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相の安定性と相転移
◎ 相図の特徴を熱力学的考察から説明
◎ 以下の考察
物質のギブズエネルギー,とくにそのモルギブズエネルギー Gm を基礎とする
本書全体にわたって,きわめて重要な役割
⇒ μ (ミュー): 化学ポテンシャル (chemical potential)
・1成分系 Gm =μ
・一般的な定義: 第5章
系にいろいろな変化をもたらすときその物質が示すポテンシャル
(潜在能力)を反映
・本章(第4章)
・第7章
物理変化
化学変化
4・4 平衡の熱力学的な基準
◎ 熱力学の第二法則
熱源から熱を吸収して、それを全部仕事
に変換するだけで、他に何の結果も残さ
ない過程は実現不可能である. (p.77)
⇓
平衡では物質の化学ポテンシャルは相が
いくつあっても,試料全体を通じて同じで
ある.
μ1
化学ポテンシャル
μ2
微小な物質量
dn
-μ1dn
移動後の G
+μ2dn
前変化 dG = (μ2- μ1) dn
μ1 > μ2 ⇒ dG < 0, G 減少
自発変化
μ1 = μ2 ⇒ dG = 0, G 一定
平衡
4・5 安定性のいろいろな条件への依存性
◎ 低温での化学ポテンシャル
固相が最低 ⇒ 固相が最も安定 (極端な低圧下以外)
◎ 化学ポテンシャルの温度依存性
相によって異なる ⇒ 他の相が最低になることが可能
⇒ 自発的な相転移
(※速度論的に可能であれば)
(a) 相の安定性の温度依存性
◎ ギブスエネルギーの温度依存性
(p.108)
系のエントロピー
純物質の化学ポテンシャルは
その物質のモルギブズエネルギーと等しい
すなわち
μ =Gm
よって
・Sm > 0 より、温度↑ ⇒ 化学ポテンシャル↓
・μ vs T プロット 負の勾配
・Sm(g) > Sm(l) > Sm(s) より、
勾配
気体 > 液体 > 固体
(b) 外圧に対する融解の対応
固体物質を加圧 ⇒ 通常の物質
水(氷)
融解温度 上昇
融解温度 低下
圧力による融解温度の変化
より、
Vm(l) > Vm(s)
通常物質
Vm(l) < Vm(s)
水
数式に数値代入して計算する際の注意点
SI単位系にそろえて代入すること!
長さ m, 質量 kg, 時間 s, 物質量 mol, 温度 K
(電流 A, 光度 cd)
体積: m3
密度: g cm-3 ⇒ kg m-3
圧力: kPa, hPa, MPa, bar, mbar,
Torr, mmHg… ⇒ Pa
モル質量: 分子量(g mol-1) ⇒ kg mol-1
エネルギー: mJ, kJ, cal, eV… ⇒ J
(μ : J mol-1 )
補 足
T 一定のもとで
dμ = Vmdp
=
μ2 - μ1 = Vm(p2- p1)
Δμ
= Vm Δp
(質量密度) = (モル質量) / (モル体積)
ρ [kg m-3] = M [kg mol-1] / Vm [m3 mol-1]
⇒
Vm = M / ρ
Δp (2.00 bar – 1.00 bar)
課題 1
(c) 蒸気圧に対する圧力の効果
◎ 凝縮相に加圧 ⇒ 蒸気圧が上昇
(分子が凝縮相から搾り出されて気体として逃げ出す)
◎ 圧力のかけ方
・凝縮相を力学的に圧縮
・完全気体で圧力をかける
蒸気圧 = 凝縮相と平衡にある蒸気の分圧
(その物質の蒸気分圧)
◎ 気体溶媒和
気相の化学種に分子がくっつく過程
液体から分子をひきつけ気相へ連れて行く
◎ 外圧 ΔP をかけたときの蒸気圧力 p と
外圧がないときの液体の蒸気圧 p* の関係
根拠4・1 加圧された液体の蒸気圧
◎ 加圧した液体の蒸気圧の計算
平衡では液体と蒸気の化学ポテンシャルが等しいので、
μ(I)=μ(g)
平衡が保たれているとき、μ(l) の変化はμ(g) の変化と等しくなければならない
よって
dμ(g)=dμ(l)
温度を一定として液体にかかる圧力 P がdP だけ増加すると、
液体の化学ポテンシャルは dμ(l) =Vm(l)dP だけ変化する
一方,蒸気の化学ポテンシャルの変化は dμ(g) = Vm(g)dp である
(dp: 求めようとしている蒸気圧の変化)
蒸気を完全気体とし,モル体積を Vm(g)=RT/p で置換すると、
蒸気と液体の化学ポテンシャルの変化を等しいとおけば、
積分区間(境界条件)がわかれば積分可能
液体を加圧しなければ、液体が受ける圧力 P = p* (ふつうの蒸気圧)
このとき蒸気相の圧力 p = p* すなわち、積分区間の開始点は両辺とも p*
蒸気相の積分区間の終点は p (求めるべき蒸気圧)
液体にさらに外圧 ΔP を加えると、P = p +ΔP となるので、
液相の積分区間の終点は p +ΔP となる
ここで、蒸気圧に対する外圧の影響は非常に小さいので
p = p*
と近似でき、終点を p* +ΔP と表すことができる。よって、
水 (H2O) @25℃
H
O
M = (1.01×2 + 16.00) = 18.02 [g mol-1] = 18.02×10-3 [kg mol-1]
ρ = 0.997 [g cm-3] = 997 [kg m-3]
M ×
(1/ρ)
[kg mol-1]
[m3 kg-1]
1
= (18.02×10-3) / 997 = 1.807 ×10-5 = 1.81×10-5 [m3 mol-1]
Vm(l)
=
[m3 mol-1]
= 7.305×10-3
= ln (p / p*)
課題 2

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