微小粒子状物質(PM2.5)

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屋外の測定では、PM10のうちPM2.5が占める割合は50〜70%。
工業地帯ほど、PM2.5の割合が高い。
10μmの粒子の沈降速度は3mm/s(100秒で30cm沈降)と速いため、
室内に浮遊している粒子状物質の大半はPM2.5
人体に吸入され得る最大粒径
砂粒:100μm
毛髪:
70μm
花粉:30μm
PM10:土埃など粒径約10μm以下
RSP:浮遊粉じん、約7μm以下
(日本の室内空気環境測定)
PM2.5:粒径2.5μm以下
タバコ煙:0.1〜1.0μm
北京市内のPM2.5
PM2.5:草木、石炭、石油の燃焼から発生
米国環境基準
35μg/m3
左の写真が曇っているのは、粉じんが光を乱反射しているため。
工業の発展による工場排煙の増加、急増する自家用車の排気ガス
家庭の暖房、調理に使用される石炭から粉じんが発生。
在中国日本国大使館HPより転載
空が青く、雲が白い理由 光
の
三
原
色 B
0.4μm
太陽光線
色
の
三
原
色
R
G
0.5μm
0.6μm
0.7
光は波長よりも大きな粒子があると遮られ
る。
高空の微粒子で波長が短い青い光の
一部が乱反射するため、空は青く見える。
波長の長い緑〜赤の光はすり抜ける。
雲の粒子は光の波長よりも大きいので、
全ての波長の光を反射して白く見える。
黄昏、夕焼けという現象
光
の
三
原
色 B
0.4μm
太陽光線
赤+緑=黄昏
赤のみ通過
夕焼け
青の一部が
上空で乱反射
青空
R
色
の
三
原
色
G
0.5μm
0.6μm
0.7
夕方、大気を通過する距離が長く
たそがれ
なると青い波長はすべて乱反射し
、
残りの波長が届く=赤と緑の混色
=黄色になる(黄昏)。
さらに、緑の波長も届かなくなり
、赤い波長のみが通過して夕焼け
となる。
副流煙は紫〜青に見え、
吐出煙は白く
なる理由
光
の
三
原
色
色
の
三
原
色
0.4μm
0.5μm
0.6μm
0.7
副流煙の直径は
0.1~0.4μm
青い波長の光を反射
吐出煙は肺内で
水分を吸収、
2倍ほどに膨張
全波長の光を反射
100nm=0.1μm
室内の測定は、浮遊粉じん(RSP:約10μm以下)と
微小粒子状物質(PM2.5)の測定結果はほぼ同じ
浮遊粉じん(RSP)測定器
(柴田科学、LD-3K、PDS2)
PM2.5測定器
(TSI,AM510)
微小粒子状物質(PM2.5)に基づく
室内環境基準の設定要望と最新のデータ
微小粒子状物質(PM2.5)と浮遊粉じん(RSP)
 室内のPM2.5とRSPの併行測定の結果はほぼ同じ
 PM2.5のWHO空気環境評価基準は25μg/m3
 中国から飛来するPM2.5濃度は数十μg/m3
 わが国のRSP評価基準(0.15mg/m3)は高すぎる
 受動喫煙はPM2.5曝露
 飲食店等のサービス産業の職業的なPM2.5曝露
 室内RSP評価基準の引き下げの必要性
 PM2.5による粉じん曝露評価の必要性

WHO Air Quality Guidelines. Global update 2005
年間曝露で人体に影響のない濃度:PM2.5として10μg/m3以下
年平均
暫定目標1
暫定目標2
暫定目標3
指針値
PM10
PM2.5
(μg/m3)
(μg/m3)
70
50
30
20
住民への健康影響
35
PM2.5として35μg/m3以下:
住民の死亡率が指針値
(10μg/m3以下)より15%上昇
25
PM2.5として25μg/m3以下:
住民の死亡率が暫定目標1よりも
6%減少する
15
PM2.5として15μg/m3以下:
住民の死亡率が暫定目標2よりも
6%減少する
10
PM2.5として10μg/m3以下:
心臓・呼吸器系疾患、肺癌による
住民の死亡率が上昇しない
WHO Air Quality Guidelines. Global update 2005
24時間曝露で人体に影響のない濃度:PM2.5として25μg/m3以下
PM10
PM2.5
(μg/m3)
(μg/m3)
暫定目標1
150
75
住民の死亡率が5%上昇する
暫定目標2
75
50
住民の死亡率が2.5%上昇する
暫定目標3
50
37.5
住民の死亡率が1.2%上昇する
指針値
20
25
24時間平均
住民への健康影響
住民の死亡率が上昇しない年平均値
と24時間平均値の関係に基づく濃度
環境省 2009年9月9日告示
微小粒子状物質(PM2.5)に関する基準
値
3

1年平均値が 15μg/m 以下であり、かつ、
1日平均値が 35μg/m3 以下であること。
偏西風、季節風に乗って日本へ、数十μg/m3
沖縄県HPより転載
在中国日本国大使館HPより転載
日本の室内の浮遊粉じん濃度の基準値(0.15mg/m3)は高すぎる(甘い)
「室内環境と健康」の歴史的回顧ー室内環境基準値の誕生ま
でー 入江建久
2007年 Vol.10 No.2
昭和40年代に定められた
室内の環境基準は、
当時の公害防止を目的
とした環境基準を参考に
決めた値で、現在の日本
に当てはめるべきではない
室内環境
日本のサービス産業の
受動喫煙は危険なレベル、
微小粒子状物質(PM2.5)濃度が
WHO基準の15~20倍
全席喫煙の喫茶店=371μg/m3
屋外
店内平均PM2.5濃度
371μg/m3
屋外
アジア7ヵ国、サービス産業の受動喫煙比較で最悪
Secondhand smoke exposures in indoor public places in seven Asian countries(Int J Hyg Environ Health. 213, 348-351, 2010)
中国
③インド
①日本
②韓国
マレーシア
パキスタン
スリランカ
受動喫煙防止法のない国は全て高濃度
日本のサービス産業のPM2.5濃度は幾何平均濃度:135μg/m3、ワースト1
WHO Air Quality Guidelines (24hの基準値:25μg/m3)より6.4倍高い危険なレベル
規制対象の大型店舗(100m2以上)で「分煙」を
選択した店舗では、エアカーテンがあっても効果なし
喫煙席
禁煙席
ガラス壁で喫煙席を分離、
出入口にはエアカーテン
横浜市、カフェ:
排気風量が不足&自動ドアで
隔離しても漏れを防止できず。
喫煙室に閉じ込めると内部は劣
悪。
PM2.5最高:700μg/m3
自動ドア
喫煙席
禁煙席
飲食店等:短時間しか滞在しない利用者よりも、
毎日数時間を過ごす、従業員の受動喫煙(PM2.5曝露)こそ
深刻な問題
喫煙区域
禁煙区域
胸元に
センサー
接客時の受動喫煙
吐出煙
副流煙
神奈川条例で全席禁煙化、従業員の受動喫煙もゼロ
改装前後の同じ場所
&従業員の個人曝露
を測定
WHO国際がん研究機関(IARC)は、
タバコ煙の64種類の発がん性物質を特定
(2004)
国道2号線沿い、神戸市内のPM2.5は受動喫煙が
なければ10μg/m3以下の良好な状態(2012年7月)
喫煙コーナーから風下への拡散、路上の受動喫煙
風下18メートル
風下25メートル
50
25
14:56
0
14:51
35μg/m3(24h)
14:46
②「屋外よりも低い濃度」
風下11メートル
14:41
引き下げの基準案
①環境省基準:15μg/m3(年間)
風下4メートル
75
14:36
微小粒子状物質(PM2.5)濃度(μg/m3)
100
微小粒子状物質(PM2.5)に基づく室内環境基準の設定要望
 わが国の室内空気基準は昭和40年代の大気汚染を防止す
るための環境基準に基づいて設定されているため、測定
対象粒子も基準値も現状にあわない
日本:室内環境 (1972)
日本:環境省 (2009)
WHO: Air quality guidelines
(2005)
測定対象
基準値
浮遊粉じん(RSP)
(約10μm以下)
0.15mg/m3 =150μg/m 3
測定対象
年平均
24時間
PM2.5
15μg/m 3
35μg/m 3
PM2.5
10μg/m 3
25μg/m 3
室内空気環境についても環境省と同様、PM2.5による測定とその基準
値の採用(もしくは、「屋外よりも低い濃度」という評価基準)が望
ましい。
室内環境に関しては、従来のRSP用の粉じん計を用いてもほぼ同じ結

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