場合
第7回 LACE 研究会
2002年11月30日-12月1日
徳久雅人 (鳥取大学)
岡田直之(九州工業大学)
はじめに
• 情緒に配慮したタスク指向インタラクション(対
話)
– 教育支援 [Elliott99]
– 医療説明 [Rosis00]
– プレゼンテーション [André00]
生徒の意欲
治療への理解
親しみやすさ
対話相手の情緒を推定することは重要
言語理解による相手の情緒推定が実現できていない
本研究のねらい
• 目的
– 対話から相手の心的状態を理解して,
相手に生起している情緒を推定する
• 背景
– 情緒生起の過程は、ある特定の心的状態を
判定するパターン理解の過程である
• 課題
– 対話文から心的状態が得られるか?
• 心的状態の注釈つきコーパスの構築とルール化
– 推定結果が対話処理に有効か?
• タスクへの制約・割り込み条件として応用
心のモデル
知能エージェント・身体
心
言語
情緒
記憶
欲求
プラン
認識
行動
知覚器
効果器
主人公の行動を再現
[Okada00]
情緒生起サブシステム
[徳久&岡田98]
情緒生起の過程は、ある特定の心的状態を判定する
パターン理解の過程
喜び
生理的
悲しみ
・・・
8つの基本情緒
心理的
・・・
目標実現
情報収集
内的
な快
生理
思惑
通り
目標
計画
発見
・・・
プラン
対人関係
実行結果
完遂
123種の
情緒生起の原因事態の特徴
・・・
獲得
・・・
照合
行動
エピ
ソード
…
知能エージェントの
心的状態
情緒推定のイメージ
システムの中のユーザ
心
言語
情緒
情緒
記憶
欲求
プラン
認識
行動
知能エージェント・身体
心
言語
知覚器
効果器
情緒
記憶
欲求
プラン
認識
行動
知覚器
効果器
対話システム
対話
ユーザ
言語理解による情緒推定
学生A:「今日の英語の試験は中止になったんだ。」
学生A: 「今日の英語の試験は中止になったんだ。」
多くの学生は喜ぶ (デフォルトの p/n )
学生A: 「徹夜で勉強したんだよ。」
if
努力が無駄になって悲しんでいる
then
目標がある
無駄による悲しみ
プランがある
努力する
対話に明示されない
プランが中止になる
心的状態がある
発話から情緒生起の要因となる心的状態を
推論するルールベースが必要
情緒推定過程の注釈つきコーパス
人間が対話文から情緒を推定する過程を注釈で記述
• 児童が理解できる程度の勧誘の対話文
• 勧誘者の立場から、被勧誘者の情緒を推定
イソップ物語「ありとキリギリス」より
1キリギリス
:
2あり
3キリギリス
:
4あり
5キリギリス
:
6あり
7キリギリス
:
8あり
9キリギリス
:
勧誘者:あり,被勧誘者:キリギリス
アリさん,アリさん.
おや,キリギリスくん,どうしたの
アリさん,僕,食べるものがなくって困ってるんだ.
冬になるまで食べ物を集めなかったの?
そうなんだ.あぁ,寒くて死にそうだ.
お家の中に入るかい?
いいの?
いいよ.どうぞ,中へお入り.
ありがとう,アリさん.
注釈
• 注釈の種類
– 心的状態 (12種類)
• 生理、欲求、情緒、目標、プラン、予測、評価、
記憶、認識、行動、言語、信念
• 注釈の表記
[識別子、心的状態の種類、内容、属性、推論根拠、確信性]
例 [gl01.1, 目標, 空腹を満たす, 設定, [ds01.1], c]
推論の根拠となった注釈
の識別子を列挙
コーパス作成者の
推論の形跡
コーパスの例
作成者:A
物語:ありとキリギリス,勧誘者:あり,被勧誘者:キリギリス
1)
2)
3)
4)
2あり:おや,キリギリスくん,どうしたの?
[sa02.1,信念-発話行為,プランの質問,[],[],p]
3キリギリス:ありさん,僕食べるものがなくて困ってるんだ.
[sa03.1,発話行為,認識の伝達,[],[],c]
[cg01.1,認識,食べ物がない,[],[sa03.1],c]
[ph01.1,生理,空腹,高い,[cg01.1],c]
[ds01.1,欲求,摂取,生起,[ph01.1],c]
[gl01.1,目標,空腹を満たす,設
定,[ds01.1],c]
[em01.1,情緒,悲しみ・内的な不快,生起,[ph01.1],c]
[em02.1,情緒,悲しみ・無計画,生起,[gl01.1],c]
–これらの心的状態は以後の対話に持ち越していく
ルールベースの構築
(1) if-then ルールの原形の作成
(2) 内容の変数化
(3) ショートカットの分解
生理:空腹
欲求:食物の摂取
生理:喉の渇き
欲求:潤い
事例集
----[ph01.1,生理,空腹,高い,[cg01.1],c]
[ds01.1,欲求,摂取,生起,[ph01.1],c]
-----
if
[ID1,生理,空腹,高い,c]
then
if [ID2,欲求,食物の摂取,生
[ID1,生理,Physio,高い,c]
起,c]
then
[ID2,欲求,Desire,生起,c]
if
[ID1,生理,喉の渇き,高い,c]
then [ID2,欲求,潤い,生起,c]
作成例(一部)
分類
#
if
then
欲求
Rds001
[ID1,発話行為,欲求の伝達,c]
[ID2,欲求1,Desire,生起/解
消,c]
Rdc001
[ID1,生理,Physio,悪い,CP],
no[ID2,欲求,Desire,生起,_]
[ID2,欲求1,Desire,生起,CP]
Rgc003
[ID1,プラン,Plan,候補/採用,CP],
no[ID2,目標,Goal,設定,_]
[ID2,目標,Goal,設定,CP]
[ID1,プラン,Plan,候補/不採用,CP1],
[ID2,評価,EvalInfo,良い,CP2]
[ID1,プラン,Plan,採用,CP],
{CP = CP1 and CP2}
Rpo002
no[ID1,プラン,_,_,_],
[ID2,信念-要求プラン,Plan,採用,CP]
[ID1,プラン,Plan,採用,p],
[ID2,プラン,Plan,候補,CP]
評価
Rec001
[ID1,プラン,Plan,NotCanceled,CP1],
[ID2,予測,Pred,_,CP2]
[ID3,評価,EvalInfo,_.CP],
{CP = CP1 and CP2}
認識
Rcc001
[ID1,信念-認識,Cognition,_,_]
no[ID2,認識,_,_,_]
[ID2,認識,Cognition,_,p]
目標
プラン Rpc021
・・・
・・・
・・・
・・・
コーパスとルールの作成結果
6対話(64ターン)の分析結果
発話行為の注釈数
心的状態の注釈数
情緒状態の注釈数
合計
心的状態の推論ルール
224/232個
97%
A者
101個
94個
37個
232個
89規則
B者
101個
107個
56個
264個
244/264個
93%
両者の一致数
32個
推定実験
• A者のコーパスを全て再現するようルールを修正
129規則を実装
• 発話行為と直接得られる心的状態を入力
• 対話文に明示されていない心的状態を推論
(オープンテストの際、世界知識は与えて良い)
• 情緒を推論
144規則を実装
発話文
(発話行為+心的状
態)
ルールベース
心的状態の
推論ルール
情緒生起の
推論ルール
情緒
実験結果
クローズドテストの結果
再現率 適合率
心的状態 100.0% 75.0%
100.0% 52.5%
情緒
情緒の過剰推論の結果は
人間が見て同意できるもの
オープンテスト結果
再現率 適合率
心的状態 91.1% 62.1%
58.3% 31.8%
情緒
B者による新3対話(36ターン)
のコーパスと比較
• ルール不足
• コーパスのミス
• ルールの適用選択
対話処理への応用
タスク指向対話における情緒の役割
–
タスク遂行への制約条件
対話システムの発話で、相手を不快にさせたくない
–
タスクの順次実行に対する割り込み条件
情緒的な効果のあるサブタスクを優先したい
勧誘タスクの定義
[知的]
談話モデル
[情緒的] 情緒状態についての制約
情緒的目標による割り込み
勧誘の談話モデル
• 知的なモデル
• 典型的な談話
展開順序を表す
勧誘
詰めの交渉
仮に受諾
拒否
start
目標説明
end
強い説得
要求プランの説明
start
end
プラン採用の要求
…
発話行為
要求プランの 評価の伝達
伝達
階層的ネットワーク
• 状態遷移ネットワーク
による柔軟な談話展開 [Aust95]
• 階層による目標構造 [Litman87]
勧誘の制約条件
プラン模擬によって対話者に生起する情緒を予測


対話相手にやさしい発話をする
→ 対話相手の情緒を推定
対話相手の情緒
評価値
快のみ
なし
快と不快
不快のみ
3点
2点
1点
0点
評価基準:
「相手の情緒性」
基本情緒の順位付け
喜び > 好ましい > 期待 > 嫌だ > 悲しみ > 恐れ > 怒り
勧誘における情緒的目標
寓話における勧誘の場面(32対話)を分析
• 談話モデルとずれる箇所の情緒よりルール化
• 合計 7 個の情緒反応を得た
情緒生起の原因
勧誘者の情緒
勧誘者の情緒反応
被勧誘者は危険性の
高いプランを持つ
仲間負傷の恐れ
被勧誘者プランを止め
させる
被勧誘者は正当な理
由なしに勧誘者プラン
を拒否した
反対による怒り
拒否による不利益を
伝える
被勧誘者は勧誘者プ
ランと異なるプランを
採用した
非協力による悲しみ
被勧誘者プランを止め
させる
談話プランニングの様子
平常時
主目標:勧誘
副目標:目標説明
勧誘
目標説明
詰めの交渉
---
プラン採用の
要求
トップダウンでプラン生成
強い説得
---
---
不具合
の理解
---
評価の
説明
談話プランニングの様子
情緒生起
仲間負傷による恐れ
勧誘
目標説明
ジャンプ
詰めの交渉
---
プラン採用の
要求
目標設定部
情緒的目標:
「相手プランを止めさせる」
強い説得
---
---
不具合
の理解
---
評価の
説明
トップダウンでプラン生成
実装
375個のマルチエージェントで実装
対話システム
言語
表層解析部
情緒・性格
生起部 推定部
欲求・本能
生起部
表層生成部
記憶・学習
事例ベース部
企画・創造
目標設定部
プラン生成部
模擬部
評価部
認識・理解
行動・表現
ユーザの発話
システムの発話
実験
制約条件の効果
場面設定
1A: 一緒にお風呂に入ろう。
2U: いやだね。
3A: どうして?
4U: 遊ぶんだ。
5A: お風呂は気持ちいいよ。
候補1: 勧誘者プランの良い評価の伝達
(「お風呂は気持ちいいよ。 」)
候補2:被勧誘者プランの放棄の交渉
(「遊ぶのを止めて。」)
候補3:被勧誘者プランの悪い予測の伝達
(「おもちゃ捨てちゃうよ。」)
候補4: 勧誘者プラン採用の要求
(「一緒にお風呂に入ろう。」)
「一緒にお風呂に入る」という
プランに相手を勧誘する
評価基準:「相手の情緒性」
模擬された相手の情緒
評価値
《立案による喜び》
3
《強制による怒り》
0
《注意事項による恐れ》
0
なし
2
評価基準の変更
場面設定
1A: 一緒にお風呂に入ろう。
2U: いやだね。
3A: どうして?
4U: 遊ぶんだ。
5A: 遊ぶのを止めて。
候補1: 勧誘者プランの良い評価の伝達
(「お風呂は気持ちいいよ。」)
候補2:被勧誘者プランの放棄の交渉
(「遊ぶのを止めて。」)
候補3:被勧誘者プランの悪い予測の伝達
(「おもちゃ捨てちゃうよ。」)
候補4: 勧誘者プラン採用の要求
(「一緒にお風呂に入ろう。」)
「一緒にお風呂に入る」という
プランに相手を勧誘する
評価基準:「しつけ」
模擬された相手の情緒
評価値
《立案による喜び》
0
《強制による怒り》
3
《注意事項による恐れ》
3
なし
2
情緒的目標の効果
1U: こんにちは。
2A: やあ。
3U: どこに行くの?
4A: 橋の下に魚を捕りに行くんだ。
5U: ふうん。
6A: どこに行くの?
7U: 喉がカラカラなので、
館の池に水を飲みに。
8A:館は危ないよ。
被勧誘者のプランに対する評価:
危険性高い
《仲間負傷による恐れ》生起
→副目標:
プランを止めさせる
→勧誘のタスクモデルの中から
「被勧誘者プランの放棄の交渉」
という話題が選ばれる
おわりに
• まとめ
– 対話に明示されない情緒を推定する方法を示した
• 対話相手の心的状態と情緒生起の特徴を照合
• 人間が相手の心的状態を抽出する過程をコーパス化
• 客観性のあるルールベースを構築 ⇒ 妥当性評価
– 対話処理に情緒を応用した
• 情緒を、タスク遂行の制約条件/割り込みと位置づけ
• 上記を実装し、狙い通りの対話生成を確認
• 今後の課題
– 知識の増強
– 推論制御
喜び:現状態は前状態よりも好都合である
生理的
○内的な快,○外的な快
目標実現
心理的
情報収集
○思惑通り,○判明,○発見
計画
○立案
実行結果
○獲得,○完遂,○有効
仲間意識
○同意,○同感
○協力,○仲直り
優劣関係
○優越,○賞賛,○服従
○保護,○厚遇
対人関係
発話行為
行為の種類 行為の内容
質問
伝達
生理, 欲求, 情緒,
確認
目標, プラン, 評価,
予測, 記憶, 認識
肯定
否定
要求
受諾
プラン,行動
拒否
その他
始めの挨拶、終わりの挨拶など
1. 心的状態を中心とした範囲
2. タスク(勧誘)に向けた発話行為
3. その他
勧誘の制約条件
プラン模擬によって対話者に生起する情緒を予測
• 対話相手に厳しく発話をする
対話相手の情緒
快のみ
なし
快と不快
不快のみ
評価値
0点
1点
2点
3点
評価基準:
「相手の情緒性」
「しつけ」
喜び < 好ましい < 期待 < 嫌だ < 悲しみ < 恐れ < 怒り

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