欧州における大学国際化評価動向

Report
欧州における
大学国際化評価の動向
渡部
由紀(京都大学国際交流推進機構)
平成24年度東京国際交流館国際シンポジウム
2013年3月18日
欧州の高等教育国際化に
関連する主な政策
1987年:Erasmus
学生交流促進とそれを支える高等教育システムの整備
1987年
2004年
2014年
Erasmus Program(EU加盟国内での学生交流促進)開始
現在4期目(2007-2013年)
Erasmus Mundus(欧州と欧州以外地域との学生交流促進)開始
現在2期目(2009-2013年)
Erasmus for All(7つある学生交流プログラムを統合)
実施予定(2014-2020年)
目標:190億ユーロで、交流学生数500万人(高等教育:220万人)
1999年:Bologna Process
欧州高等教育圏の構築
1999年
2001-2010年
2011-2020年
Bologna Declaration
Bologna Process
Bologna Process 2020
2010年:Europe 2020
Lisbon Strategy(2000-2010年)に続く欧州の中長期成長戦略
2011-2020年
5大重点項目で直接的・間接的に教育に関わる項目がある。
2
国際化評価に関する欧州での取組
分類
大学国際化の評価支援サービスやツール
【実 施 機 関】
開始年度
国際化評価
指標の開発
Indicators for Mapping and Profiling Internationalisation
(IMPI)
【欧州の国際教育交流推進を担う6機関-CHE Consult, Nuffic他】
20092012
国際化評価
への支援と
助言
HRK-Audit Internationalisation of Universities
【HRK(ドイツ大学学長会議)】
2009
Internationalization Strategies Advisory Service(ISAS)
【IAU(ユネスコの諮問機関国際大学協会)】
2010
ACA Internationalisation Monitor(AIM)
【ACA(ヨーロッパ学術協力協会)】
2011
Mapping Internationalisation(MINT)
【Nuffic(オランダ高等教育国際協力機構)】
2009
[2008]
NVAO:国際化の特に優れた特徴(distinctive quality feature
Internationalisation: DQF-Internationalisation)
【NVAO(オランダ・フランダースアクレディテーション機
構)】
2011
[2010]
国際化の評
価と認定
3
取組①:国際化評価指標の開
発
Indicators for Mapping and Profiling
Internationalisation(IMPI)(2009~2012年)
 多様な高等教育機関の国際化に対応できる包括的な評
価指標(489指標)と指標選択支援ツールの開発
 欧州委員会の支援プロジェクト

欧州の国際教育交流推進を担う6機関により実施






CHE Consult(ドイツ)
Nuffic(オランダ)
ACA(ヨーロッパ学術協力協会)
Campus France(フランス)
SIU(ノルウェー)
Persktwy(ポーランド)
4
取組①:国際化評価指標の開発
IMPIの国際化戦略の5つの目標と国際化評価指標の9分類
国際化戦略の5つの目標
1. 教育の質の向上
2. 研究の質の向上
3. 異文化・グローバル化社会で効果的に暮らし働くことができるよう学生の教育
4. 国際的な評判やプロファイルの向上
5. 社会貢献や社会的取り組み
国際化の評価指標の9分類
大分類
1. 学生
2. 教職員
3. 組織運営
4. 資金と財政
5. カリキュラムと教育研究関連サービス
6. 研究活動
小分類
学生派遣、留学生、学生全般
教職員全般、教職員派遣、教職員受入、教員、職員
指標数
98
93
37
39
87
研究者、客員研究者、研究活動、高等教育機関、在
籍研究者による刊行物とその引用、特許
56
21
7. 広報と宣伝活動
8. 教育研究活動以外の支援、およびキャ
留学生、派遣学生、教職員
ンパスにおける学生生活や地域活動
9. その他
57
1
489
指標数合計
出典)Introductory Tutorial IMPI Toolboxを基に、筆者翻訳・作成
5
取組②:大学の国際化評価への支援と助
言
欧州の大学国際化の評価支援のサービスの比較
取組
(開始年度)
取組内容
評価
HRK-Audit
Internationalisation
of Universities
(2009)
 大学が国際化を自己評価し
戦略的に国際化を促進するため
のコンサルティングサービス
 再オーディットサービス
【有料】
 自己評価+
ピア(第三者)
レビューと助言
Internationalization
Strategies Advisory
Service(ISAS)
(2010)
 大学が国際化を自己評価し
戦略的に国際化を促進するため
のコンサルティングサービス
 自己評価+
ピア(第三者)
レビューと助言
ACA
Internationalisation
Monitor(AIM)
(2011)
 大学が国際化を自己評価し
戦略的に国際化を促進するため
のコンサルティングサービス
 自己評価+
ピア(第三者)
レビューと助言
Mapping
Internationalisation
(MINT)
(2009[2008])
 大学の国際化戦略作りと国
際化プロセスの観察と評価のた
めのオンライン・ツールの提供
 2012年より大学が国際化を
自己評価し戦略的に国際化を促
進するためのコンサルティング
サービスを追加
 自己評価
 ピア(第三
者)レビューと
助言(2012年
より開始)
 ベンチマー
キング可
レベル
機関
機関
機関
機関と
プログ
ラム
期間
実施機関と支援の対象
1年程度
実施機関:HRK(ドイツ大学
学長会議)
対象:HRKのメンバー高等教
育機関
【無料】
1年程度
実施機関:IAU(ユネスコの
諮問機関国際大学協会)
主対象:世界のIAUのメン
バー大学(IAUのメンバー以
外も可)
【有料】
3~4か月
実施機関:ACA(ヨーロッパ
学術協力協会)
主対象:欧州の大学(欧州外
の大学も場合によっては可)
【有料】
実施機関:Nuffic(オランダ
高等教育国際協力機構)
対象:オランダの高等教育機
関
【無料】オンライン・ツール
【有料】コンサルティング
サービス
6
取組③:大学国際化の評価と認定
NVAO-国際化の特に優れた特徴(Distinctive Quality
Feature Internationalisation:DQF Internationalization)

提供者:NVAO(アクレディテーション機構)

対象:オランダおよびフランダースの高等教育機関

支援の内容



評価方法


プログラムレベル(2010)と機関レベル(2012)の評価と認定
プログラム評価フレームワークの開発が主目的
自己評価とピア・レビュー
評価のアプローチ



各大学の国際化の目標に基づいた評価(目標達成度を評価)
大学の目指す国際化の教育の質の向上における効果
国際化の目標とその効果において、学習成果を重視
7
取組③:大学国際化の評価と認定
NVAO-DQF Internationalisation評価フレームワーク:機関レベル
評価基準(Standards)
評価基準の定義(Explanation)
教育の質につながる • 国際化のビジョンは大学の国際化の抱負と一致している。
1.ビジョン 国際化のビジョンの明 • 国際化のビジョンは教育の質に言及している。
確化と共有
• 教育の国際化を全学的に促進している。
2.施策
3.具体化
国際化ビジョンの実
現を可能にする施策。
施策には最低、「国際・
異文化教育の学習成
果」「教育と学習」「ス
タッフ」「学生」の項目
が含まれていること
施策実施の程度
• 大学の施策は評価基準にある4項目に限定する必要はなく、ビジョンに基づい
たものであればよい。
• 適切な施策はビジョンに即した目標と実施に必要な資源について言及してい
なければならない。
• 国際・異文化教育の学習成果が重要である。これらの学習成果は教育の質に
対する国際化の効果を正確に証明する。またその結果として、学生、卒業生、ま
た労働市場に対して国際化の妥当性を証明することになる。
• 国際化施策にある項目の実施に関する情報を管理している。
• 教育プログラムの質に対する国際化施策の効果に関する情報を管理してい
る。
• これらの情報は評価基準2(施策)にある取組を含む。
• 大学の内部質保証システムは、国際化施策にある項目を対象としている。
• 国際化が、内部質保証システムに影響を及ぼしている。
国際化の内部質保
4.改善計画
• 改善計画の一部に国際化のアプローチ(例えば、国際的なベンチマーキング、
証システムの整備状況
国際的なピア・ラーニング、国際的なネットワーキングなど)を活用している。
• 改善計画は、明らかに国際化活動に限られたことではない。
5.組織・
• 組織・政策決定の構造が大学の国際化(ビジョン、施策、具体化、改善計画)
国際化に関する組
に関するすべての項目の一貫した実施を可能にしている。
政策決定
織と政策決定の構造
の構造
• 組織・政策決定の構造には、任務、権限、責任が明確に定義されている。
(出典:NVAO (2011) Frameworks for the Assessment of Internatioanlisationを基に筆者翻訳・作成)
8
取組③:大学国際化の評価と認定
NVAO-DQF Internationalisation評価フレームワーク:
機関レベル
 各基準の評価
 基準(standards)に適合(meets)
 基準(standards)に一部適合(partially meets)
 基準(standards)に不適合(does not meet)
 総合評価(判定)
大学の国際化のビジョンに基づいて、教育の質の向上において効
果的な国際化施策の実施ができたかどうかを評価
 適格(positive)
 不適格(negative)
9
大学の国際化評価の傾向
評価の主目的は自己点検と改善
1.


国際化は大学の質向上のための手段
大学には第三者による国際的な大学(国際性の高い大学)
の認定も目的としてあり
合目的性を重視した評価
2.


各大学のミッションや特性を反映した国際化の目標
その目標を達成するためのプロセスを検証
国際化の活動や取組といった業績
 国際化の内部質保証・改善システムの整備状況を含む実施プロ
セスの妥当性

国際化の認定
3.

アクレディテーション機関であるNVAOは認定を実施

各大学の国際化の目標に対する達成度の判定・認定
10

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