秋山義隆他: Progress in Medicine 30:2003

Report
口演 3
オシロメトリック血圧測定で
得られる血管指標とその評価
第10回 日本AS学会
日本AS学会 第10回記念シンポジウム
「動脈硬化診断の展望2010」
場所:ルークホール (持田製薬本社ビル2F)
日時:2010年10月23日(土)14:55~15:20
座長:
林
潤一 先生 (杏林大学医学部総合医療学 教授)
埼玉医科大学 総合医療センター 内分泌・糖尿病内科
Department of Endocrinology and Diabetes,
Saitama Medical Center, Saitama Medical University
秋山 義隆
Akiyama, Yoshitaka
メタボリックシンドローム
内
臓
脂
肪
の
蓄
積
イ
ン
ス
リ
ン
抵
抗
性
高血圧
空腹時高血糖
脂質代謝異常
動
脈
硬
化
症
危険因子を包括的にコントロール
動脈硬化を早期からスクリーニング
•
•
•
•
•
•
•
•
•
脂質異常(特にLDL-コレステロール)
尿中微量アルブミン(血管内皮機能)
血圧/オシロメトリック血圧測定
IMT(頸動脈エコー検査)
ABI,PWV,CABI測定
FMD測定
[トレッドミル負荷]心電図
心血管CT検査
心臓カテーテル検査
http://kameda.diabetes-smc.jp/pc/riskinfo/riskinfop.html
第50回日本糖尿病学会年次学術集会,2008
J-DOIT3
2型糖尿病患者を対象とした血管合併症抑制
のための強化療法と従来治療とのランダム化比較試験
2型糖尿病(45歳以上70歳未満、 HbA1c≧6.5%)
+
血圧≧140/90(内服なし) or 130/80(1 or 2剤内服)
or
LDL≧120 or TG≧150 or HDL<40(内服なし or 1剤)
ランダム割付
(心血管病変既往の有無、性別、年齢、HbA1cで調整)
強化治療群(目標値)
HbA1c<5.8%
血圧<120/75
LDL<80,HDL≧40,TG<120
(虚血性心疾患の既往例は LDL<70)
(TG≧150の場合はnonHDLで評価,nonHDL<110)
BMI≦22
従来治療群(目標値)
HbA1c<6.5%
血圧<130/80
LDL<120,TG<150
(虚血性心疾患の既往例は LDL<100)
BMI≦24
〔http://www.jdoit3.jp/index.html〕
5
糖尿病治療の目標
健康な人と変わらない日常生活の質(QOL)の維持、
健康な人と変わらない寿命の確保
糖尿病細小血管合併症(網膜症、腎症、神経障害)および
動脈硬化性疾患(虚血性心疾患、脳血管障害、閉塞性動脈硬化症)の
発症、進展の阻止
血糖、体重、血圧、血清脂質の
良好なコントロール状態の維持
危険因子の包括的管理
(日本糖尿病学会編:糖尿病治療ガイド2008-2009)
世界糖尿病デー
2009年11月14日
川越市広報室撮影
PWVとCAVI
Pulse Wave Velocity
ポイント間の拍動(脈波)が伝わる速さ
を測定して、血管のしなやかさを評価
Cardio Ankle Vascular Index
スティフネスパラメータβ法に基づき算
出され、「血圧に依存されない血管固有
の硬さ」を表します。
オムロンコーリン社製 form PWV/ABI
フクダ電子株式会社製バセラVS-1000
上腕から心臓を含む足関節動脈間の
脈波伝播速度(baPWV): 基準値は
14 m/s未満
基準値 8未満、9以上は動脈硬化の疑
CAVIと baPWVの相関
2型糖尿病患者
30
r=0.78, p<0.0001 n=56
baPWV (m/sec)
25
20
15
14
10
5
5
8~9
10
CAVI (sq m/sec)
15
下田将司, 松田昌文, 加来浩平他: 2型糖尿病患者における動脈硬化指標としてのCAVIと
PWVの比較 糖尿病合併症 81: suppl.1, 2004
CAVI/baPWVと Framinghamスコアの相関
r=0.41, p<0.02
15
10
5
r=0.66, p<0.0001
20
Framingham Score
Framingham Score
20
15
10
5
5
10
CAVI (sq m/sec)
15
10
20
15
baPWV (m/sec)
25
下田将司, 松田昌文, 加来浩平他: 2型糖尿病患者における動脈硬化指標としてのCAVIと
PWVの比較 糖尿病合併症 81: suppl.1, 2004
IMT:頸動脈超音波装置(ProSound,SSD-4000SV 10MHzプ
ローブ、アロカ,Power Vision 6000 7.5MHzプローブ、東芝な
どで測定)
 年齢補正(年間0.02mm増大と仮定) 非糖尿病者
(IMTは年齢と非常によく相関する)

7.5MHzまたは10MHzのリニア型プ
ローブを頸動脈皮膚表面より縦断的
に押し当てる 事によりBモードの超
音波画像より計測
7.5MHzでの解像度は0.1mm程度。
1.1mm以上は抗血小板薬などの介
入対象となる。
年齢と 平均IMT,最大IMTの関係
松田昌文,加来浩平他:川崎医科大学糖尿病代謝内分泌内科データ
FLOW-MEDIATED DILATATION
http://www.bmpe.t.utokyo.ac.jp/research/vessel/vessel.html
FMD:血管横断面計測FMD測定器(UNEXEF18G、
2列10MHzプローブ、ユネクス)
FMD ユニクス社
IMT,FMD,PWVの関係
32例(男性12名/女性20名,年齢55.7±17.9歳(平均±SD)
杏林大学医学部高齢医学: 秋下雅弘,小林久美子,大荷満生,鳥羽研二
(第1回臨床動脈波研究会抄録集)
オシロメトリック血圧測定器(脈波指標付き電子
血圧計(AVE-1000 ))
• 指標A(AVI:Arterial Velocity_pulse Index 動脈速度脈波指標)
• 指標B(API:Arterial Pressure-volume Index 動脈圧-容積指標)
• 血管年齢:AVIから導出
血圧測定時に脈波を経時的に測定
することにより血管の硬さにより差
異を観察することが可能である(A)
・指標A(AVI:Arterial Velocitypulse Index 動脈速度脈波指標):
動脈容積(脈波振幅)の時間微分,
得られた速度脈波から拡張速度
(Vr)・収縮速度(Vf)の相対比(Vr/Vf)
を算出する。
カフ圧が高い時には動脈は圧迫され
て動脈容積は小さく,カフの減圧に
伴って動脈容積(脈波振幅)は大きく
なる。(B)
・指標B(API:Arterial Pressurevolume Index 動脈圧-容積指標):
カフに伝播する脈波を用いてカフ圧
(X)と動脈容積(脈波振幅)の関係を
表す曲線から算出する:
α*arctan(β*X+γ)+δ,API=1/β(α,
β,γ,δは係数)
動脈壁硬化度(API、AVI)測定原理
• カフ圧が高い時には動脈は圧迫されて動脈容積は小さく,カフの減圧に
伴って動脈容積(脈波振幅)は大きくなる。
• AVI:動脈容積(脈波振幅)の時間微分、得られた速度脈波から拡張・収
縮速度の相対比(Vr/Vf)を算出。
• API:カフに伝播する脈波を用いてカフ圧と動脈容積(脈波振幅)の関係を
表す曲線:A*arctan(B*X+C)+D、API=1/B
• *いずれもPWVと相間するが新たな指標となる。
N=82 subjects (outpatients)
unpublished data
背景
• 動脈硬化の早期発見、早期介入により、脳梗塞・心
筋梗塞・閉塞性動脈硬化症などの発症を抑制する
ことが求められており、そのため簡便かつ精度のよ
い検査法が求められている。
• 現在用いられている動脈硬化測定装置として
baPWV、IMT、FMDなどがあるが問題点も指摘さ
れており、いずれも簡便とは言い難い。
• ・baPWV(上腕-足首PWV):末梢動脈の影響を強く
受ける。
• ・IMT:術者による誤差が大きい
• ・FMD:測定環境による誤差が大きい
秋山義隆,久野裕輝,早川尚雅,重藤誠,桝澤政広,岡部正,松田昌文:2型糖尿病患者のオシロメトリック血
圧測定による血管指標とFMD,IMTとの比較 オシロメトリック血圧測定血管指標の意義 Progress in
Medicine 30:2003-2007, 2010.
• 簡便な動脈硬化度の測定法であるオシ
ロメトリック血圧測定器を用いた動脈硬
化度指標につき、同時期に施行した
FMD、IMTと比較して、その臨床的有用
性について検討
秋山義隆他: Progress in Medicine 30:2003-2007, 2010.
方法
• 対象:亀田総合病院に入院した2型糖尿病患
者67名および健常者13名
• 期間:2008年4月~2009年1月
• 測定機器: 脈波指標付き電子血圧計(AVE1000 )
*同一対象に対し複数回測定し平均値を算出
秋山義隆他: Progress in Medicine 30:2003-2007, 2010.
対象者背景
2型糖尿病患者(67 人)
男/女
46/21
年齢 (歳)
52.6±15.2
身長 (cm)
162±9
体重 (kg)
65.1±12.9
MI (kg/m2)
24.6±4.4
罹病期間 (年)
7.7±8.3
HbA1C (%)
9.5±2.8
-chol (mg/dl)
203±42
G (mg/dl)
162±84
HDL-chol (mg/dl)
54±14
DL-chol (mg/dl)
119±38
参考非糖尿病者(13 人)
4/9
36.9±15.0*
156±7*
50.4±3.6*
20.7±1.2*
NA
NA
178±36*
75±40*
65±17*
100±31
p<0.05
スタチン内服 19名 ARB/ACE-I内服 21名 ピオグリタゾン内服 16名
OMI/AP既往 2名 CVD既往 7名 喫煙者 31名
秋山義隆他: Progress in Medicine 30:2003-2007, 2010.
糖尿病(67 人)
収縮期血圧 (mmHg) 126.1±22.8
拡張期血圧 (mmHg)
78.0±13.5
%FMD (%)
6.7±3.3
IMT(max) (mm)
1.18±0.54
オシロメトリック血圧測定
指標 A(AVI)
24.4±7.4
指標 B(API)
26.1±7.5
血管年齢 (歳)
50.1±10.1
オシロメトリック血圧測定
オシロメトリック血圧測定
%FMD 基準値:5%以上
*:p<0.05
非糖尿病(13 人)
120.9±23.8*
75.7±12.9
NA
NA
19.3±9.1
24.7±8.1
41.8±10.0*
指標 A 基準値:10~25
指標 B 基準値:10~30
秋山義隆他: Progress in Medicine 30:2003-2007, 2010.
(A)
IMT(max),%FMD と動脈硬化関連因子との相関
IMT(max), %FMD
IMT(max), Stroke
IMT(max), HbA1C
IMT(max), 年齢
%FMD, 喫煙歴
%FMD, HDL-chol
相関係数
-0.31
0.36
0.41
0.38
-0.30
0.29
p値
0.036
0.011
0.017
0.007
0.018
0.020
Stroke は既往ありを1なしを0,喫煙歴はありを1なしを0として計算
(B) 指標 A,B,血管年齢と IMT (max), %FMD, IHD, Stroke 発症リスク
(UKPDS Risk Engine)との相関係数
IMT(max) %FMD
指標 A(AVI) 0.11
-0.05
指標 B(API) -0.02
0.24
血管年齢
0.13
-0.02
IHD
0.44*
0.35*
0.47*
fIHD = fatal IHD, fStroke = fatal stroke
* p<0.05
fIHD
0.43*
0.38*
0.46*
Stroke
0.32*
0.37*
0.37*
fStroke
0.45*
0.49*
0.44*
秋山義隆他: Progress in Medicine 30:2003-2007, 2010.
結論
• 方オシロメトリック血圧測定時の波形解析による指標
A(AVI),指標B(API),血管年齢と血圧とは非常に高度
に有意な相関を示し,動脈硬化性疾患の発症危度度
とも有意な相関を示した
• オシロメトリック血圧測定自体は一般の家庭血圧計と
ほぼ同じ使用方法となり脈波の解析のみが新しく付加
される。
• 使用方法が簡便でありPWVやCAVIにとって替わり動
脈硬化の指標を示す器具となる可能性が存在する。
• 臨床的な指標としてどのような場合にどの方法が適切
な評価となるかは今後の課題と思われる。
秋山義隆他: Progress in Medicine 30:2003-2007, 2010.

similar documents