ppt - 岐阜大学

Report
土性を考慮した
灌漑開始点の検討
水利環境学研究室
伊井 江里奈
1/11
背景・目的
我が国における畑地灌漑の目的
作物生産に必要な水を供給し安定した収量を得る
水の不足は根の吸水を抑制
収量の減少
畑地計画基準
推奨する灌漑開始点
生長阻害水分点
pF3.0
(103cmH2O)
土壌水の移動性が低下
作物の吸水が阻害される
小
湿潤
pF値
土壌
大
乾燥
pF3.0を灌漑開始点とする用水計画を定めている
しかし、土性は多様
2/11
灌漑開始点をpF3.0に定めてよいのか?
実際にpF3.0で吸水阻害を起こすか確認する必要がある
実験土壌:水田土、黒ボク土
水田土:転換畑の増加により畑地土壌としての利用が増加
黒ボク土:日本において代表的な畑地土壌
実験項目
吸水阻害を起こす土壌水分量を調べる
①秤量法による蒸散量の算出
(7/15~8/6,10/29~12/28)
②茎熱収支法による茎内流量の連続計測
(11/16~12/28)
根の分布を調べる
土壌深さごとに根の乾物量を計測
3/11
4/11
土壌の物理性
粒度組成
80
0
5.0
水田土
66.0
4.0
黒ボク土 50.4
pF 3.0
値
2.0
42.8
( )
質
量60
百
分
率40
%20
土壌水分特性曲線
22.0
12.0
5.0
0.0 1.8
礫
水田土
黒ボク土
1.0
0.0
砂
シルト
土粒子の分類
水田土
粘土
0
20
40
体積含水率(%)
細粒子の含有率が多い
高pF値で緩やかな傾き
根への水分供給:水田土>黒ボク土
60
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①蒸散量計測:材料・方法
土壌:水田土、黒ボク土
圃場:岐阜大学研究圃場のガラスハウス
作物:ダイズ
試験区
水田土
黒ボク土
灌水区
10ポット
灌水区
10ポット
非灌水区
10ット
非灌水区
10ポット
重量計測により試験区ごとの蒸散量を計測
蒸散量低下時の体積含水率とpF値を対応させる
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①蒸散量計測:結果(水田土)
蒸散量の低下
35
夏計測
( )
積 30
算 25
蒸 20
散
量 15
㎜ 10
(7/15~8/16)
夏計測
秋計測
pF4.0
pF4.0
pF4.2以上
5
0
35
4
7
10
秋計測
30
( )
積
算 25
蒸 20
散
量 15
㎜ 10
夏・秋:pF3.0で蒸散量の
(10/29~12/28) pF4.2 低下は見られなかった
14
17
20
夏計測
早期に蒸散量が低下
水田灌水区 (n=10)
水田非灌水区(n=10)
5
0
16
19
22
25
29
33
経過日数(日)
37
43
根の吸水に土壌水の
供給が追いつかなかった
①蒸散量計測:結果(黒ボク土)
7/11
(10/29~12/28)
秋計測
35
( )
積
算
蒸
散
量
㎜
30
25
20
pF3.4
15
10
黒ボク灌水区 (n=10)
黒ボク非灌水区 (n=10)
5
0
16
19
22
25
29
33
37
43
経過日数(日)
蒸散量の低下
秋計測
pF3.4
pF3.0で蒸散量の低下は
見られなかった
②茎内流量の計測:材料・方法
フローゲージ
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データロガ
茎内流量の連続計測
吸水パターンがわかる
灌水区1ポット
非灌水区1ポット
土壌ごとに設置
同時に計測
灌水区と非灌水区の吸水パターンを比較
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②茎内流量計測:結果(11/16~12/28)
0.005
0.005
茎
内
流
量
(g/s)
黒ボク灌水区
黒ボク灌水区
黒ボク非灌水区
黒ボク非灌水区
0.004
0.004
0.003
0.003
0.002
0.002
0.001
0.001
-0.001
-0.001
0:00
2:50
5:40
8:30
11:20
14:10
17:00
19:50
22:40
1:30
4:20
7:10
10:00
12:50
15:40
18:30
21:20
0:10
3:00
5:50
8:40
11:30
14:20
17:10
20:00
22:50
1:40
4:30
7:20
10:10
13:00
15:50
18:40
21:30
0:20
3:10
6:00
8:50
11:40
14:30
17:20
20:10
23:00
0
11/25
11/28
12/1
12/2
12/4
11/17
11/18
11/20
11/21
0:00
0:00
0:0011/19
0:00
0:00
0:0011/22
0:00 日付
黒ボク土
pF3.8以降、非灌水区の茎内流量が減少する日を確認
10/11
根域調査:結果
水田土
黒ボク土
10~15
15~20
15~20
(cm)
土 0~5
層
の 5~10
深
さ 10~15
灌水区
非灌水区
0~5
5~10
0.0
0.5
1.0
0.5
1.5 0.0
根の乾物量(g)
水田土:上方に根が発達
黒ボク土:下方に根が発達
1.0
1.5
各試験区:n=3
土壌によって根域分布が異なる
根への水分供給:水田土>黒ボク土
土性は根域を変化させる
11/11
まとめ
土性によって蒸散量が低下するpF値は異なった
水田土
夏:pF4.0
秋:pF4.2以上
計画基準の灌漑開始点(pF3.0)は
十分に余裕がある
乾燥傾向での水管理が可能
蒸散強度
作物の吸水
黒ボク土
夏:?
秋:pF3.4
根の発達
pF3.0以前に蒸散量の低下を
引き起こす可能性がある
灌漑開始点(pF3.0)の妥当性は引き続き検討が必要
ご清聴ありがとうございました
pF値(potential of free energy)
pF=log10H(cm・H20)
体積含水率θ(秋)
pF値
水田土
2.0
46.1
2.3
44.5
2.5
41.9
2.8
39.3
3.0
36.8
3.3
34.3
3.5
31.9
3.8
28.0
4.2
21.5
黒ボク土
41.2
38.4
35.4
32.6
30.0
28.3
25.9
23.0
19.4
5.0
4.0
pF値
体積含水率θ(夏)
pF値
水田土
2.0
42.4
2.3
42.2
2.5
41.2
2.8
39.3
3.0
36.6
3.3
33.9
3.5
30.9
3.8
27.0
4.2
20.9
3.0
水田土(夏)
水田土(秋)
黒ボク土(夏)
黒ボク土(秋)
2.0
1.0
黒ボク土
38.9
37.4
33.1
30.4
27.5
25.4
23.0
21.1
17.5
0.0
0
20
40
体積含水率(%)
60

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