20140425_144218

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血液浄化療法
何らかの原因により患者体内に蓄積した病因物質を
主に体外循環技術を用いて血液から除去し
患者血液を正常化することにより
病態を改善する治療法
Department of Intensive Care Medicine, Sapporo Medical University, School of Medicine
代表的な血液浄化療法
血液透析療法
血液透析(HD)
血液濾過(HF)
血液濾過透析(HDF)
腹膜透析(PD)
持続緩徐式血液濾過透析(CHDF)
血液吸着療法
薬物・肝性昏睡原因物質(DHP)
血中エンドトキシン吸着(PMX)
白血球除去療法(アダカラム)
血漿交換療法
単純血漿交換療法(PE)
血漿吸着療法(PA)
二重濾過血漿交換療法(DFPP)
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溶質除去の原理
拡 散
濾 過
吸 着
すべての血液浄化はこの物理現象を利用し
毒素を除去している
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半透膜
細孔の大きさで物質の透過を規定する膜
物質A
物質B
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透析法(Dialysis)とは?
血液透析(HD; Hemodialysis)
透析器(ダイアライザー、半透膜)を用いて患者血液を循環させ
fiberの外側に透析液を灌流させることで物質の交換(透析)を行う。
腹膜透析(PD; Peritoneal Dialysis)
腹腔内にcatheterを挿入し透析液を貯留させることで、
天然の半透膜である腸間膜や腹膜を介して物質除去を行う。
通常は、2.0~2.5Lを4~8時間毎に1日4回交換する
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HDの特徴
HD
利点:
小分子(BUN、Cr、電解質など)の
除去に優れ、効率がよい。
A側
ダイアライザー
透析液
V側
欠点:
中分子の除去に劣る。
血圧低下など循環が不安定な
患者に行いにくい。
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濾過法(Filtration)とは?
ECUM (ExtraCorponeal Ultrafiltration Method)
透析器(ダイアライザー)のみ用い、過剰な細胞外液を
除去する方法(限外濾過)
血液濾過(HF; HemoFiltration)
限外濾過により大量の体液を除去し、補充液で補うことで
体液の清浄化を行う
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ECUM・HFの原理
ECUM
HF
A側
A側
ヘモフィルター
ヘモフィルター
濾液
V側
濾液
V側
補充液
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HFの特徴
利点:
比較的中分子(β2-MG、ミオグロビン、
サイトカインなど)の除去に優れている。
透析による血漿浸透圧の低下が
ないため、間質から血管内への
水の移動が阻害されず、
除水に伴う血圧低下が起きにくい。
HF
A側
ヘモフィルター
V側
濾液
欠点:
小分子の除去に劣る。
効率が悪い。
補充液
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HDFの特徴
HDF
HFとHDの利点を継承しつつ、
互いの欠点を補っているため、
小分子から中分子物質までの
幅広い溶質の除去が可能。
A側
ダイアライザー
V側
透析液
濾液
補充液
さらに効率アップや物質除去、
生体適合性を考慮して、high
volume HDFなどが開発され
臨床応用されている。
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“C”とは?
持続的(Continuous)にHD、HF、HDFを行う
長時間、緩徐に溶質除去を行うことで、循環動態が不安定な
患者(敗血症、心不全、ARDSなど)にも施行可能
効率は通常のHFやHDFの1/50〜1/20程度
高効率の血液浄化により、脳浮腫など臓器障害を悪化する
可能性のある症例にも行う(高Na血症など)
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CHDFの目的
持続的血液浄化法(持続的血液濾過透析)
生体負荷の少ないことが特徴
循環動態の不安定な症例に
除 水
溶質除去
過剰な水分を除去し
体液量を調整する
血中の不要成分を
除去する
❖ 全身浮腫
❖ 急性肺水腫
❖ うっ血性心不全
❖ 多臓器不全
❖ 敗血症
❖ 薬物中毒
❖ 重症急性膵炎
❖ 劇症肝炎
など
など
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CHDF: 血液透析との違い
❖ 緩やかに溶質や水分を除去する行うため、
循環動態が不安定な患者でも血圧低下が起こりにくい。
❖ pH、電解質バランスなどの維持が困難な患者において、
速やかに、かつ長時間にわたる是正が可能。
❖ 小分子量の物質だけでなく、分子量20000~30000Da程度の
病態関連物質の除去を目的として行うこともある。
❖ 透析液の供給設備のない施設でも実施可能。
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各種血液浄化法における除去領域
血漿交換
血
液
浄
化
法
分
子
量
領
域
直接血液吸着
免疫吸着
血液透析
血漿成分
小分子量物質
中分子量物質
• ビリルビン(585)
各種アミノ酸(75~204)
• グルコース(180)
103
細胞
• 赤血球(7.7μm)
• 白血球(10~20μm)
• 血小板(2~3μm)
• C1(206,000)
• C4(206,000)
• C3(180,000)
•IL-6(18,000)
• IgM(950,000)
• IgG(160,000)
• IgA(160,000)
• K(39)
• P(31)
• Mg (24)
• H2O(18)
102
大分子量物質
• ALB(68,000)
•β2MG(11,800)
• ヘモグロビン(64,500)
• クレアチニン(113)
• 尿素(60)
101
血球成分
104
105
106
分子の大きさ
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救急・集中治療領域ではCHDF!!
救急・集中治療領域における血液浄化療法のターゲット
① 尿素窒素、Crなどの小分子量物質
② サイトカインやエンドトキシンなど中分子量物質の病因物質
CHDだけでは病因物質を除去するという有効性は期待しにくい
CHFと比較した場合、
CHDFでは透析液による物質移動(拡散)が上乗せされる分、
小分子量物質の除去効率が良く、
ICUではCHDFを第一選択とする考えもある。
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CHDFの適応となる疾患・病態
CHDFの主な適応疾患
1.重症病態に伴う急性腎不全(acute kidney injury: AKI)
2.重症病態により循環動態が不安定な慢性腎不全(chronic kidney disease: CKD)
3.急性膵炎(severe acute pancreatitis: SAP)
4.劇症肝炎(fulminant hepatitis: HF)
5.急性呼吸窮迫症候群(acute respiratory distress syndrome: ARDS)
救急・集中治療におけるCHDFの有効性
1.組織酸素代謝失調の改善
5.余剰水分除去による十分な栄養管理
2.Homeostasisの維持
6.循環不全における血液浄化
3.各種humoral mediatorの除去
7.アシドーシスに対する持続的治療
4.肺間質浮腫除去による酸素化改善
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ヘモフィルター(膜)の構造
血液入口
中空糸
半透膜
膜厚
透析液出口
中空糸
(約10,000本)
孔径
透析液入口
血液出口
中空糸は小さな孔が開いた
半透膜からできている
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CHDFの設定
1.血液流量(QB)
血液ポンプの速度。60~100mL/minが一般的。
2.濾液流量(Qs)
濾液ポンプの速度。 QSはQBの30%以下を目安。
3.補液流量(QF) 、透析液流量(QD)
補液ポンプと透析液ポンプの速度。
QFとQDの合計で600~2100mL/hrが一般的。
QS-(QF+QD) が除水流量になります。
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CHD(持続緩徐式血液透析)
血液ポンプ
サブラッド
透析液
濾液ポンプ
透析液ポンプ
透析液を用いてヘモフィルター(膜)を介した拡散により
持続的に血液を浄化する。
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CHF(持続緩徐式血液濾過)
血液ポンプ
濾液ポンプ
除水性能の優れた
ヘモフィルター(膜)を用いて
持続的に濾過を行い
濾過量にほぼ相当する
補充液を回路より注入する
補液
ポンプ
バランサー
サブラッド
補充液
(置換液)
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CHDF(持続緩徐式血液濾過透析)
血液ポンプ
サブラッド
透析液
濾液ポンプ
透析液ポンプ
補液
ポンプ
バランサー
サブラッド
持続的に行う血液透析と
血液濾過の両方の
利点をあわせた治療法
補充液
(置換液)
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CHD、CHF、CHDF各モードの除去特性
濾過量(QF)+透析液流量(QD)が一定量(1000mL/hr)とした場合の
CHD、CHF、CHDFのクリアランスの比較
[ mL /hr ]
CHF
1000
CHFがもっとも良好な
除去効率を示す!
CHDF
ク
リ
ア
ラ
ン
ス
CHD
100
1000
10000
[分子量]
[中 敏夫,篠崎真紀,篠崎正博: 腎と透析より一部改変して引用]
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CHFには至適濾過量がある
至適濾過量(QF) =血液流量 (QB) × 1/3
補液流量は血液流量の30%以下にしなければフィルターが詰まってしまう
QB = 100mL/min
QB = 60mL/min
の時
の時
QF = 30mL/min = 1800mL/hr
QF = 18mL/min = 1080mL/hr
フィルターの劣化を防ぐには補液流量は通常、QBの25%以下が良いとされている
例) QB:100ml/min、QF:1800ml/hrにてCHFを施行していた。
患者の体位変換の際,突然脱血不良となりQBを60ml/minに下げて対処した。
FDLの脱血不良に関するトラブルは解消されるが
QBに対するQFが50%となってしまうためファイバーが詰まってしまう
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CVVHの浄化量と急性腎不全の予後に関するRCT
492 例
1.0
67 例脱落
Group 1
Group 2
Group 3
146例
139例
140例
20 mL/hr/kgで 35 mL/hr/kgで 45 mL/hr/kgで
HF
HF
HF
Cumulative proportion survival
425 例をエントリー
0.9
0.8
0.7
Group 3
0.6
Group 2
0.5
0.4
Group 1
0.3
0.2
146例が
研究を遂行
139例が
研究を遂行
140例が
研究を遂行
0.1
0
0
10
20
30
40
Survival time (days)
50
Ronco C, Bellomo R, et al: Effects of different doses in continuous veno-venous haemofiltration
on outcomes of acute renal failure: a prospective randomized trial. Lancet 355: 26-30, 2000
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浄化量はどこまで増やしたらいいか?
(生存率)
(境界点=25mL/hr/kg)
(浄化量)
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(生存率)
浄化量はどこまで増やしたらいいか?
(浄化量)
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急性呼吸不全
❖ サイトカインなどが関与する肺水腫、ALI/ARDSが主体
大部分がseptic ARDSである
❖ ALI/ARDSに限っても病態により予後が異なる。
原疾患による分類
① 肺原性
② 二次性
CT画像による分類
① 間質性病変が主体
② 無気肺が主体
③ 両者の混合型
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ALI/ARDSに対する血液浄化法(CRRT)の目的
Non-renal indication
炎症性メディエーターの制御
肺血管の透過性亢進・内皮障害を抑制
肺炎などに起因する肺原性のもの
septic shockや重症急性膵炎などに伴う二次性のもの
いずれにも適応となる可能性がある
Renal indication
septic ARDSで急性腎不全を伴う場合などで効果が期待
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通常量CRRTで血中サイトカイン濃度は低下する?
<低下するための条件>
<通常行われているCRRT>
1. 篩係数 = 1
1. = 0.07~0.42
2. 生体内半減期 > 60分
2. < 10分 (IL-1β)~20分 (TNFα)
3. 濾過流量 > 2L/時間
3. < 1L/時間
<対策>
1. 孔径の大きな膜
2. 血液浄化量の増加 ( 例:HVH )
3. 吸着主体なら膜面積の増加,膜の頻回交換
Sieberth HG, et al: Is cytikine removal by continuous hemofiltration feasible?. Kidney Int Suppl 72: S79-83, 1999
Ronco C & Bellomo R: Critical care nephrology、Kluwer Academic Publishers、1999
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間歇的な血液浄化法の有効性
HVH
PMX、PE
CHDF
100
病因物質の
血中濃度の
パターン
閾値
0
0
1
2 day
間歇的血液浄化によって病因物質の血中濃度が閾値以下になると、産生量が低下したり抑制されて
いた内因性クリアランスが働くようになり、一気に血中濃度も低下、病態が改善する。
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コストは大丈夫?
❖ 保険点数上認められている1日の補液量は15L
1時間あたり600mL(10mL/min)
600mL/hrをQDとQFに分割している(ex. 400/200)
❖ 大量置換を行うと大赤字になる
1日72L、1時間あたり3L(50mL/min) QD:QF = 2L:1L
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血液浄化膜の種類によるIL-6除去特性の違い
カラム前濃度
カラム後濃度
ろ液濃度
[pg/ml]
[pg/ml]
14000
PMMA
14000
PS
12000
12000
10000
10000
8000
8000
濾液からのIL-6は
高値ながら
経時的に下降
6000
6000
濾液からIL-6を
検出しない
4000
2000
0
15 30
60
120
4000
2000
240
360
[min]
0
15 30
60
120
240
360
[min]
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CHDFと栄養成分・電解質についてのまとめ
❖ CHDFで除去されないはずの蛋白、アルブミンが喪失しており、
カラムの材質やポアサイズによって程度が異なっていた。
透析液量による影響も予想される。
カラムの種類や透析条件に応じた
蛋白、アルブミンの補充が必要か!?
❖ PやMgなどの小分子量物質はカラムの種類に依存せずCHDFで
1日の必要量程度が除去される可能性があった。
CHDFを継続する場合、必要量を最低限補い、
適宜血中濃度をモニタリングするべきである。
❖ グルコースの喪失量は生体内ではさほど問題にならない程度
であると考えられた。
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ブラッドアクセス
主に、ダブルルーメンカテーテルを用いて、
中心静脈にアクセスする。
利 点
欠 点
内頚静脈
穿刺部から静脈まで距離が短い。
カテーテルの固定がやや不
内頚動脈穿刺時の圧迫止血が
安定。
容易。
大腿静脈
アクセスが容易。
大腿動脈穿刺時の圧迫止血が
容易。
鎖骨下静脈 患者の違和感が少ない。
穿刺部位が不潔になりや
すい。
気胸、鎖骨下動脈穿刺
などのリスク。
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ブラッドアクセスの異常
① FDLの選択(長さ)を誤っている
内頚静脈からのアプローチした
場合の理想のカテ先位置
(上大静脈と下大静脈が合流
している場所)
大腿静脈からのアプローチした
場合の理想のカテ先位置
(右大腿静脈と左大腿静脈が
合流している場所)
血流量が豊富な位置!
FDLの長さが足りないと血流豊富な位置までカテ先が届かない
ため、必要な血液を引くことができずにブラッドアクセス異常(採
血不良)が発生しやすくなる
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ブラッドアクセスの異常
② FDLの固定が悪く折れ癖がついている
FDLは根元まで挿入し
固定することが重要!!
この部分は血管内に入り35~40℃の
熱で柔軟になる素材である
根元(白い部分が見えなくなる)まで挿入し固定しないと
体表温度で簡単に折れ癖がついてしまう
一度折れると修復はできない
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血漿交換の意義・目的
❖ 免疫関連物質: γグロブリン
液性因子の除去
❖ 炎症性物質: サイトカイン
❖ 代謝性物質: 臓器不全による蓄積
❖ 中毒性物質: 薬物の誤飲・過剰投与
❖ 異常タンパク: 過剰産生
二次的効果
補充液
 免疫能の賦活(修飾)
 細胞機能の回復
 薬剤への反応性の改善
 循環動態の改善
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血漿分離のメカニズム
血液
膜を通過するもの
P :蛋 白
E :電解質
E
P
P
P
P
E
血漿
E
膜を通過しないもの
:赤血球
H
血漿
H
H
H :ホルモン、酵素
:白血球
:血小板
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単純血漿交換療法(Plasma Exchange: PE)
血漿分離器を用いて血液中の血球成分と血漿成分を分離し
新しい血漿と入れ替える治療法
利点:
既知 or 未知の病因物質を
除去可能。
凝固系の改善。
A側
血漿分離器
V側
欠点:
患者血漿
高価。
大量の新鮮凍結血漿による
副作用の可能性。
新鮮凍結血漿
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その他の血漿交換療法
二重濾過血漿交換療法
(Double Filtration Plasma Pheresis : DFPP)
❖ 分子量の大きい物質をよりわける
⇒γグロブリン、免疫複合体、コレステロール
→ 除去に適する
❖ 小分子量領域(凝固因子含む)は患者に返漿
⇒排液量=置換量は6~15分の1に
⇒凝固因子を含まない加熱製剤を使用
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血漿吸着療法(Plasma adsorption: PA)
2~3Lの還流
抗凝固剤
血液
ポンプ
血
漿
分
離
器
ポンプ
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主な吸着剤の材質
用 途
商品名
リガンド
担 体
薬物吸着
ヘモソーバCHS
DHP-1
石油ピッチ系医療用活性炭
エンドトキシン吸着
トレミキシン
ポリミキシンB
ポリスチレン複合繊維
β2MG吸着
リクセル
ヘキサデシル基
セルロースビーズ
ビリルビン吸着
プラソーバBRS
メディソーバBL
スチレンジビニルベンゼン共重合体ゲル
(アンモニウム基)
イムソーバTR
イムソーバPH
トリプトファン
フェニルアラニン
ポリビニルアルコールゲル
メディソーバMG
合成ペプタイド
セルロースビーズ
デキストラン硫酸
セルロースビーズ
免疫吸着
(自己抗体、
免疫複合体)
LDL吸着
セレソーブSL
リポソーバーLA
CE技術シリーズ 血液浄化療法:南江堂(2004)より改変して引用
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血漿交換療法の比較
長
血漿交換
PE
二重濾過
DFPP
血漿吸着
PA
所
短
所
・病因物質の除去効率が大
・凝固系成分等の補給
・病因物質不明疾患にも適用
・大量の血漿が必要
・ウイルス感染
・非自己蛋白によるアレルギー
・少量の血漿製剤で治療可能
・大分子蛋白の除去
・病因物質不明疾患にも適用
・選択性が低い
・必要成分(Albなど)の除去
・病因物質の選択的除去
・感染のリスクがない
・病因物質の確定が必要
『感染リスクの軽減』
『除去対象範囲の減少』
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保険適用疾患(血漿交換療法)
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
多発性骨髄腫(MM)
マクログロブリン血症
劇症肝炎(FH)※
薬物中毒
重症筋無力症(MG)※
悪性関節リウマチ(MRA)※
全身性エリテマトーデス(SLE)※
血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)
重度血液型不適合妊娠
術後肝不全(POHF)※
急性肝不全(AHF)※
多発性硬化症(MS)※
慢性炎症性脱髄性多発根神経炎
(CIDP)※
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
ギラン・バレー症候群(GBS)※
天疱瘡(PV)
類天疱瘡(BP)
巣状糸球体硬化症(FGS)※
溶血性尿毒症症候群(HUS)
家族性高コレステロ-ル血症(FH)※
閉塞性動脈硬化症(ASO)※
中毒性表皮壊死症(TEN)
スティーブンス・ジョンソン症候群
血友病
同種腎移植
慢性C型ウィルス肝炎
※血漿吸着法も適用
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SIRSと敗血症
膵 炎
感染症
敗
血
症
熱 傷
SIRS
外 傷
その他
SIRS(全身性炎症反応症候群)の診断基準
1. 体温
2. 脈拍
<36℃
>38℃
90回/分以上
3. 呼吸数 20回/分以上、PaCO2<32torr
4. WBC
12.000/mm3以上か4.000/mm3または10%以上のImmature cell
2つ以上を満たすとき、SIRS を診断する
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SIRSと血液浄化法
侵襲
Bacterial
translocation
自己防御機構の低下
エンドトキシン除去
(PMX)
感染症
自己防御機構の賦活
(PE、DHP)
エンドトキシン血症
SIRS
敗血症
組織酸素
代謝の失調
各種メディエーターの産生
臓器を形成する
細胞の機能不全
酸素代謝の改善
(CHF、PMX)
メディエーター除去
(CHF、PMX)
臓器不全
人工腎 (CHF)
人工肝 (CHF+PE)
MOF
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PMX-DHPの適応
エンドトキシン血症であるもの、
または グラム陰性菌感染症が疑われるもの
次の(ア)~(エ)のうち2項目以上を同時に
満たすもの
(ア) 体温が38℃以上または36℃未満
(イ) 心拍数が90回/分以上
(ウ) 呼吸数が20回/分以上 または
PaCO2 32mmHg未満
(エ) 白血球数が12000/mm3以上、
または 4000/mm3未満、
または 桿状核好中球が10%以上
昇圧剤を必要とする敗血症性ショックであるもの。
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PMX-DHPの効果
エンドトキシン陽性の
敗血症性ショックで効果あり
エンドトキシン陽性の
敗血症性ショック
エンドトキシン陰性の
敗血症性ショックでも効果あり
グラム陰性菌による
敗血症性ショック
グラム陽性菌による
敗血症性ショックでも効果あり
細菌性の
敗血症性ショック
エンドトキシン以外に、内因性大麻(アナンダマイドなど)の吸着などが報告されている。
(サイトカインは直接吸着しない)
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