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低カリウム血症
低K血症の定義
血清K濃度<3.5mEq/ℓ
低K血症の臨床症状
2.5mEq/ℓ以下で症状出現することが多い。
①神経筋症状
四肢しびれ、脱力感、弛緩性麻痺、
腸管運動低下、横紋筋融解
②腎機能障害
尿濃縮力低下
③不整脈
期外収縮、伝導障害、
重症時に致死性不整脈
ECG T波の平坦化 U波出現 QT延
低カリウム血症のワークアップ(外来・病棟)
低K血症
尿中K値
15mEq/日以下
15mEq/日以上
血中レニン活性(PRA)
Low
血清アルドステロン
High
正常また
は高値
利尿剤、摂取不足
消化管からの喪失
過度な利尿剤の使用
腎血管性高血圧
悪性高血圧症
レニン分泌性腎疾患
Cushing症候群
Low 薬物治療中
Dexamethasone
K保持性利尿薬
原発性アルドステロン症
Clinical physiology of acid-base and
electrolyte disorders
ワークアップへ
Rose and Post
低カリウム血症のワークアップ(外来・病棟)
尿中K排泄
RTA
利尿薬
<10mEq/ℓ
>10mEq/ℓ
ABG
代謝性アルカローシス
正常血圧
Bartter症候群
偽Bartter症候群
利尿薬
黒川式
高血圧
代謝性アシドーシス
下部消化管からのK喪失
下部消化管からのK喪失
下痢、下剤、瘻
RTA
血中レニン活性(PRA)、アルドステロン濃度(PAC)
↓PAC
↓PRA
甘草などの
漢方服用
↑PAC
↑PRA
腎血管性高血圧
↑PAC
↓PRA
原発性アルドステロン症
Cushing症候群
ACTH産出腫瘍
低カリウム血症のワークアップ(救急・当直)
尿中K排泄
15mEq/日以上
15mEq/日以下
代謝性アシドーシス
代謝性アルカローシス
下部消化管
からのK喪失
下痢、下剤、瘻
腎外からの
K喪失
過去の利尿剤
過去の嘔吐
発汗
K排泄の評価
TTKG>4
浸透圧利尿
利尿薬
代謝性アシドーシス
DKA
RTA
Washington manual
TTKG<2
代謝性アルカローシス
Yes
Liddle症候群
ミネラルコルチ
コイド過剰
高血圧
No
嘔吐
Bartter症候群
低Mg血症
低カリウム血症のワークアップ(救急・当直)
低K血症
偽性低K血症
尿中K排泄をチェック
細胞内へのK移動
・アルカローシス
・インスリン
・β2刺激薬
K<15mEq/日
K>15mEq/日
腎外性のK喪失
腎性のK喪失
消化管からの喪失
嘔吐、胃液吸引
下痢、下剤服用
尿管S状結腸吻合
Kの摂取不足
代謝性アルカローシス
尿中Cl排泄をチェック
代謝性アシドーシス
RTA遠位型、近位型
ダイアモックス
種々の理由
ATN回復期
尿細管間質性腎炎
薬剤・・・・
低カリウム血症のワークアップ(救急・当直・外来・病棟)
尿中Cl排泄をチェック
Cl>10mEq/日
Cl<10mEq/日
Cl反応性アルカローシス
Cl反応性アシドーシス
嘔吐、胃液吸引
Cl喪失性下痢症
血圧チェック
正常血圧
高血圧
ステロイド過剰状態
内科学会誌
利尿薬
Bartter症候群
Gitelman’s症候群
血漿アルドステロンをチェック
高値
レニン活性をチェック
高値
腎血管性高血圧
レニン産出性腫瘍
低値
正常
低値
高グルココルチコイド
Cushing症候群
ステロイド投与
原発性アルドステロン症
正常
コルチゾール
Liddle症候群
ミネラルコルチコイド過剰
甘草投与
低値
17αhydroxylase欠損
17βhydroxylase欠損
TTKGをチェックする
TTKGからの鑑別(救急・病棟)
TTKG>4
(=Renal loss)
TTKG<2(=nonRenal
loss)
Washington manual
血圧、細胞外液量をチェック
腎外からのK喪失
下痢、下剤、瘻
HCO3をチェック
代謝性アシドーシス
低血圧
正常血圧
高血圧
increased ECF
代謝性アルカローシス
PRA/PACをチェック
RTA
Bartter症候群
Gitelman’s症候群
低Mg血症
PRA↓PAC↓
PRA↑PAC↑
腎血管性高血圧
悪性高血圧
レニン産出性腫瘍
PRA↓PAC↑
高アルドステロン血症
Liddle症候群
ミネラルコルチコイド過剰
Cushing’s症候群
TTKGとは?
Transtubular potassium
concentration gradient
TTKGはアルドステロンの遠
位尿細管におけるK分泌作
用を評価する指標。
尿中にKの排泄が増加す
る時、それが
①皮質部集合管におけるK
の分泌亢進(アルドステロン
↑)
②髄質部集合管における尿
濃縮によるもの、
の2点を鑑別する。
TTKGは皮質部集合管における
尿細管腔内K濃度と
尿細管周囲の細胞外液のK濃度の比
TTKG=[K]CCT/[K]peritubular
皮質部尿細管周囲のK濃度[K]peritubularは血清K
濃度[K]serumで代用する。
[K]peritubular=[K]serum
皮質部集合管内のK濃度 [K]CCTは、尿中K濃度
と血清と尿の浸透圧を用いて計算する。
[K]CCT=[K]urine / (Osmurine / OsmCCT)
=[K]urine / (Osmurine / Osmserum)
TTKG=[K]CCT/[K]peritubular
=[K]urine / (Osmurine / Osmserum) / [K]serum
尿細管周囲
の細胞外液
皮質部集合管
成人正常
TTKG=8~9
K
[K] 40mEq/ℓ
Osm 300mOsm/ℓ
[K] 4mEq/ℓ
Osm 300mOsm/ℓ
4ℓ
髄質部集合管
[K] 160mEq/ℓ
Osm 1200mOsm/ℓ
1ℓ
尿
[K] 160mEq/ℓ
Osm 1200mOsm/ℓ
3ℓ
Osm 1200mOsm/ℓ
TTKG=[K]CCT/[K]peritubular
=[K]urine / (Osmurine / Osmserum)
/ [K]serum
=40/4
=160/(1200/300) / 4
=10
例題①
22歳女性 全身脱力あり。血圧正常。理学所見上は問題なし。
plasma [Na] 136mEq/ℓ
[K]
2.7mEq/ℓ
[Cl] 108mEq/ℓ
Arterial pH 7.30
Urine [Na] 7.0mEq/ℓ
[K]
12mEq/ℓ
[HCO3] 17mEq/ℓ
例題②
36歳女性 中等度の下腿浮腫あり週2回利尿剤使用している。
高血圧を指摘されている。皮膚のturgor低下、頚静脈圧は5cmH2O
plasma [Na]
136mEq/ℓ
Arterial pH
7.47
[K]
3.0mEq/ℓ
Urine [Na]
60mEq/ℓ
[Cl]
98mEq/ℓ
[K]
45mEq/ℓ
[HCO3] 29mEq/ℓ
[Cl]
48mEq/ℓ
ECでN/S 2ℓを12hかけてIVされている。その後の尿中Naは20mEq/ℓ
例題 ③
30歳女性 頻回に繰り返す両側大腿部の脱力発作
Plasma
[Na]
[K]
[Cl]
[HCO3]
136mEq/ℓ
1.8mEq/ℓ
108mEq/ℓ
28mEq/ℓ
Arterial pH 7.48
Urine
[Na] 27mEq/ℓ
[K] 28mEq/ℓ
補正の仕方
ポイント
・IVで補正するときは注意!
高Kになると死ぬことあります。
・濃度・スピードに注意!
不整脈や血管がつぶれます。
・細胞外よりも細胞内のほうがK濃度が高いので
補正は難しい。(Naのようにはいきません)
・頻回にKチェックしてください。
K:4mEq/ℓ⇒3mEq/ℓ 200~400mEq/ℓのK喪失
3mEq/ℓ以下
600mEq/ℓ以上のK喪失
補正の仕方
IVで補正のルール
末梢から
K40mEq/ℓ以下の濃度で、
20mEq/h以上にならないようにIV
中心静脈路から
K60mEq/ℓ以下の濃度で、
20mEq/h以上にならないようにIV
必ず、補正するときは、数時間毎にK値をチェックし、
慣れないうちはハートモニターすること。
ただし、けいれんや不整脈など重症合併症が併発している時には、上記の限り
ではない。中心静脈路からは最大200 mEq/ℓまでで40~100ml/hでIVする(致 死
量であるので必ずハートモニターをして、経験のある人と経過観察のもと行 うこと、死ぬ
ことあります)。症状おさまる、あるいはKが上昇することが確認でき れば、すぐに中止す
ること。
補正の仕方
POで補正のルール
POはIVに比べて安全。
漫然と投与しないこと、数日に1回はK値をチェックすること
食事も含めて、1日の必要摂取量は40~100mEq
カリウム製剤
グルコンサンK 1包 4mEq
アスパラ錠
1錠 K2.9mEq Mg3.47mEq
アスパラK
1錠 1.8mEq
スローケー
1錠 8mEq
メディジェクトK 1A(20ml) 40mEq
バナナ
メロン
毛ガニ
1本
1/2個
1杯
11mEq
20mEq
35mEq
夏みかん
ポテトチップス
1/2個
1袋
4.75mEq
27mEq
Bartter症候群とは?(意外に多い印象です)
尿細管の吸収障害。Henleループ上
行脚のNa+-K+-2Cl-共輸送体に異常
があり、NaClが、再吸収されない。
NaCl再吸収低下に
より、体液量が減少
遠位尿細管への、
Na+、Cl-流入が増加し
Na再吸収↑
Na+-K+交換が増加
尿中への、K+、H+の排泄が増加
レニン・アンジオテンシン・
アルドステロン系(RAA系)
が亢進
尿中への、K+、H+の排泄が増加
代謝性アルカローシス
低K血性アルカローシス
高レニン・アルドステロン血症
正常血圧
Liddle症候群
先天性の遠位尿細管の異常でNaチャンネルの障害です。
Batter症候群と異なる点は、同じイオンチャンネルの異常でも、
BatterはNa再吸収障害、LiddleはNa再吸収亢進であるという点です。
Na貯留のため循環血流が増え、高血圧になります。Liddle症候群のユニークな点
は、Na再吸収が一方的にすすみ、本来Naチャンネルと一緒に再吸収されるKが、
全く吸収されなくなる点です。(チャンネルのつくりがそうなっているようです。)
このために、低K血症、代謝性アルカローシスを呈します。
Na-Kチャンネルの遺伝子異常
Na再吸収過剰/K再吸収障害
尿中Na↓K↑
Na貯留
循環血液量↑
代謝性
アルカローシス
低K血症
PRA↓
PAC↓
高血圧
スピノロラクトン無効
トリアムテレン有効
(R-A-A系と無関係)
低K血症+高血圧
原発性アルドステロン症のワークアップ
①血清アルドステロン(PAC)②血清レニン活性(PRA)
PAC↑(PAC>15ng/dl)
PRA↓(PAC/PRA ratio>20)
PAC↑
PRA↑
原発性アルドステロン症を疑う
2次性アルドステロン症を精査
①PAC/PRA ratio
PAC/PRA ratio>30
PAC>20ng/dl
(感度90%特異度91%)
②尿中K排泄>40mEq/日およ
び尿中アルドステロン排泄量>
15ng/日
局在診断
①CT、MRI
②131Iadosterolシンチ
③副腎静脈造影
④負荷テスト
(立位負荷試験/ラシックス負荷試験)
腎血管性高血圧
利尿剤
レニン産出性腫瘍
悪性高血圧
大動脈縮窄症
PAC↓
PRA↓
2次性高血圧を鑑別
Cusing症候群
Liddle症候群
医原性(ステロイド、甘草)
先天性副腎過形成
血漿デオキシコルチステロン(DOC)
低値
漢方薬(甘草)過剰摂取
Liddle症候群
ミネラルコルチコイド過剰
高値
17KS
高値11β-hydroxylase
正常DOC産出腫瘍
低値17α-hydroxylase

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